「水野和敏的視点」 vol.80 「BMW M3セダン」(後編)

2014.12.19 mobileCG

「水野和敏的視点」 vol.80 「BMW M3セダン」(後編)

R35型「日産GT-R」の生みの親、育ての親であるだけでなく、レース界での活躍やセダンの進化への貢献など、自動車の世界で数々の成果を上げてきた水野和敏氏が本音でクルマを語り尽くす『mobileCG』の特集「水野和敏的視点」。前回に続いて、今回も「M3セダン」をテストする。「M3セダン」と「M4クーペ」の違いはボディー形状だけだろうか? ミスターGT-Rによれば、そこには「点」と「線」ほどの違いがあるという。後編はその解説から始めよう。


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BMW M3セダン
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4685×1875×1430mm/ホイールベース:2810mm/車重:1640kg/駆動方式:FR/エンジン:3リッター直6 DOHC 24バルブ ツインターボ/トランスミッション:7AT/最高出力:431ps/7300rpm/最大トルク:56.1kgm/1850-5500rpm/タイヤ:(前)255/35R19 (後)275/35R19/車両本体価格:1104万円
BMW M3セダン
    ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4685×1875×1430mm/ホイールベース:2810mm/車重:1640kg/駆動方式:FR/エンジン:3リッター直6 DOHC 24バルブ ツインターボ/トランスミッション:7AT/最高出力:431ps/7300rpm/最大トルク:56.1kgm/1850-5500rpm/タイヤ:(前)255/35R19 (後)275/35R19/車両本体価格:1104万円

■「これはすごい」と感じたが……

先代M3(E90)の4リッターV8エンジンを捨て、ストレート6に回帰した最新M3。ツインターボを得た3リッター直6エンジンは、最高出力431ps/5500-7300rpm、最大トルク56.1kgm/1850-5500rpmを発生します。

早速、テストドライブを始めましょう。M3セダンに乗った瞬間、「これはすごい」と感じました。ボディーの剛性が高く、サスペンションも実にしっかりしています。ちょっとやそっとのことではびくともしません。抽象的な表現ですが、M3に乗った瞬間、クルマがなんかこう「ドーン」と構えているのがドライバーに伝わってきて、その泰然自若ぶりに圧倒させられます。

ただ、このテストに臨む前に乗った「M4クーペ」と比較すると、わずかながらに粗さを感じてしまったのも事実です。

例えばLSDですが、差動制限が働く過程が徹底的にスムーズなM4に比べ、M3では時にドンッという明確なキックバックが認められました。左右後輪のトルクがどこで変動しているのか分からないほど滑らかなM4に対し、M3は挙動と挙動の境界ゾーンで「点」と「点」のつながりが意識されたのです。

路面のギャップを通過する時、リアサスペンションのブッシュがほんの一瞬、グニャッとよれる挙動。あるいはコーナーに進入し、ステアリングを右へ左へと切ると、車両の前が動き、その後、荷重が入り、後ろが続くという挙動。いずれもクルマとしてごく当たり前の挙動であり、基本としてM3は高いレベルでまとめられています。(つづく)

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(語り=水野和敏/まとめ=青木禎之<Office Henschel>/写真=小林俊樹)

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