第384回:オリベッティと、カシオと、カラオケラウンジ!?

2015.02.06 エッセイ

イタリア製品の代表だったオリベッティ

日本では数年前から、大手家電メーカーの業績低迷がクローズアップされ、そのたび「モノづくりを忘れた末」といった解説がなされてきた。この「モノづくりを忘れた」の部分、ボクは遠くイタリアで、おぼろげに予想していた。なぜならオリベッティの例を目の当たりにしたからである。

20世紀初頭に高速で打てるタイプライターで成功した製造会社「Olivetti(オリベッティ)」は、いち早く計算機に進出した。第2次大戦後は回復する国内経済と好調な輸出という双方の波に乗り、オリベッティは、フィアットやアルファ・ロメオとともにイタリア製品の代名詞的存在になった。

1960年代以降は、マリオ・ベリーニ、エットーレ・ソットサスなど、さまざまな工業デザイナーを起用した斬新なデザインの製品で、さらに世界の注目を浴びるところとなった。
イタリアに移り住む前、ボクのオリベッティに関する知識はここまでで、「栄光のオリベッティ」がいまだどこかに残っているだろうと、勝手に信じていたものだ。

ポーランドのピョートルクフ・トルィブナルスキにて。家電販売店の跡。
ポーランドのピョートルクフ・トルィブナルスキにて。家電販売店の跡。
エットーレ・ソットサスのデザインによるオリベッティのタイプライター「ヴァレンタイン」。1969年。
エットーレ・ソットサスのデザインによるオリベッティのタイプライター「ヴァレンタイン」。1969年。

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大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒にして、二玄社『SUPER CG』元編集記者、そしてイタリア在住20年という脈絡なき人生を歩んできたものの、それだけにあちこちに顔が広い。今日、日本を代表するイタリア文化コメンテーター。10年以上にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストをはじめラジオでも活躍中。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『カンティーナを巡る冒険旅行』『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(ともに光人社)、電子書籍『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)など数々の著書・訳書あり。