2015年開幕戦はKeePer TOM'S RC Fが制す【SUPER GT 2015】

2015.04.06 自動車ニュース
ポール・トゥ・ウィンで開幕戦を制した、No.37 KeePer TOM'S RC F。
ポール・トゥ・ウィンで開幕戦を制した、No.37 KeePer TOM'S RC F。

【SUPER GT 2015】2015年開幕戦はKeePer TOM'S RC Fが制す

2015年4月5日、SUPER GTのシーズン開幕戦が岡山国際サーキットで開催され、GT500クラスはNo.37 KeePer TOM'S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川 亮組)が、GT300クラスはNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)が勝利した。

スタートの時を待つ、GT300クラスの各マシン。
スタートの時を待つ、GT300クラスの各マシン。
GT500クラスのスタートシーン。水煙が立ちのぼる中、各車1コーナーへと向かう。
GT500クラスのスタートシーン。水煙が立ちのぼる中、各車1コーナーへと向かう。
No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。予選9位から奮闘、2位でレースを終えた。
No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。予選9位から奮闘、2位でレースを終えた。

■予選からレクサスが圧倒

雨量が刻々と変化するレースでは、タイヤおよびマシンセッティングと、コンディションとのマッチングにより、あるドライバーが速くなったかと思えば、雨量の変化に伴って別のドライバーが速くなるということが往々にして起きる。
けれども、1メーカーあたり少なくとも4台はエントリーしているSUPER GTのGT500クラスにおいて、タイヤのメイクやセッティングなどの違いと関係なく、メーカーごとに相対的なペースが上がったり下がったりする状況は、初めて見たような気がする。今回のレースは「雨が降るとレクサス勢が速くなり、逆に路面が乾き始めると日産勢とホンダ勢が速くなる」という展開だったのだ。

ドライコンディションのもとで行われた予選ではレクサス勢が圧倒的に有利で、ポールポジションを獲得したNo.37 KeePer TOM'S RC Fを筆頭に、トップ5に4台を送り込むことに成功。その間に唯一割って入ったのは昨年のチャンピオンであるNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)で、ホンダ勢のトップは今シーズンから新規に参戦するNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/オリバー・ターベイ組)だった。

一方、決勝日は朝から雨が降ったりやんだりのぐずついた空模様。スタートが切られる午後2時30分が近づいても路面はぐっしょりとぬれたままで、ドライに転じるほうに賭けてスリックタイヤを装着したNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/武藤英紀組)を除き、全車がレインタイヤで82周の決勝レースに臨んだ。

GT300クラスのスタートシーン。
GT300クラスのスタートシーン。
3位フィニッシュしたNo.38 ZENT CERUMO RC F。予選、決勝ともにレクサス勢の強さが目立ったレースだった。
3位フィニッシュしたNo.38 ZENT CERUMO RC F。予選、決勝ともにレクサス勢の強さが目立ったレースだった。
No.37 KeePer TOM'S RC F、勝利の瞬間。
No.37 KeePer TOM'S RC F、勝利の瞬間。
幸先の良いスタートを切った、No.37 KeePer TOM'S RC Fの平川 亮(写真左)とアンドレア・カルダレッリ。昨シーズンからはドライバーに変更があったものの、チームとしては2年連続の開幕戦勝利である。
幸先の良いスタートを切った、No.37 KeePer TOM'S RC Fの平川 亮(写真左)とアンドレア・カルダレッリ。昨シーズンからはドライバーに変更があったものの、チームとしては2年連続の開幕戦勝利である。
嵯峨宏紀/中山雄一組のNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT。予選5位から表彰台の頂点に立った。
嵯峨宏紀/中山雄一組のNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT。予選5位から表彰台の頂点に立った。

■ホンダは雨で「あと一歩」

レース前半の驚きはNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rの躍進で、16周目までにトップのNo.37 KeePer TOM'S RC Fを追い詰めると、続く17周目の裏ストレートエンドでこれを攻略し、首位に浮上。しかし、それからわずか4周ほどでNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rのリアエンドから薄く白煙が吹き出すようになる。原因はブレーキトラブルで、ドライバーのクインタレッリによれば「ブレーキペダルがフロアに届くほどストロークが増えてしまった」とのことだった。

このためNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rはピットに戻ることとなったが、トップに返り咲いたNo.37 KeePer TOM'S RC Fの背後に迫っていたのは、6番グリッドからスタートしたNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTと9番グリッドからスタートしたNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)の“ホンダ・デュオ”だった。
GTマシンが周回を重ねるうちに路面が次第に乾き始め、ハードコンパウンドのレインタイヤでスタートした2台のNSXはトップを2秒前後も上回るペースで周回。20秒ほどあった差を見る間に縮め、25周目にはNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTの順で1-2体制を築いた。

ところが、レースはこれでは終わらなかった。この後、再び雨脚が強まると、71周目にNo.37 KeePer TOM'S RC Fがトップに返り咲き、そのまま82周を走りきって優勝を果たしたのである。2位にはNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTが踏みとどまったが、3位には同じくレース終盤に向けてペースを上げたNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明組)が入った。なお、No.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTは6番手まで順位を落として完走した。

GT300クラスでは、No.31 TOYOTA PRIUS apr GTとNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)の国産ハイブリッドコンビがコンディションにも助けられて1-2フィニッシュを達成。続く3位には、ヨーロッパのGT3レースで活躍するベルギーのWRT(W-Racing Team)よりエンジニアを招聘(しょうへい)した、Audi Team HitotsuyamaのNo.21 Audi R8 LMS ultra(リチャード・ライアン/藤井誠暢組)が食い込んだ。

(文=小林祐介/写真提供 GTA)

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