『小林彰太郎名作選』のご紹介

2014.12.01 From Our Staff

『小林彰太郎名作選』のご紹介

日本の自動車ジャーナリストの草分けである小林彰太郎さんが、1962年から89年にかけて『CAR GRAPHIC』でつづった珠玉の試乗記を、選りすぐって収録した名作選『小林彰太郎名作選』を紹介します。

-----------------------------------------------------------

『小林彰太郎名作選 1962-1989』
本文376ページ
発行所:株式会社カーグラフィック
定価:2300円+税

←アマゾンで買う

-----------------------------------------------------------

小林彰太郎さんによる全50編の試乗記を集めた『小林彰太郎名作選 1962-1989』(photo: Tatsuya Mine)
自動車に対する好奇心と愛情にあふれた試乗記の数々。キーをひねる興奮やペダルを踏み込んだときの驚きが、生々しく伝わってきます。
当時の取材シーンを収めた写真ページも。富士スピードウェイや日本自動車研究所(谷田部/当時)の懐かしい風景が。

<収録車種>メルセデス・ベンツ300SL/BMW 2002tii/アウディ80クワトロ/ポルシェ356B/フォルクスワーゲン・ゴルフ・ディーゼル/ジャガーEタイプ/モーリス・ミニ・クーパー998/ロータス・ヨーロッパ/アルファ・ロメオ・ジュニアZ/フェラーリ・ディーノ246GT/ランボルギーニ・ウラコ250S/ルノー5/シトロエンDS19/トヨタ・ソアラ2800GT/ニッサン・ブルーバード1300/ホンダS600/いすゞ・ベレット1600GT/スバル360/マツダ・ファミリア・ロータリー・クーペ ほか。

小林彰太郎さんが自動車雑誌『CAR GRAPHIC』の編集長を務めたのは、1962年4月号から1989年4月号まで。本書は、その間に掲載された小林彰太郎さんの試乗記の中から、印象深い記事を選りすぐって掲載したものです。

<本文から抜粋>---

「現代の(余りにも快適な)スポーツカーの水準から見ると、このロータスは野蛮なほど居住性が悪い。」(ロータス・セブン)

「この世でなにを最も欲するかと問われて、ロールス・ロイス・シルヴァーゴーストと答えた晩年のアラビアのローレンスのひそみにならえば、メルセデス・ベンツ600、それに一生乗れるだけのタイアをそえてと、いまの私なら答えるだろう。」(メルセデス・ベンツ600サルーン)

「いまから十数年前、DS19に初めて乗ったとき以来のフレッシュな驚きと、シトローエンの高遠な設計思想(テクノロジーだけでなく、その奥にある人生に対する深い洞察)への畏敬の念に改めて強く打たれたことを、まず告白せねばならない。」(シトローエンGS)

---

歯に衣着せぬ語り口、メカニクスにとどまらず文化・思想にまで触れる独特の姿勢、車内の匂いまで感じられるような味わい深い表現。ときに辛辣(しんらつ)にメーカーへ提言し、ときに温かく進化を見守り、ときに無邪気にパフォーマンスに驚き、色彩豊かに一台一台のクルマの姿を描き出しています。

「メルセデス・ベンツ300SL」から「ポルシェ356」「ジャガーEタイプ」「BMW 2002tii」「ランボルギーニ・ウラコ250S」「ホンダS600」「マツダ・ファミリア・ロータリー・クーペ」等々、スーパーカーから実用車まで、50車種の試乗記を収録。いまでは「名車」と呼ばれるクルマたちの、新車時代のみずみずしい印象を知ることができるのも本書の楽しみのひとつでしょう。

本文以外にも、当時の取材シーンを収めた写真も掲載。谷田部(当時の日本自動車研究所)での計測や、おなじみの箱根のハンドリングテスト風景の一枚一枚から、かつてのCG誌面が鮮やかによみがえります。

その突出したジャーナリスト精神、文章からは、いまなお学ぶところの多い小林節。昔を懐かしむだけでなく、もう一度クルマを見直し楽しむきっかけを与えてくれる一冊です。

(カーグラフィック編集部)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。