東京オートサロン2015 チューナー会場リポート【東京オートサロン2015】

2015.01.11 自動車ニュース
R35「GT-R」の心臓を4.1リッター、1020psまでチューンし、富士スピードウェイで純正ラジアルタイヤ装着車最速の1分43秒221を記録した「HKS TF&VARIS; KAMIKAZE-R」。
R35「GT-R」の心臓を4.1リッター、1020psまでチューンし、富士スピードウェイで純正ラジアルタイヤ装着車最速の1分43秒221を記録した「HKS TF&VARIS; KAMIKAZE-R」。

【東京オートサロン2015】東京オートサロン2015会場リポート(チューナー編)

新春恒例の自動車イベント「東京オートサロン」。今年は、どんなカスタマイズカーが出展されたのか? メーカー系ブースに続いては、チューナー系ブースの様子をリポートする。

「トヨタ86」の北米仕様である「サイオンFR-S」をベースに白いゼロ戦をイメージしたという、エアリアルオートワークスとゼロファイターのコラボ作品。
「トヨタ86」の北米仕様である「サイオンFR-S」をベースに白いゼロ戦をイメージしたという、エアリアルオートワークスとゼロファイターのコラボ作品。
英国コスワースが開発したスーパーチャージャー、吸排気系パーツ、ECUなどで構成されたパワーパッケージを搭載した「トヨタ86」。
英国コスワースが開発したスーパーチャージャー、吸排気系パーツ、ECUなどで構成されたパワーパッケージを搭載した「トヨタ86」。

■GT-Rと86/BRZが“顔”

ベースカーが枯渇して低迷していたチューニングカーの世界で、「日産GT-R(R35)」が衝撃的なデビューを飾ったのは2007年秋。ノーマルでもパフォーマンスはスーパーカーの域に突入し、素材としてのポテンシャルは文句なしだった。
とはいえ性能的にも予算的にも気軽にチューニングを楽しめる対象ではなく、引き続きベースカー不足に悩んでいた業界にとって、いわば救世主だった「トヨタ86/スバルBRZ」が登場したのは2012年春。今回はGT-Rにとって8回目、86/BRZにとって3回目のオートサロンとなるが、チューニングカーの分野においては、相変わらずこの2車が中心である。

両車ともチューニングの内容は進化を続けているのだろうが、外から眺めてわかるような変化や、新たな傾向はない。86/BRZに関していえば、オートサロン初出展となるブランド、それもF1用をはじめとするレーシングエンジンやパーツの開発で知られる、英国の名門であるコスワースがスーパーチャージャーキットを出品して話題を呼んでいた。

「レクサスRC F」にオリジナルのエアロパーツを装着した「MAGNUM OPUS RC F」。
「レクサスRC F」にオリジナルのエアロパーツを装着した「MAGNUM OPUS RC F」。
車高を下げてエアロパーツを装着、内装にも手が入れられたバタフライシステムの「スズキ・ハスラー」。
車高を下げてエアロパーツを装着、内装にも手が入れられたバタフライシステムの「スズキ・ハスラー」。
「トヨタ・ハイエース」を和風に仕立てた「Buan 和柄コンセプトカー」。
「トヨタ・ハイエース」を和風に仕立てた「Buan 和柄コンセプトカー」。

■レクサス&トヨタにも存在感

チューニングカーの素材となるであろうニューカマーとしては、久々に登場した国産2ドアクーペである「レクサスRC」が、発売から3カ月もたっていないにもかかわらず、ハイパフォーマンス版の「RC F」を含めて10台近く出展されていた。さすがに時間がないのか、エンジンまでは手が入らずエアロパーツを装着し、足まわりを固めた程度だったが、その姿は上品にまとめたものからタイヤがハの字を切ったものまでワイドレンジだった。

ほかに新顔で目に付いたのは「スズキ・ハスラー」。クルマの性格からしてもっぱらドレスアップだが、方向性としてはローダウンかリフトアップ、すなわち車高を下げるか上げるかのいずれかで、双方をそろえたドレスアップメーカー/ショップも見られた。
ちなみにハスラーが属するクロスオーバーやSUVのカテゴリーでも、コンパクトクラス以上になると、ほとんどがローダウンになる。その分野では、一昨年に世代交代した現行「ハリアー」および昨年デビューした「レクサスNX」のトヨタ勢が目立っていた。

車種別で多く目に付いたのは現行「トヨタ・ハイエース」。カスタムカーとしてひとつのカテゴリーを確立しており、オートサロンでは数の上でも乗用専用設計のミニバン勢を上回りそうな勢いである。カスタム手法としてはこれもローダウン+エアロパーツが主流だが、なかにはリフトアップや、大胆にピックアップ化したものまであった。

ベースとなった「メルセデス・ベンツSLK55 AMG」の面影はほとんど感じられない「BELLADONNA MASCHACCIO」。
ベースとなった「メルセデス・ベンツSLK55 AMG」の面影はほとんど感じられない「BELLADONNA MASCHACCIO」。
会場内にランボルギーニ多しといえども、「ウラカン」はLorinser/HAMANNのブースに1台きりだった。
会場内にランボルギーニ多しといえども、「ウラカン」はLorinser/HAMANNのブースに1台きりだった。
ロードスター・ガレージの「ランボルギーニ・ミウラ」のレプリカ。ベースはNB型「マツダMX-5ミアータ」(「ロードスター」の北米仕様)で、つまりはFRなのである!
ロードスター・ガレージの「ランボルギーニ・ミウラ」のレプリカ。ベースはNB型「マツダMX-5ミアータ」(「ロードスター」の北米仕様)で、つまりはFRなのである!

■輸入車は“イバリ”の2ブランド

オートサロンでは伝統的に少数派だった輸入車のなかで、例外的に人気があったメイクが、イバリが利くメルセデス・ベンツと派手ないでたちのランボルギーニ。これら2ブランドのうち、絶対数では当然ながらメルセデスのほうが多かったが、ここにきてランボルギーニの勢いが迫ってきた。高級ブランドとはいえ、コンパクトハッチの「Aクラス」からあるメルセデスとスーパーカーのみのランボが競り合うというのもオートサロンならではの話だが、輸入車の世界では今後もこれらの2トップ体制は続くことだろう。

オートサロンの伝統芸ともいえる、ボディーを大胆に切り張りした、あるいはゼロから創作したカスタムカーも、小規模なカスタムメーカーやショップ、また常連となった自動車専門学校によって健在だった。
リポーターのようなオールドファンにとってはうれしいことだが、その一方で会場から消えた出展者もあった。例えばかつて派手なブースで一世を風靡(ふうび)したと思ったらこつぜんと姿を消し、そして数年前に突如として復活したヴェイルサイドは、今回は出展しなかった。会社自体は健在で、ウェブサイトには出展しない理由も記されているのだが、もともと際立った存在であるだけに、なくなると目立ってしまうのである。

(文と写真=沼田 亨)

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