“史上最大”のモーターショーが開幕【上海ショー2015】

2015.04.21 自動車ニュース
メルセデス・ベンツのワールドプレミア「コンセプトGLCクーペ」。

【上海ショー2015】“史上最大”のモーターショーが開幕

2015年4月20日、中国・上海市郊外に新設された巨大展示場で上海国際自動車工業展覧会(上海モーターショー)が開幕、報道陣に公開された。

上海ショーは隔年開催。今回で16回を数える。
会場の上海・国家会展中心。単一の建築物としては世界最大とうたわれる。
「BMW X5」のプラグインハイブリッド車「xDrive40e」。
「アウディ・プロローグ オールロード」
「フォルクスワーゲンCクーペGTE」。高級セダンのスタディー。
トヨタブースの目玉は「カローラ」のHV。中国で開発された。
日産の小型セダン「ラニア」。
未来の電気自動車をイメージした「シボレーFNR」。
シトロエンのSUVスタディー「エアクロス」。

■展示面積は東京ショーの9倍以上

上海ショーは北京モーターショーと隔年で開催される中国を代表する自動車ショーで、今回で16回目。現地を訪れて何よりも驚いたのは、実はクルマではなく会場の巨大さだった。上海ショーは今回から市街地の西側に新たに建設された「国家会展中心」(ナショナル・エキシビション・アンド・コンベンション・センター)に会場を移し、主催者発表の総展示面積は35万平方メートル超。2013年の東京モーターショー(約3万8239平方メートル)の実に9倍以上の規模なのだ。

国家会展中心は単一の建築物としては世界最大をうたう。そこにずらりと展示されたクルマの総数は1343台。出展企業数は世界18の国と地域から2000社近くにのぼる(ちなみに2013年の東京ショーの出展車両数は426台。出展企業数は12カ国から177社)から、これはもう“史上最大”のモーターショーと呼んでも過言ではないだろう。とはいえ、会場のあまりの広さは取材者泣かせで、丸一日足を棒にして歩いても半分も見て回れない。もし4月25日に始まる一般公開に日本から出掛けるつもりなら、覚悟して行くべきだ。

■ワールドプレミアは109台

上海ショーが世界初公開となる「ワールドプレミア」は109台。1年前の北京ショーと同じく、中国の地元メディアの注目を一番集めていたのはSUVだったが、各メーカーからはハイブリッド車(HV)や高級セダンの新型車の発表も相次いだ。中国では深刻な大気汚染の影響で政府が環境にやさしいクルマへの優遇措置を打ち出していることや、中国で最も所得水準が高い上海という土地柄を反映しているのだろう。

ブランド別で注目度が高かったのはやはりドイツ勢だ。BMWはSUV「X5」のプラグインハイブリッド車(PHV)バージョンの「X5 xDrive40e」を世界初公開。メルセデス・ベンツからは小型SUVとクーペのクロスオーバー「コンセプトGLCクーペ」が登場した。アウディはSUV「Q7」と上級セダン「A6L」のPHV版である「Q7 e-tron」および「A6L e-tron」に加え、ステーションワゴンのコンセプトモデル「プロローグ オールロード」をお披露目。フォルクスワーゲンからはPHV高級セダンのコンセプトモデル「CクーペGTE」がデビューした。

日本メーカーでは、トヨタが小型セダン「カローラ」と兄弟車「レビン」のHVバージョンを初公開した。両車のHVシステムはトヨタが2年前に設立した中国の研究開発拠点で開発したもので、海外でHVを開発から生産まで現地化した初めてのケース。高級ブランドのレクサスからは、最量販車種である高級セダン「ES」の新型がワールドプレミアを飾った。

日産からは中国の若者向けにデザインされた小型セダン「ラニア」と、SUV「ムラーノ」のHVバーションがデビュー。ホンダはSUVのコンセプトモデル「コンセプトD」をお披露目した。一方、スズキ、スバル、マツダ、三菱自動車からは世界初公開車のアナウンスがなく、いささか寂しい印象だった。

■市場の規模だけでなく深さも世界一に

上海ショーの数あるワールドプレミアのなかでもデザイン面で異彩を放っていたのが、GMが発表した「シボレーFNR」だ。未来の電気自動車をイメージしたというコンセプトモデルだが、まるで特撮映画のスクリーンから抜け出してきたかのようだ。同じく米国勢ではフォードがフラッグシップセダン「トーラス」の新型を初公開した。レクサスESにしてもトーラスにしても、かつて米国市場で一世を風靡(ふうび)したセダンの世界初公開が中国で行われるという事実は、時代の流れを感じさせる。

フランス勢ではシトロエンが観音開きドアのSUVコンセプトモデル「エアクロス」を発表して注目を集めていた。また、主要メーカー以外で筆者の目を引いたのが、英国のマクラーレンがお披露目した「540Cクーペ」。この手のスーパーカーの初公開まで行われるようになったということは、中国市場がその規模だけでなく深さにおいても世界一になったことの表れと言えそうだ。

(文と写真=岩村宏水)

→上海ショー2015で公開された日本とドイツの主要なニューモデルの写真(カースコープ)はこちら。

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