マツダ・アテンザワゴンXD Lパッケージ(4WD/6MT)/CX-5 XD Lパッケージ(4WD/6AT)/アクセラセダン15S(4WD/6AT)/アクセラスポーツ15S(4WD/6AT)/アクセラスポーツ15S(FF/6AT)

思い込みに挑むAWD 2015.03.24 試乗記 「デミオ」から「CX-5」、そしてフラッグシップモデルの「アテンザ」まで、マツダの新世代モデルには「i-ACTIV AWD」と呼ばれる最新の4WDシステムが設定されている。その実力を北海道の雪上路で徹底的に試した。

昔とは違う電子制御カップリング

北海道でのマツダ新世代AWD試乗会には、期待通りに熱い技術者たちが手ぐすね引いて待っていた。テーマはもちろん最新のi-ACTIV AWD、開発の狙いはこれまでのイメージを払拭(ふっしょく)すること。すなわち「生活四駆って4WD性能はいまいち」、そして「4WDってやっぱり燃費悪いよね」という世の中の常識をブレークスルーするという。マツダの試乗会はこうでなくちゃ。

マツダのAWDシステムは「CX-5」から「アテンザ」「アクセラ」「デミオ」および「CX-3」まで基本的に共通で、電子制御カップリングを用いた近ごろ主流のオンデマンド式だ(方式はCX-5以前の4WDも同じ)。つまり通常走行時には“ほぼ”前輪駆動(FWD)で走って走行ロスを抑え、滑りやすい路面や加速時など必要とされる場合だけ後輪にも駆動力を伝えるという方式だ。4輪に常に駆動力を配分しないということで「スタンバイ4WD」と呼ばれることもある。
これは1990年代後半にボルボやフォルクスワーゲンに採用されたスウェーデンのハルデックス社製油圧式カップリングが登場してから普及したもので、それ以前に主流だったビスカスカップリングの場合は前後輪の回転差そのものが後輪の駆動力を生み出すのに対して(FWDベースの場合)、各種センサーからの情報に応じて積極的に後輪に配分するため、アクティブオンデマンド式と称することも多い。
ただし、ハルデックス・カップリングに代表される初期の多板クラッチユニットは、前後軸間の回転差を検知してから油圧で圧着力を制御するものだったため、どうしてもタイムラグが生じ、滑りやすい路面での発進時やコーナリング時には不都合もあったが、最新式は大きく進化しており、ドライ路面でもあらかじめわずかに与圧して後輪に駆動力を伝え、瞬時に反応するようになっている。
またBMWのx-Driveのように電動モーターで多板クラッチを作動させるタイプもあり、マツダのi-ACTIV AWDも素早いレスポンスを得るために電磁ソレノイドがカムを動かして湿式多板クラッチを圧着するシステム(ユニット自体はジェイテクト製)である。

ずらりと並んだマツダのi-ACTIV AWD搭載車。試乗の舞台は北海道士別市にある交通科学総合研究所・士別試験コースと、その周辺の一般道。
ずらりと並んだマツダのi-ACTIV AWD搭載車。試乗の舞台は北海道士別市にある交通科学総合研究所・士別試験コースと、その周辺の一般道。
テストコース内にあるハンドリングコースを行く「アテンザワゴンXD Lパッケージ」。
テストコース内にあるハンドリングコースを行く「アテンザワゴンXD Lパッケージ」。
電磁クラッチがボールカムを動かしてメインクラッチを圧着する4WD方式自体は、マツダは以前から使用していた。それを新世代モデルに採用するに当たり、大幅な小型化および軽量化、ユニットの低抵抗化、制御の緻密化などを行い、「タイムラグ“ゼロ”のレスポンス」をうたうi-ACTIV AWDに進化させた。
電磁クラッチがボールカムを動かしてメインクラッチを圧着する4WD方式自体は、マツダは以前から使用していた。それを新世代モデルに採用するに当たり、大幅な小型化および軽量化、ユニットの低抵抗化、制御の緻密化などを行い、「タイムラグ“ゼロ”のレスポンス」をうたうi-ACTIV AWDに進化させた。
4WDシステムの要となる「電子制御アクティブトルクコントロールカップリングユニット」(写真中央の円筒形のパーツ)はリアデフの直前に配置される。写真は「CX-3」のもの。
4WDシステムの要となる「電子制御アクティブトルクコントロールカップリングユニット」(写真中央の円筒形のパーツ)はリアデフの直前に配置される。写真は「CX-3」のもの。

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