「水野和敏的視点」 vol.86 ホンダ・グレイスHYBRID EX(後編)

2015.02.06 mobileCG

「水野和敏的視点」 vol.86 ホンダ・グレイスHYBRID EX(後編)

R35型「日産GT-R」の生みの親、育ての親であるだけでなく、レース界での活躍やセダンの進化への貢献など、自動車の世界で数々の成果を上げてきた水野和敏氏。そんな水野氏が歯に衣を着せず、本音でクルマを語り尽くすのが『mobileCG』の特集「水野和敏的視点」。前回に続き、今回も「ホンダ・グレイス」の“セダン力”をチェックしていこう。



ホンダ・グレイスHYBRID EX
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4440×1695×1475mm/ホイールベース:2600mm/車重:1200kg/駆動方式:FF/エンジン:1.5リッター直4 DOHC 16バルブ/モーター:交流同期電動機/トランスミッション:7段AT/エンジン最高出力:110ps/6000rpm/エンジン最大トルク:13.7kgm/5000rpm/モーター最高出力:29.5ps/1313-2000rpm/モーター最大トルク:16.3kgm/0-1313rpm/タイヤ:(前)185/55R16 (後)185/55R16/車両本体価格:221万円

■運転感覚は「普通の日本車

今回もホンダ・グレイスの試乗を続けます。前回、グレイスは発進後の加速が自然でいい、エンジンとモーター、そしてデュアルクラッチタイプのDCTを組み合わせて、上手に仕上げてあるという話をしました。

その一方で、減速はいまひとつという印象を持ちました。まず、回生ブレーキの働きが露骨で、それでいてブレーキ自体の利きに不満が残ります。制動力の立ち上がりが遅い、いわゆる“カックンブレーキ”とも違い、制動力自体に不足があるように感じられます。ちょっと足に力を込めてもブッシュにはね返されるだけで、利きがよくなるわけではありません。これは要改善です。

また、走りだしてすぐに気がついたのですが、ボディー剛性も思ったほど高くはありません。リアに広い開口部を持つハッチバックと比べて、3ボックスボディーのグレイスは剛性確保に有利なはずですが、どうもシャキッとしません。

サスペンションのセッティングも、煮詰めが足りません。動きが渋く、動きだしが遅いくせに、いざ動きだすと腰が砕けてしまいます。つまり、直進時には足の動きにフリクションがあってゴツゴツする“角感”があるのに、ステアリングを切って曲がるとグニャッとするのです。

このルーズな感覚は、ステアリングフィールにも色濃く宿っています。ハンドルを切れば滑らかに曲がるのですが、“不感症”のエリアがけっこうある。遊びが大きいのです。(つづく)

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(語り=水野和敏/まとめ=青木禎之<Office Henschel>/写真=小林俊樹)

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