第5戦富士でNSXが今季初勝利【SUPER GT 2014】

2014.08.11 自動車ニュース
2014年シーズン初の勝利を手にした、山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組のNo.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT。
2014年シーズン初の勝利を手にした、山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組のNo.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT。

【SUPER GT 2014】第5戦富士で「NSX CONCEPT-GT」が初勝利

2014年8月10日、SUPER GTの第5戦が富士スピードウェイで開催され、GT500クラスはNo.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)が、GT300クラスはNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人組)が勝利を手にした。

台風の接近により、富士スピードウェイは大荒れのコンディションに。
台風の接近により、富士スピードウェイは大荒れのコンディションに。
決勝レースはキャンセルされることなく15時にスタートしたが、豪雨によりセーフティーカーが入る場面も見られた。写真はGT500クラスのスタートシーン。
決勝レースはキャンセルされることなく15時にスタートしたが、豪雨によりセーフティーカーが入る場面も見られた。写真はGT500クラスのスタートシーン。
2位でレースを終えた、松田次生/ロニー・クインタレッリ組のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R。
2位でレースを終えた、松田次生/ロニー・クインタレッリ組のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R。

■NSXの後半戦に追い風

台風11号の襲来で大雨に見舞われた富士スピードウェイで、「ホンダNSX」が今季初の栄冠を勝ち取った。

今シーズンよりGT500に導入された新しい車両規則は、FRレイアウトのみの参戦を認めるDTMのレギュレーションを基本としている。その影響で、ミドシップレイアウトを採用するNSXは、エンジンルームを十分に冷却することができなかった。この冷却不足により、本来発生できるはずのエンジンパワーが得られないだけでなく、高温にさらされたパーツがトラブルを起こすなどの問題をも抱え、「開幕戦でNo.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTがあげた5位が最高位」という不本意な状態が続いていた。

こうした状況を鑑み、SUPER GTを運営するGTAは、NSXのフロントグリルやリアバンパーの開口部拡大、そしてリアウィンドウに開口部を追加することを認可。これにより、NSXは冷却能力の改善が図られ、本来のパフォーマンスを発揮できるようになった。さらに、NSXの最低車重をそれまでの1090kgから1077kgへと軽減。FRレイアウトを採用する「日産GT-R」や「レクサスRC-F」の1020kgに近づける措置が取られた。

これらが実施された第4戦菅生大会ではNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(金石年弘/塚越広大組)がいきなり3位に入ってみせたが、それは、タイヤ交換の戦略が結果を大きく左右するレースだったと言わざるを得ない。

一方、時に激しい雨が降った今大会もウエットレースだったことには変わりないが、上位陣はいずれもウエットタイヤで走り続けており、タイヤ交換のタイミングがレースに及ぼした影響はほとんどなかったと言える。

No.32 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット組)は3位フィニッシュ。
No.32 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット組)は3位フィニッシュ。
勝利を喜ぶ、ウイダー モデューロ 童夢 レーシングの面々。写真左から、フレデリック・マコヴィッキィ、天澤天二郎監督、そして山本尚貴。
勝利を喜ぶ、ウイダー モデューロ 童夢 レーシングの面々。写真左から、フレデリック・マコヴィッキィ、天澤天二郎監督、そして山本尚貴。
GT300クラスのスタートシーン。
GT300クラスのスタートシーン。
GT300クラスは、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORTがポール・トゥ・ウィンをきめた。
GT300クラスは、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORTがポール・トゥ・ウィンをきめた。

■タイトル争いはさらに激化?

そうしたなか、ホンダはNo.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTが優勝。2位のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)をはさんで、No.32 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット組)が3位、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTが4位という成績を残したのだから、その実力はホンモノと言っていいだろう。

とりわけ興味深いのが、3台のNSXがそれぞれのタイヤメーカーでトップの成績を収めたことにある。つまり、ミシュラン勢の最高位はNo.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTの1位、ダンロップ勢の最高位はNo.32 Epson NSX CONCEPT-GTの3位、ブリヂストン勢の最高位はNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTの4位だったのだ。
もっとも、GT500クラスでダンロップタイヤを用いているのはNo.32 Epson NSX CONCEPT-GTのみ。それが、いかに彼らが得意とするウエットレースだったとはいえ、並みいる強豪を抑えて表彰台を獲得したのは立派だった。しかも、ダンロップはスリックタイヤの性能改善にも成功しているもよう。ドライバーの中嶋大祐も、「次の鈴鹿ではドライでもウエットでもいいレースが戦えるものと期待しています」と語った。

とはいえ、チャンピオン争いは、51点を獲得しているNo.37 KeePer TOM’S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)が依然としてトップ。47点のNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/J.P・デ・オリベイラ組)が2番手、今回2位に入ったNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが42点で3番手となっている。一方のホンダは通算34点を得て5番手につけている山本尚貴がトップ。逆転チャンピオンへの道は、まだまだ厳しいと言わざるを得ない。

GT300クラスでは、前日の予選でポールポジションを獲得したNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTが終始リード。JAF-GT車両ゆえにエンジンパワーの規制が厳しく、富士ではこれまで優勝したことのなかった「スバルBRZ」が初の白星を手に入れた。
続く2位はNo.11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)。3位にはNo.86 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3(細川慎弥/山西康司組)が入った。

次戦は、8月30~31日に鈴鹿サーキットで開催される鈴鹿1000kmとなる。

(文=小林祐介/写真提供 GTA)

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