「水野和敏的視点」 vol.92 ポルシェ・マカン ターボ(後編)

2015.03.20 mobileCG

「水野和敏的視点」 vol.92 ポルシェ・マカン ターボ(後編)

R35型「日産GT-R」の生みの親、育ての親であるだけでなく、レース界での活躍やセダンの進化への貢献など、自動車の世界で数々の成果を上げてきた水野和敏氏。そんな氏が歯に衣を着せず、本音でクルマを語り尽くすのが『mobileCG』の特集「水野和敏的視点」。今回も引き続き、ポルシェの新しいコンパクトSUV「マカン」に試乗する。


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ポルシェ・マカン ターボ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4700×1925×1625mm/ホイールベース:2805mm/車重:1980kg/駆動方式:4WD/エンジン:3.6リッターV6 DOHC 24バルブ ツインターボ/トランスミッション:7段AT/最高出力:400ps/6000rpm/最大トルク:56.1kgm/1350-4500rpm/タイヤ:(前)265/40R21 (後)295/35R21/価格:997万円
ポルシェ・マカン ターボ
    ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4700×1925×1625mm/ホイールベース:2805mm/車重:1980kg/駆動方式:4WD/エンジン:3.6リッターV6 DOHC 24バルブ ツインターボ/トランスミッション:7段AT/最高出力:400ps/6000rpm/最大トルク:56.1kgm/1350-4500rpm/タイヤ:(前)265/40R21 (後)295/35R21/価格:997万円 拡大

■スロットルの早開きに疑問あり

前回に続き、「ポルシェ・マカン ターボ」に試乗します。
ステアリングとインテリアに気になるところがあるという話は前編でしましたが、次に気になったのは、スロットルがとんでもなく早開きになっていることです。エンジン側のスロットルバルブがコンピューターの制御によって、ドライバーがスロットルペダルを踏み込む量よりはるかに大きく開くようになっています。出足のよさを強調することを目的に、「過度な演出」と思えるほどのチューニングが入っているのです。

スロットルの早開きは、あまりパワーがないクルマで採られる手段です。SUVをはじめ、ミニバンやセダンに採用された例も多くあります。
この連載で以前テストした「スバル・レヴォーグ」もそうでしたね。スバルは排気量の小さい1.6リッターエンジンではスロットルの早開きを採用し、一方排気量が大きく“走りだしトルク”がしっかりある2リッターエンジンでは採用せず、ペダルの開度とエンジンのスロットルの開度は同じとしています。

マカン ターボの場合は排気量が3.6リッターもあり、ターボにしてもツインターボ化し、タービンを小型にして応答性を上げているわけですから、このような過度の演出が本当に必要だったのか疑問です。今までのポルシェからは想像もできない演出です。

日常的な場面、例えば街中の走行におけるこういったセッティングの使い勝手を想像してみれば、ドライバーは発進時に踏み込んだアクセルペダルを、常に戻す必要に迫られることが予想されます。ドライバーは「マカン ターボはさすがにパワーがあるな」と思うでしょうが、燃費やCO2排出の観点から見れば、非常に効率のよくないことを繰り返している格好になるわけです。(つづく)

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(語り=水野和敏/まとめ=青木禎之<Office Henschel>/写真=小林俊樹)

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