PETRONAS TOM'S RC Fが鈴鹿1000kmで勝利【SUPER GT 2014】

2014.09.01 自動車ニュース
毎年恒例の鈴鹿での長距離レースを制した、No.36 PETRONAS TOM'S RC F。

【SUPER GT 2014】PETRONAS TOM'S RC Fが鈴鹿1000kmを制す

2014年8月31日、SUPER GTの第6戦が鈴鹿サーキットで開催され、GT500クラスはNo.36 PETRONAS TOM'S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)が、GT300クラスはNo.60 TWS LM Corsa BMW Z4(飯田 章/吉本大樹/佐藤晋也組)が勝利を手にした。

GT500クラスのスタートシーン。およそ5時間半におよぶレースの始まりだ。
No.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT。ほかのNSX勢が脱落するなか最終的に3位表彰台を獲得した。
GT300クラスは、No.55 ARTA CR-Z GT(写真右端)を先頭にスタート。

■トラブル多発の長丁場

SUPER GT第6戦として開催されたのは、伝統の耐久レース“鈴鹿1000km”。通常のシリーズ戦の、3倍以上の距離を走破するため、例年たくさんのアクシデントやトラブルが発生するが、裏を返せば、そうした不運に見舞われることなく、平穏無事に1000kmを走りきったチームが栄冠を手に入れられるともいえる。今年は、まさにそんなレースになった。

例えば、レース序盤から首位争いを演じていたNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(金石年弘/塚越広大組)は、ペースが速いだけでなく燃費も良好で、理想とされる4ストップ/5スティントのレース戦略にのっとって今季初優勝を果たすと目されていた。
ところが、レース折り返し目前の88周目に、高速コーナーの130Rでエース格の塚越広大がコースアウト。これでボディー後部に大きなダメージを負い、リタイアに追い込まれた。チームメイトの金石年弘のペースが上がらなかったため、これを取り戻そうとして力走していたのだろうが、速いうえにシュアなドライビングで知られる塚越らしからぬ、痛恨のミスだった。

同じホンダ勢でいえば、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/武藤英紀組)もマシンの仕上がりが好調で、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTに続く好成績が期待されていたものの、オープニングラップにNo.1 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/平手晃平組)に追突されてスピン。これで周回遅れとなった。それでも最終的に6位でフィニッシュしたのだから、「もしもあのアクシデントがなければ……」と想像を巡らさずにはいられなかった。

決してペースは速くなかったものの、着実に周回を重ねて96周目に3番手まで浮上したNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(石浦宏明/オリバー・ジャービス組)は、146周目に行った最後のピットストップでホイールナットが完全に締まっていなかったらしく、走行中に左リアタイヤが外れて万事休す。ぼうぜんと立ち尽くす石浦の様子が強く心に残った。

No.23 MOTUL AUTECH GT-R。惜しくも2位フィニッシュとなったが、タイトル争いのランキングは今回でトップに。
GT500クラス表彰式の様子。中央のNo.36 PETRONAS TOM'S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)は、今シーズン初勝利。
GT300クラスを制したNo.60 TWS LM Corsa BMW Z4。BMWの“セミワークスチーム”No.7 Studie BMW Z4は3位でレースを終えた。
鈴鹿戦恒例の花火が、長い戦いをしめくくる。

■「結末の見えないレース」から一転

彼らに比べれば、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)とNo.36 PETRONAS TOM'S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)は、極めて順調に1000km、173周を走りきったといえる。

もっとも、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは定石の4ストップ、No.36 PETRONAS TOM'S RC Fは奇策ともいうべき5ストップを選択。しかもNo.36 PETRONAS TOM'S RC Fは、レースの折り返しまでに2番手に30秒以上のアドバンテージを築くほど速かったので、最後の最後まで勝負の行方は見えないかに思われた。
だが、116周目にNo.36 PETRONAS TOM'S RC Fが4回目のピットストップを行った際、ロシターの執拗(しつよう)なブロックに阻まれてNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの松田は首位に立つことができず、これが尾を引く形でNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは敗退。No.36 PETRONAS TOM'S RC Fが栄冠を手中に収めた。2位はNo.23 MOTUL AUTECH GT-R、3位にはNo.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)が滑り込んだ。

とはいえ、タイトル争いの観点からいえば、No.36 PETRONAS TOM'S RC FはNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの敵ではない。だから、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rはあえて無理をすることなく、No.36 PETRONAS TOM'S RC Fを先行させたとみることもできる。この結果、松田とクインタレッリは首尾よくポイントテーブルのトップに浮上してシーズンの残り2戦に臨むこととなった。

いっぽう、2台のCR-Z GTがフロントローを独占したGT300クラスは、そのCR-Z GTがそろって「コーナリング中にペースが鈍る」というトラブルに見舞われてしまい、6番グリッドからスタートしたNo.60 TWS LM Corsa BMW Z4(飯田 章/吉本大樹/佐藤晋也組)が初勝利。No.31 OGT Panasonic apr PRIUS GT(新田守男/嵯峨宏紀/中山雄一組)が2位、No.7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒 聖治/アウグスト・ファルフス組)が3位という結果に終わった。

次戦は10月4日(土)、5日(日)に、初開催となるタイのブリーラム ユナイテッド インターナショナル サーキットで行われる。

(文=小林祐介/写真提供 GTA)

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