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アウディA7スポーツバック 3.0 TFSIクワトロ(4WD/7AT)/RS 7スポーツバック(4WD/8AT)

キーワードは洗練 2015.05.13 試乗記 マイナーチェンジを受けたアウディのプレミアム5ドアハッチバック「A7スポーツバック」に試乗。マトリクスLEDヘッドライトを得て目元がキリッと引き締まった新型、その実力やいかに?

マトリクスLEDヘッドライトを採用

日本市場において、ここ1、2年のメルセデス・ベンツ、BMWのたたみかけるような新車攻勢を受け止めながら、既存モデルをじっくり販売しているアウディ。日本自動車輸入組合調べの2014年度(14年4月~15年3月)販売台数によると、6万1832台のメルセデス・ベンツ、4万3339台のBMWに対し、アウディは3万821台となっている。絶対数では差があるが、これは日本での販売の取り組みの歴史に差があるためで、長期的な図式としてはじわじわ差をつめている格好だ。

アウディは2014年(1~12月)の販売台数で、年間販売台数が3万台を突破した5番目の外国車ブランドとなった。あとの4ブランドは、フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツ、BMWとあとひとつ、どーこだ? 正解はヤナセが「ヴィータ」や「アストラ」を売りまくった時代のオペルだ。

プレミアムカーとしては珍しい5ドアハッチバックで2011年に日本に導入されたA7スポーツバック。丸4年たったが、あらためて眺めると、シルエットの美しさに感心する。全長4990mmと長いハッチバックなので、横から見ると水面に出てきたクジラのように伸びやかだ。全体的にはエレガントな印象だが、新型ではフロントマスクがやや精悍(せいかん)になった。六角形のシングルフレームグリルのそれぞれの角が鋭くなって、ヘッドライトもアイラインを引いたようにくっきりした。

目元くっきりは、昨年「A8」に採用されたマトリクスLEDヘッドライトが、A7にも採用されたため。ハイビーム/ロービームが自動的に切り替わるほか、60km/h以上の走行中、(全体はハイビームのまま)歩行者や先行車、対向車を検知してそれらの方向のみを減光する。また、歩行者や動物に向かって一部のLEDのみが点滅するなど、夜間、ドライバーと歩行者それぞれに注意を促して安全を確保する。

マトリクスLEDヘッドライトはロービーム用のLEDと、ハイビーム用の19個の小さなLEDで構成されている。
マトリクスLEDヘッドライトはロービーム用のLEDと、ハイビーム用の19個の小さなLEDで構成されている。
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インフォテインメントシステムのMMIが進化し、オペレーターを相手に施設検索やホテルなどの予約ができるサービス「アウディコネクト・ナビゲーター」が追加された。
インフォテインメントシステムのMMIが進化し、オペレーターを相手に施設検索やホテルなどの予約ができるサービス「アウディコネクト・ナビゲーター」が追加された。
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リアコンビランプはフルLEDタイプ。クルマが曲がる方向のウインカーが内側から外側に向かって伸びるように点灯する「ダイナミックターンインジケーター」が採用された。
リアコンビランプはフルLEDタイプ。クルマが曲がる方向のウインカーが内側から外側に向かって伸びるように点灯する「ダイナミックターンインジケーター」が採用された。
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室内が一段と静かに

3リッターV6スーパーチャージャー・エンジンは、過給圧が上がって最高出力が23ps向上し、同333ps/5500-6500rpm、最大トルク44.9kgm/2900-5300rpmに。トランスミッションはこれまで同様デュアルクラッチの7段Sトロニックが組み合わせられる。JC08モード燃費は12.6km/リッター。「メルセデス・ベンツCLS400」が同12.5km/リッター、「BMW 640iグランクーペ」が同12.4km/リッターなので、4WDであることを考えるとA7は健闘しているというべきか。

横浜郊外の首都高と一般道で走らせる。まず感じたのは非常に静かだということ。発進から首都高の流れに乗るまで、すべての速度域で、車内は静かに保たれる。わざと乱暴にアクセルペダルを深く踏み込んでエンジンの回転数を上げてみても、エンジンがうなりを上げるようなことはない。いくつもの遮音対策の結果なのだろうが、フロントとフロントサイドに樹脂をラミネートしたガラスが採用されたことも、その一因に違いない。樹脂を挟んだガラスは珍しくないが、アウディのそれは樹脂の厚さが半端ではない。よくこれで一切歪(ゆが)みのない視界を確保できるなと驚かされる。

車両重量1900kgの重量級ではあるが、広範囲にわたって最大トルク44.9kgmを発生するため、パワーに不足はない。積極的にマニュアル操作をした場合の爽快感はデュアルクラッチならでは。それでいて発進や低速域の振る舞いも年々こなれてきて、今やトルコン式ATに劣らぬスムーズさを確保している。荒々しい印象はなく、上品な走りに終始するパワートレインといえる。時には手に汗を握りたいというのであれば「S7」を、常に手に汗をかいていたいというのであれば「RS 7」をどうぞ。

3.0 TFSIエンジンは従来比+23psの333psを発生する。
3.0 TFSIエンジンは従来比+23psの333psを発生する。 拡大
試乗車のインテリアカラーはヌガーブラウン。
試乗車のインテリアカラーはヌガーブラウン。
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リアシートは従来2人用だったが、今回3人用に変更された。これに伴い乗車定員は5人に。ただし「S7」と「RS 7」は従来通り2人用にとどまる。
リアシートは従来2人用だったが、今回3人用に変更された。これに伴い乗車定員は5人に。ただし「S7」と「RS 7」は従来通り2人用にとどまる。
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フロントおよびフロントサイドウィンドウには遮音性に優れた「アコースティックガラス」が採用される。
フロントおよびフロントサイドウィンドウには遮音性に優れた「アコースティックガラス」が採用される。 拡大

今回の目玉は2リッターモデルの追加

試乗車はアイビスホワイトのボディーカラーに、ヌガーブラウン(レザーシート)のインテリアという取り合わせ。また、デコラティブ・インレイ(インテリア各部の加飾パネル)に、オプションのビューフォートウォールナットがあしらわれていた。ウッドに細く黒いストライプが挟み込まれたパネルで、見方によって温かくもクールにも映るので気に入った。僕もA7買ったらこのパネルをつけようと思う。予定はない。

A7には「A3」に引き続き、アウディコネクトが採用された。インターネットに接続した各種サービスを利用することができるほか、MMI(マルチ・メディア・インターフェイス)を介して接続したスマートフォンの操作をすることもできる。iPhoneのSiriも呼び出せる。

ただ、今回のモデルチェンジで最大のニュースは、新エンジンの追加だろう。8月頃のデリバリー予定のために今回は試乗できなかったのだが、これまで3リッターV6スーパーチャージャーのみだったところへ、新たに2リッター直4ターボエンジン(最高出力252ps/5000-6000rpm、最大トルク37.7kgm/1600-4500rpm)搭載モデルが追加された。7段Sトロニックで、もちろんクワトロ。

2リッターモデルは、マトリクスLEDヘッドライトやカメラを使った安全装備が標準装備されないものの、924万円の3リッター版に比べて200万円以上安い716万円という価格にはびっくり。とかくクルマ好きは、買うときに大きいエンジンの小さいモデルにするか、小さいエンジンの大きいモデルにするか、頭を悩ませるわけだが、2リッターのA7の存在は、「A5」か「A6」でも……と考えていた人を大いに悩ませるはずだ。

今回のマイナーチェンジの目玉のひとつに2リッター直4ターボエンジン搭載車(716万円)の追加がある(写真は「3.0 TFSIクワトロ」)。
今回のマイナーチェンジの目玉のひとつに2リッター直4ターボエンジン搭載車(716万円)の追加がある(写真は「3.0 TFSIクワトロ」)。
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試乗車には「ビューフォートウォールナット」と呼ばれる明るいブラウンのウッドパネルがあしらわれていた。
試乗車には「ビューフォートウォールナット」と呼ばれる明るいブラウンのウッドパネルがあしらわれていた。
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試乗車のタイヤサイズは265/35R20(オプション)。標準サイズは255/40R19。
試乗車のタイヤサイズは265/35R20(オプション)。標準サイズは255/40R19。
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トランク容量は535リッター(VDA法)。
トランク容量は535リッター(VDA法)。
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「S7」と「RS 7」もリニューアル

これまでA7はリアシートも左右独立した2座で、定員4名だったが、今回、リア3座の定員5名に変更された。ラゲッジ容量535リッターというのは、このクラスのクルマとしても優秀な部類に入る。リアシートバックを分割して倒すことができるし、開口部も大きいので、ワゴンじゃなきゃ……という多趣味の人にも対応するはずだ。

A7シリーズには、このほかにともに4リッターV8ターボエンジンを搭載したS7(最高出力450ps/5800-6400rpm、最大トルク56.1kgm/1400-5700rpm)とRS 7(同560ps/5700-6600rpm、同71.3kgm/1750-5500rpm)がある。この日はRS 7にも試乗したのだが、一般道では超ハイパワーエンジンの能力の片りんを感じ取るのが精いっぱいだった。混み合った横浜市郊外の道路を走るのに要したのはアイドリングに毛が生えたような回転域だけ。渋滞に巻き込まれてもまったくむずかることもなくやり過ごすのは、現代のハイチューンユニットならでは。
ちなみに、RS 7にはオプションでセラミックブレーキを装着することができ、その場合、最高速度のリミッターが280km/hから305km/hに向上するので、急ぐ人には装着をお勧めしておく。

(文=塩見 智/写真=田村 弥)

「A7スポーツバック」に続いて「RS 7スポーツバック」に試乗。ボディーカラーはオプションの「マットエフェクト」。
「A7スポーツバック」に続いて「RS 7スポーツバック」に試乗。ボディーカラーはオプションの「マットエフェクト」。
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4リッターV8ツインターボエンジンは従来と同じ560psと71.3kgmを発生する。
4リッターV8ツインターボエンジンは従来と同じ560psと71.3kgmを発生する。 拡大
「RS 7スポーツバック」のインテリア。フラットボトムのステアリングやカーボンパネルが、室内をスパルタンに演出する。
「RS 7スポーツバック」のインテリア。フラットボトムのステアリングやカーボンパネルが、室内をスパルタンに演出する。
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標準状態における最高速は250km/h(リミッター作動)。オプションの「ダイナミックパッケージプラス」を選択すると305km/hへ解放される。
標準状態における最高速は250km/h(リミッター作動)。オプションの「ダイナミックパッケージプラス」を選択すると305km/hへ解放される。 拡大
アウディA7スポーツバック 3.0 TFSIクワトロ
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テスト車のデータ

アウディA7スポーツバック 3.0 TFSIクワトロ

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4990×1910×1430mm
ホイールベース:2915mm
車重:1900kg
駆動方式:4WD
エンジン:3リッターV6 DOHC 24バルブ スーパーチャージャー
トランスミッション:7AT
最高出力:333ps(245kW)/5500-6500rpm
最大トルク:44.9kgm(440Nm)/2900-5300rpm
タイヤ:(前)265/35R20 99Y/(後)265/35R20 99Y(ヨコハマ・アドバン スポーツ)
燃費:12.6km/リッター(JC08モード)
価格:924万円/テスト車=1107万円
オプション装備:パークアシストパッケージ(11万円)/リアコンフォートパッケージ(18万円)/アドバンストオプティクスパッケージ(48万円)/プライバシーガラス(7万円)/バング&オルフセン・アドバンスト・サウンドシステム(72万円)/デコラティブパネルビューフォートウォールナット(15万円)/アルミホイール 5スポーク Wデザイン 9J×20 265/35R20<鍛造>(12万円)

テスト車の年式:2015年型
テスト開始時の走行距離:600km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター
参考燃費:--km/リッター

アウディRS 7スポーツバック


    アウディRS 7スポーツバック
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アウディA7スポーツバック 3.0 TFSIクワトロ(4WD/7AT)/RS 7スポーツバック(4WD/8AT)の画像 拡大

アウディRS 7スポーツバック

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=5010×1910×1425mm
ホイールベース:2915mm
車重:2050kg
駆動方式:4WD
エンジン:4リッターV8 DOHC 32バルブ ツインターボ
トランスミッション:8AT
最高出力:560ps(412kW)/5700-6600rpm
最大トルク:71.3kgm(700Nm)/1750-5500rpm
タイヤ:(前)275/35ZR20 102Y/(後)275/35ZR20 102Y(ピレリPゼロ)
燃費:10.3km/リッター(JC08モード)
価格:1772万円/テスト車=2017万円
オプション装備:オプションカラー<マットエフェクト>(75万円)/バング&オルフセン・アドバンスト・サウンドシステム(72万円)/ダイナミックパッケージプラス(98万円)

テスト車の年式:2015年型
テスト開始時の走行距離:753km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター
参考燃費:--km/リッター

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アウディA7スポーツバック試乗記

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