米欧韓メーカーもニューモデル続々【上海ショー2015】

2015.04.28 自動車ニュース
未来のEVをイメージした「シボレーFNR」。GMブースの主役を演じていた。

【上海ショー2015】米欧韓メーカーもニューモデル続々

中国の自動車市場には世界のほぼすべての主要メーカーが進出しており、上海ショーではドイツ、日本、中国以外のメーカーからも数多くの新型車が登場した。そのなかから米国、欧州および韓国メーカーの注目モデルを紹介しよう。

大型セダンのコンセプトモデル「ビュイック・アベニール」。
リアウィンドウが寝かされたファストバックスタイリングを採る。「ポルシェ・パナメーラ」を意識している?
フォードは新型「トーラス」を公開。「フォーカス」に続くヒット作となるか?
シトロエンのSUVコンセプトモデル「エアクロス」。
「エアクロス」は観音開きのドアを持つ。
ルノーの新型SUV「カジャール」。「日産エクストレイル」とプラットフォームを共用している。
「マクラーレン540Cクーペ」。最もベーシックなマクラーレンという位置付け。
「マクラーレン540C」は540psの3.8リッターV8エンジンを搭載し、最高速は320km/hとうたわれる。
ヒュンダイの小型SUV「ツーソン」。

■ついに北米を上回ったGMの中国販売

上海ショーではフォルクスワーゲン(VW)グループを筆頭にドイツメーカーの勢いが際立っていたけれど、それに負けず劣らず気合が入っていたのが米ゼネラルモーターズ(GM)だった。あまり知られていないが、GMの中国での販売台数は2014年に約354万台に達し、ホームグラウンドの北米(約341万台)を初めて上回って最大の市場になったのである。

そんなGMは合弁パートナーの上海汽車とともに広大な展示スペースを確保。なかでも一番の人だかりができていたのは、シボレーブランドのブースに展示されたコンセプトカー「シボレーFNR」だった。未来のEV(電気自動車)をイメージしてデザインしたという触れ込みで、まるでSFアニメの画面から飛び出してきたかのよう。見た目のインパクトという意味では、今回の上海ショーでダントツだったと思う。

ビュイックブランドのブースでは、1月のデトロイトショーで初公開したフラッグシップセダンのコンセプトモデル「アベニール」が注目を集めていた。全長約5.2mの巨体にファストバックという特徴的なスタイリングは、中国の富裕層に人気の「ポルシェ・パナメーラ」を意識したものかもしれない。

米国勢ではフォードの鼻息も荒い。同社のグローバルカーの「フォーカス」は中国市場で大ヒットし、乗用車のモデル別販売ランキングで2年連続1位に輝いた。その余勢を駆り、上海ショーでは上級セダン「トーラス」の7代目を世界初公開。中国で2匹目のドジョウをつかめるかが注目される。

■シトロエンとルノーはSUVをアピール

ドイツ以外の欧州メーカーではフランスのシトロエンが元気だ。親会社のPSAプジョーシトロエンは欧州危機の影響で一時経営危機に陥り、1年前に中国の合弁パートナーである東風汽車から14%の出資を受け入れた。その後押しが奏功したのか、シトロエンブランドの現地生産車(輸入車とDSブランドは含まず)の販売は2014年に前年比14.3%増加し、乗用車市場の平均(9.9%増)を大きく上回った。

今回の上海ショーでシトロエンはSUVのコンセプトモデル「エアクロス」を世界初公開。観音開きのドアを持つ個性的かつ完成度の高いデザインで、以前なら3月のジュネーブショーでデビューさせてもおかしくなかったはずだ。それを上海ショーで出してきたのは、中国のSUVブームへの期待と合弁パートナーへの配慮の表れだろう。

同じフランス勢のルノーは、ジュネーブショーで初公開した「カジャール」をメインに展示していた。日産の「エクストレイル」とプラットフォームを共有する小型SUVで、実はルノーの中国事業にとって特別な意味を持つクルマだ。世界の主要メーカーのなかで唯一、中国に生産拠点を持っていなかったルノーは、2013年末に東風汽車との合弁契約に調印。カジャールは記念すべき現地生産の第1号車なのである。中国市場向けにはホイールベースを延長したロングバージョンも投入する計画という。

■「マクラーレン540C」のネーミングの由来は?

英国のマクラーレンは上海ショーで新型スポーツカー「540Cクーペ」を世界初公開した。同社のスポーツカーのなかでは“末っ子”にあたる最も廉価なモデルだそうだが、中国市場でのプライスタグは225万元(約4300万円)と、輸入関税(25%)を差し引いても相当強気な値付けである。

気になったのはそのネーミングで、540Cの「C」は何を意味するのか。クーペ(Coupe)のCというのが一般的な解釈だろうが、この手のスーパースポーツにセダンがあるわけでもなし、わざわざクーペを名乗る理由が見当たらない。本当はチャイナ(China)のCではないのか。もちろんマクラーレンは認めないだろうけれど、中国の潜在顧客の自尊心をくすぐる巧みな話題作りのように思えてならないのは筆者だけだろうか。

韓国のヒュンダイは小型SUV「ツーソン」をお披露目。3月に韓国でデビューしたばかりの3代目ツーソンの中国仕様である。ちなみに中国では2005年に現地生産が始まった初代ツーソンがマイナーチェンジを重ねながら販売され続けており、2代目は「ix35」という違う車名で併売されていた。3代目がツーソンと命名されたことで、初代はようやく引退すると考えられるが、2代目は引き続き併売される可能性が高い。

同一車種の新旧モデルの併売は、中国市場ではヒュンダイに限らず多くのメーカーで見られる。新しもの好きの消費者が多い大都市と、実績を重視する地方の市場の双方に対応するためで、例えば日本のマツダは「アテンザ」の現行、先代、先々代の3モデルを併売しているほどだ。これもまた中国市場の巨大さと懐深さの表れと言えるのではないか。

(文と写真=岩村宏水)

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