GT-Rが第3戦オートポリスで表彰台独占【SUPER GT 2014】

2014.06.01 自動車ニュース
ポール・トゥ・フィニッシュをきめた、松田次生(写真左)とロニー・クインタレッリが駆るNo.23 MOTUL AUTECH GT-R。
ポール・トゥ・フィニッシュをきめた、松田次生(写真左)とロニー・クインタレッリが駆るNo.23 MOTUL AUTECH GT-R。

【SUPER GT 2014】GT-Rが第3戦オートポリスで表彰台独占

2014年6月1日、SUPER GTの第3戦が大分県のオートポリスで開催され、GT500クラスはNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が、GT300クラスはNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)が、勝利を手にした。

出走前の各マシン。2014年のオートポリスは、猛暑の中での開催となった。
出走前の各マシン。2014年のオートポリスは、猛暑の中での開催となった。
No.23 MOTUL AUTECH GT-R(写真)と、No.46 S Road REITO MOLA GT-Rのミシュランタイヤ装着車が、予選から強さを見せつけた。
No.23 MOTUL AUTECH GT-R(写真)と、No.46 S Road REITO MOLA GT-Rのミシュランタイヤ装着車が、予選から強さを見せつけた。

■勝負のゆくえはタイヤが握る!?

DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)と共通の車両規則が導入された今シーズンのSUPER GTで、思わぬ問題が持ち上がった。

モノコック、サスペンション、エアロダイナミクスなどに関する規定はDTMとSUPER GTで基本的に同一だが、エンジンは自然吸気の4リッターV8となるDTMに対し、SUPER GTは2リッター直4ターボと大きく異なる。そしてタイヤはDTMがハンコックのワンメイクとなっているのに対し、SUPER GTではブリヂストン、ミシュラン、ヨコハマ、ダンロップが熾烈(しれつ)なタイヤ戦争を繰り広げている。
このためSUPER GTのほうがコーナリングスピードは一段と高く、既存のランオフエリアでは十分にマシンを減速できないままガードレールやタイヤバリアーに激突する恐れが出てきた。そこで、第3戦オートポリスと第4戦菅生の2レースでは、暫定的に富士スピードウェイ用のローダウンフォース・コンフィギュレーションを使用することを義務づけ、速すぎるコーナリングを抑制する措置がとられたのである。

ただし、ダウンフォースが減ればコーナリング中にタイヤがスリップする比率が高まり、タイヤには大きな負担がかかる。そうでなくとも、レースが行われた週末、大分県日田市は35度前後の最高気温を記録していた。同じ日田市でも、山あいにあるオートポリスはそれよりいくぶん過ごしやすい気候となったものの、タイヤにとって厳しいコンディションであることには変わりない。そしてこのタイヤに厳しいコンディションが、レース展開に大きな影響を与えることになったのだ。

GT500クラスのスタートシーン。2台の「日産GT-R」を、No.1 ZENT CERUMO RC F(写真右端)が追う。
GT500クラスのスタートシーン。2台の「日産GT-R」を、No.1 ZENT CERUMO RC F(写真右端)が追う。
No.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/J.P・デ・オリベイラ組)。最終的にレースを3位で終え、「GT-R」の1-2-3フィニッシュを実現した。
No.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/J.P・デ・オリベイラ組)。最終的にレースを3位で終え、「GT-R」の1-2-3フィニッシュを実現した。
No.23 MOTUL AUTECH GT-Rゴールの瞬間。チームの面々が、フェンスから身を乗り出して勝利を祝福する。
No.23 MOTUL AUTECH GT-Rゴールの瞬間。チームの面々が、フェンスから身を乗り出して勝利を祝福する。

■日産勢が終始圧倒

予選を制したのは、No.23 MOTUL AUTECH GT-R。これにNo.46 S Road REITO MOLA GT-R(本山 哲/柳田真孝組)が2位で続いた。
2台とも「日産GT-R」であることは言うまでもないが、それとともに注目されるのが、どちらもミシュランタイヤ装着車であること。路面温度が高く、タイヤにかかる負荷が大きくなると本領を発揮するフレンチラバーのアドバンテージが見事に生かされた結果だった。その証拠に、同じGT-Rでもブリヂストンを履くNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/J.P・デ・オリベイラ組)はNo.1 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/平手晃平組)に敗れて予選4位。ヨコハマタイヤを装着するNo.24 D'station ADVAN GT-R(ミハエル・クルム/佐々木大樹組)は予選8位にとどまっていた。

決勝が始まってもNo.23 MOTUL AUTECH GT-RとNo.46 S Road REITO MOLA GT-Rの優位は揺るがなかった。一時はNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rのブレーキングが鈍り、これにNo.46 S Road REITO MOLA GT-Rが追突するシーンも見られたが、幸いブレーキのトラブルはそれ以上悪化することはなく、追突したNo.46 S Road REITO MOLA GT-Rの傷も浅かった。
しかも、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rはタイヤの“持ち”が抜群によく、後続がタイヤ交換で大きく遅れたのを確認してからピットストップ。結局、一度も首位を奪われることなく65周を走りきり、今季初優勝を果たした。

そしてNo.46 S Road REITO MOLA GT-Rが2位で続き、日産とミシュランは1-2フィニッシュを達成。さらに、No.1 ZENT CERUMO RC Fがタイヤの摩耗で大きく遅れたこともあってNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rが3位に入り、日産は1-2-3フィニッシュを成し遂げたのである。
なお、トヨタの最上位はNo.37 KeePer TOM’S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)の4位、ホンダの最上位はNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/武藤英紀組)の6位だった。

No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT。予選をトップで終えるも、決勝では勝利を逃すことに。
No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT。予選をトップで終えるも、決勝では勝利を逃すことに。
逆転勝利でガッツポーズ。小林崇志(写真左)と高木真一のNo.55 ARTA CR-Z GTが2014年シーズン初のクラス優勝を手にした。
逆転勝利でガッツポーズ。小林崇志(写真左)と高木真一のNo.55 ARTA CR-Z GTが2014年シーズン初のクラス優勝を手にした。

■GT300クラスはBRZ vs. CR-Z

予選でNo.55 ARTA CR-Z GTとNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人組)が激しいポールポジション合戦を繰り広げたGT300クラスでは、最後のアタックを別のGT300クラス車両に邪魔されたNo.55 ARTA CR-Z GTが2番手に終わり、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORTがポールポジションを獲得する。
続く決勝でも前半はNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTがリードしたが、レース中盤に素早いピットストップを見せたNo.55 ARTA CR-Z GTが逆転。結局、優勝はNo.55 ARTA CR-Z GT、2位はNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTで、5番グリッドからスタートしたNo.11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)が3位に入った。

第4戦は7月19-20日に、宮城県のスポーツランドSUGOで開催される。

(文=小林祐介/写真提供 GTA)

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