「水野和敏的視点」 vol.78 「プジョー208アリュール」(後編)

2014.12.05 mobileCG

「水野和敏的視点」 vol.78 「プジョー208アリュール」(後編)

R35型「日産GT-R」の生みの親、育ての親であるだけでなく、レース界での活躍やセダンの進化への貢献など、自動車の世界で数々の成果を上げてきた水野和敏氏が本音でクルマを語り尽くす『mobileCG』の特集「水野和敏的視点」。前回に引き続き、今回も「プジョー208」をテストする。ドイツ車とはまるで異なるロジックで成り立っているフランスの、骨のあるコンパクトハッチに対するミスターGT-Rの評価は?


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プジョー208アリュールETG5
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3960×1740×1470mm/ホイールベース:2540mm/車重:1070kg/駆動方式:FF/エンジン:1.2リッター直4 DOHC 16バルブ/トランスミッション:5AT/最高出力:82ps/5750rpm/最大トルク:12.0kgm/2750rpm/タイヤ:(前)195/55R16 (後)195/55R16/車両本体価格:219万円
プジョー208アリュールETG5
    ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3960×1740×1470mm/ホイールベース:2540mm/車重:1070kg/駆動方式:FF/エンジン:1.2リッター直4 DOHC 16バルブ/トランスミッション:5AT/最高出力:82ps/5750rpm/最大トルク:12.0kgm/2750rpm/タイヤ:(前)195/55R16 (後)195/55R16/車両本体価格:219万円 拡大

■これはドイツ車にはない味だ!

前回に続き、今回もフレンチハッチ「プジョー208」をテストします。前回はメーターの表示が細かすぎて、その見にくさに思わず苦言を呈してしまいましたが、いざ走りだしてみるとドイツ車とは異なるクルマづくりに大いに興味が引かれ、感心することしきりでした。

ドイツ車の場合、足まわりは最初からしっかりしていて、遊びや隙がありません。ところが、208アリュールでは、サスペンションストロークが非常に滑らかで柔らかい。フニャフニャ感すらあります。しかし、それが頼りないかというとまったくそんなことはなくて、一定量ロールすると、ピシッとボディーの傾きが抑えられる。

そのうえステアリングがサッとセンターに戻るので、たとえ足まわりがソフトでも、「どこへ行っちゃうの?」といった不安がありません。クルマそのものが、ドイツ車とはまったく違う要素の組み合わせとアプローチでできている。そんな感想を抱きました。

サスペンションのセッティングをもう少し分析してみると、フロントの柔らかさと比して、リアをしっかり踏ん張らせている。ただし、突っ張ったまま動かない、というのではないんです。リアサスペンションももちろんストロークするのですが、決してフロントの動きを「追い越す」ようなことがない。常にフロントの動き量と速さに応じてストロークし、バランスをしっかりとっているのです。例えるなら、フロントサスペンションという「子供」が勝手な動きをしても、リアサスペンションという「親」がきっちり抑えている感じです。(つづく)
 

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(語り=水野和敏/まとめ=青木禎之<Office Henschel>/写真=小林俊樹)

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