第388回:社内バンドの元祖? による「シトロエン・マーチ」

2015.03.06 エッセイ

自動車メーカーデザイナー対抗バンド合戦?

日本におけるオーケストラの幕開けは、百貨店の「三越」が1909年(明治42年)に組織した「三越少年音楽隊」といわれている。同時に、日本初の社内バンドであったに違いない。

今回は、経営側の宣伝企画と社員によるレクリエーションの双方合わせて、この「社内バンド」について考察してみたい。

3年ほど前に一度記したが、ボクが東京で自動車誌の編集記者として働いていた1990年代、「自動車メーカーデザイナー対抗バンド合戦」の審査員を仰せつかっていた。バンド経験はまったくなかったが、音大出身ということで、お声がかかったのだろう。

ジャンルは、ロック、カントリー、ラテン、ジャズと、広範囲に及んでいた。そして主要メーカー以外、つまり系列会社やサプライヤーでも、バンドを結成して楽しんでいる社内デザイナーが少なくないことを知ったものだ。

演奏の合間に、参加者からいろいろな話を聞けるのも楽しかった。大手メーカー系列の「◯◯車体」に務める若いデザイナーは、「合コンでは、◯◯の部分だけ大きな声で言って、『車体』の部分は小声にするのがポイントっす」と教えてくれたものだ。

三越が明治42年に結成した音楽隊は後年、宝塚少女歌劇のアイデアにつながったといわれる。
三越が明治42年に結成した音楽隊は後年、宝塚少女歌劇のアイデアにつながったといわれる。

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大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒にして、二玄社『SUPER CG』元編集記者、そしてイタリア在住20年という脈絡なき人生を歩んできたものの、それだけにあちこちに顔が広い。今日、日本を代表するイタリア文化コメンテーター。10年以上にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストをはじめラジオでも活躍中。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『カンティーナを巡る冒険旅行』『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(ともに光人社)、電子書籍『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)など数々の著書・訳書あり。