「もっとEVを使いやすく」日産が事業計画を発表

2014.10.02 自動車ニュース
発表会の冒頭であいさつを述べる、日産自動車の川口 均 専務執行役員。
発表会の冒頭であいさつを述べる、日産自動車の川口 均 専務執行役員。

日産、EVの普及促進に向けた事業プランを発表

日産自動車は2014年10月1日、記者会見を開き、電気自動車(EV)用充電器の設置状況を報告するとともに、EVユーザーの利便性を高める新たな充電器の利用プランを発表した。

 
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発表会のスライド資料から。現在約2300基ある急速充電器の数は、2015年3月末には4000基へと増設される予定。その作業は、当初計画よりも早いピッチで進行しているという。
発表会のスライド資料から。現在約2300基ある急速充電器の数は、2015年3月末には4000基へと増設される予定。その作業は、当初計画よりも早いピッチで進行しているという。
2010年12月にデビューした、量産型EV「日産リーフ」。2012年の11月には、基本性能をアップさせるマイナーチェンジも実施された。
2010年12月にデビューした、量産型EV「日産リーフ」。2012年の11月には、基本性能をアップさせるマイナーチェンジも実施された。

■EVユーザーの満足を目指して

「毎月3000円支払うだけで、全国およそ4100基の急速充電装置を“使いたい放題”」というサービスがスタートする。
しかし、現時点では日本中を探しても急速充電装置は2300基しかない。もっとも、日本で初となるこのサービスを立ち上げた日産は、いたって大まじめ――この、ちょっとわかりにくい話の背景をまずは紹介しよう。

去る2014年5月26日、トヨタ、日産、ホンダ、三菱、そして日本政策投資銀行が共同出資して、「合同会社日本充電サービス(略称:NCS)」という法人が設立された。その目的のひとつに、充電インフラの整備促進が掲げられている。政府が用意した1005億円もの補助金を背景に、全国の高速道路、コンビニ、道の駅などに急速充電装置を設置。既存のものを含めると、その数は2014年度末までに約6000基にのぼるという。

日産は、このうちの約4100基をひとつのネットワークとしたうえで、「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム」に新たに追加される料金プラン「スタンダード・プラン」に加入したユーザーであれば、これらの急速充電器を何度でも、何時間でも利用できるサービスを10月1日に開始した。

2010年に「リーフ」が発売されて以降、日産のもとには「EVは航続距離が短くて使いにくい」「充電スタンドの数が少ないので出先で“電欠”にならないか心配」といった声が多数寄せられたという。これに応える形で、日産はリーフの航続距離を2012年11月実施のマイナーチェンジで228kmに拡大したほか、全国の日産ディーラーに急速充電装置を含む充電ステーションを展開。月額1429円(税別)の「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム」に加入すれば、何度でも何時間でも充電し放題となるサービスを提供してきた。ただし、それでもサービスの対象となる急速充電装置は全国に1600基ほどで、決して十分とはいえなかった。

日産は今後、充電器の普及を進めつつ、さらに”おトクな充電料金プラン”(写真)を提供することで、EVのユーザーをバックアップするという。
日産は今後、充電器の普及を進めつつ、さらに”おトクな充電料金プラン”(写真)を提供することで、EVのユーザーをバックアップするという。
「日産リーフ」のインテリア。
「日産リーフ」のインテリア。
「リーフ」のカーナビ画面。ボタンひとつで、最寄の充電可能ポイントが表示される。
「リーフ」のカーナビ画面。ボタンひとつで、最寄の充電可能ポイントが表示される。
こちらは、日産が扱うもうひとつの量産型EV「e-NV200」。商用のワンボックス車で、2014年6月に発表された。
こちらは、日産が扱うもうひとつの量産型EV「e-NV200」。商用のワンボックス車で、2014年6月に発表された。

■来春には状況が変わる!?

それが、前述したNSCが設立したことで急速充電装置の設置が加速。しかも、それらをひとつのネットワークに組み込むことができたので、1枚の利用カードを提示するだけでどこでも充電できるサービスが実現したというわけだ。

ちなみに、今後、順次有料化されていく急速充電器の使用料は、1分間あたり50円になる予定。つまり、30分間の充電で1500円がかかることになる。いっぽう、既存の日産ゼロ・エミッションサポートプログラムは、月額1429円の料金で充電サービスに加え、(1)携帯電話を用いてリーフをリモートコントロールできるITサポート、(2)5年間の車両点検とEVバッテリー診断が無料となるメンテナンスサポート、(3)緊急時にはレッカー車が24時間365日かけつけるエマージェンシーサポート、(4)ガソリン車などが必要なときには日産レンタカーを通常の70%引きで利用できるEVカーライフサポートが付帯しており、リーフを購入した人のおよそ9割が加入しているという。
言い換えれば、このサービスは充電サービスを利用しなくても十分「元がとれる」わけだが、そこに1回の急速充電に相当する料金を上乗せするだけで、全国4100カ所の急速充電装置が“使い放題”となるのだから、そのメリットは極めて大きいといえる。

もっとも、4100基の急速充電装置がそろうのは2014年度末の予定。関係企業などの尽力により、当初の計画を上回るペースで建設が進んでいるとはいえ、いますぐに4100基の急速充電装置がすべて使えるわけではない。そこで日産では、4100基が出そろう予定の2014年度末までをお試し期間と位置づけ、従来の「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム」(今後、これは“ライト・プラン”と呼ばれる)と同じ月額1429円の料金でスタンダード・プランを提供するという。

また、同じ指定充電装置であれば現在、全国におよそ3000基あるとされる普通充電装置(こちらは2015年度末までに1万1000基へと増設される計画)も使えるので、EVを使用する際の安心感はぐっと高まりそうだ。
日産は、このサービスを展開することにより、これまでの累計販売台数が4万5300台(2014年9月末現在)にとどまっているリーフのセールスに一層の弾みをつけたい考えだ。

(文=大谷達也/写真=webCG、日産自動車)

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