日産、中国で年販200万台を目指す

2014.05.14 自動車ニュース
5万元(約82万円)を切る低価格を実現したヴェヌーシアの新型コンパクトカー「R30」。「日産マーチ」をベースにしている。
5万元(約82万円)を切る低価格を実現したヴェヌーシアの新型コンパクトカー「R30」。「日産マーチ」をベースにしている。

日産、中国で2017~18年に200万台の販売目指す

日産自動車は2014年5月13日、中国事業への取り組みに関する説明会を横浜のグローバル本社で開催した。

東風汽車有限公司の関 潤総裁。日産の専務執行役員を兼務する。(写真=webCG)
東風汽車有限公司の関 潤総裁。日産の専務執行役員を兼務する。(写真=webCG)

■今年の目標は143万台。反日デモの打撃を克服

中国は昨年の販売台数が2198万台(乗用車と商用車の合計)に達する世界最大の自動車市場。日産はそこで126万6000台を販売し、トヨタ自動車(91万7500台)やホンダ(75万6900台)を抑えて日系メーカーの首位を走っている。

2014年の販売目標は143万台(前年比17.6%増)。中国の合弁会社、東風汽車有限公司(DFL)を率いる関 潤総裁(日産の専務執行役員を兼務)は、「2017~18年に200万台を達成したい」とさらなる成長への意欲を示した。

DFLはもともと、2011年に発表した中期経営計画のなかで「2015年に販売200万台、市場シェア10%」を目指すとしていた。しかし2012年9月の反日デモの影響で販売が一時大幅に落ち込み、計画の延期を余儀なくされていた。今回、関総裁が達成時期を明示して強気の目標を示したのは、日系メーカーが反日デモの打撃を克服し、自信を取り戻した表れと言えるだろう。

中国での一番人気は「日産シルフィ」。2013年は約26万台売れた。
中国での一番人気は「日産シルフィ」。2013年は約26万台売れた。
「日産エクストレイル」
「日産エクストレイル」

■ヴェヌーシアの低価格コンパクトカーは82万円以下

日産は中国市場で主力の日産ブランドのほか、中国市場専用ブランドの「ヴェヌーシア」(中国名:啓辰)、高級車の「インフィニティ」、合弁相手のブランドである「東風」という4ブランドを展開している。このうち、東風ブランドで販売しているのは小型商用車やピックアップトラックなどである。

全ブランドのなかで最も売れているのは、日産ブランドの小型セダン「シルフィ」。昨年は約26万台(平均月販2万台以上!)を販売し、乗用車の販売ランキングで第8位と日本車で唯一トップ10入りを果たした。今年3月に発売した小型SUVの新型「エクストレイル」も、月販約9000台のヒットとなっている。

今年後半の目玉は、ヴェヌーシアから発売する新型コンパクトカー「R30」だ。「日産マーチ」をベースに装備の簡素化や部品調達の見直しでコストを大幅に抑え、主力グレードでも5万元(約82万円)を切る低価格で投入する。値段の安さだけでなく、日本車ならではの品質とアフターサービスをセットにし、マイカーを初めて購入するドライバーに売り込む。

電気自動車の「ヴェヌーシアe30」。「日産リーフ」がベース。
電気自動車の「ヴェヌーシアe30」。「日産リーフ」がベース。

■小型車の強みを生かしつつ高級車も拡充

9月には、中国の公道で実証実験を重ねていた電気自動車(EV)の「ヴェヌーシアe30」の個人向け販売を開始する。e30は「日産リーフ」の中国版だ。また、生産体制の面では遼寧省大連市に建設中の新工場(年産15万台)が稼働するほか、湖北省襄陽市の工場でインフィニティブランドの初の現地生産(車種は「Q50/QX50」)を開始する。

関総裁はさらに、「2015年は多数の新車を投入する」と明らかにした。車名の公表は避けたが、現在のDFLのラインナップは小型車が主体で、トヨタの高級セダン「クラウン」や上級SUV「ハイランダー」に相当する車種が欠けている。「小型車の強みを維持しつつ、高級車も拡充したい」(関総裁)。そこから類推すると、「フーガ」や「ムラーノ」の投入が有力かもしれない。

(文=岩村宏水、写真=岩村宏水、webCG)

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