第292回:ポルシェの今とこれから ~ラインナップ急拡大の真相に迫る

2015.04.20 エディターから一言

「911」をはじめとするスポーツカーを手がけるメーカーとして知られるポルシェ。一方で、SUVや4ドアサルーンなどのニューモデルを次々と送り出し、各モデルのバリエーションの拡大にも余念がない。ドイツの老舗ブランドの狙いはどこにあるのか? そしてこの先、どんな展開が待っているのか? モータージャーナリスト、河村康彦がリポートする。

ポルシェのブランドイメージをけん引する「911」シリーズ。サーキットを意識した超高性能モデルからオープンカーまで、バリエーション豊かに取りそろえられる。
ポルシェのブランドイメージをけん引する「911」シリーズ。サーキットを意識した超高性能モデルからオープンカーまで、バリエーション豊かに取りそろえられる。

ポルシェ ジャパン オフィシャルサイト(2015年4月20日現在)で見られるラインナップ表。「911」シリーズだけで、その数は21車種にのぼる。


    ポルシェ ジャパン オフィシャルサイト(2015年4月20日現在)で見られるラインナップ表。「911」シリーズだけで、その数は21車種にのぼる。
国内でも好調なセールスが伝えられる、ポルシェのコンパクトSUV「マカン」。写真は2013年11月、ロサンゼルスオートショーでデビューした際のもの。かたわらの女性は、テニスプレーヤーのマリア・シャラポワ。
国内でも好調なセールスが伝えられる、ポルシェのコンパクトSUV「マカン」。写真は2013年11月、ロサンゼルスオートショーでデビューした際のもの。かたわらの女性は、テニスプレーヤーのマリア・シャラポワ。
MRのスポーツクーペ「ケイマン」(写真左)と、走行性能を先鋭化させた「911 GT3」。
MRのスポーツクーペ「ケイマン」(写真左)と、走行性能を先鋭化させた「911 GT3」。

たじろぐほどの新車攻勢

発売後、ほんの1年の間でも新たなニュースが途切れれば、たちまち話題性を失い魅力も低下してしまう、やっかいな存在――それがスポーツカーだ。
そんな性質を理解しているからこそ、ポルシェもフェラーリも決して大規模なメーカーではないのに、メジャーなモーターショーでは必ず新たなモデルを発表し続けてきた。

スポーツカーを実際に購入する人など、世の中でほんのひと握り。そんな人々の手元に行き渡った段階から、さらに需要の掘り起こしを継続させるためには――彼ら既納客を再びターゲットとしながら、買い換えの動機を昂(たかぶ)らせる新たな仕掛けを組み込んだニューモデルを提案する以外に、なかなか手だてはない。それが“スポーツカーの商売”なのだ。

……と、そんな理屈は分かった上でも、ポルシェのこのところのニューモデル攻勢には、ちょっとたじろぐほどだ。

ブランドの“魂”である911のバリエーション拡大に加え、「GTS」だ、「GT4」だ、「スパイダー」だと、このところ喧(かまびす)しいのがミドシップレンジにおける展開である。さらに、「カイエン」に「パナメーラ」、そして、最も若いモデルである「マカン」のバリエーション拡充も上乗せされるから、結果として、「年がら年中、ニューモデルが発表・発売されている」というイメージが強く印象付けられる。

あなたにおすすめの記事
関連記事
  • ポルシェ911 RSR/911 GT3 R/911 GT3 Cup【海外試乗記】 2017.9.5 試乗記 デビューイヤーの2017年から、さまざまなレースで高い戦闘力を見せつけている「ポルシェ911 RSR」。レーシングドライバーにして“ポルシェ使い”の田中哲也氏が、レーシング911の走りの最前線をリポートする。
  • ポルシェ718ケイマン(MR/6MT)【試乗記】 2016.12.19 試乗記 新開発の2リッター4気筒ターボエンジンを搭載する、ポルシェのスポーツカー「718ケイマン」。ワインディングロードや高速道路を走らせてみると、これまでの6気筒モデルとは違った走りのよさが見えてきた。
  • 第57回:激安エリート特急の大勝利(たぶん) 2017.9.5 カーマニア人間国宝への道 清水草一の話題の連載。第57回は「激安エリート特急の大勝利(たぶん)」。海千山千の中古ドイツ車専門店で「BMW 320d」の購入を決めた筆者。不安を抱えつつ、ようやく迎えた納車日だったが……。気になるクルマの状態は?
  • BMW 540i xDriveツーリング Mスポーツ(4WD/8AT)【試乗記】 2017.9.6 試乗記 2017年春に世界初公開された新型「BMW 5シリーズ ツーリング」のデリバリーが国内でスタート。その走りや使い勝手はどれほどのものか、最上級モデル「540i xDriveツーリング Mスポーツ」で確かめた。
  • BMW M2クーペ(FR/6MT)【試乗記】 2017.8.14 試乗記 BMWのMモデルならではのスポーツマインドが、最もコンパクトかつピュアな形で表現された「M2クーペ」。遅れて加わった6段MT仕様は、自らの意思で操る、スポーツカーの根源的な楽しさに満ちていた。
ホームへ戻る