「水野和敏的視点」 vol.100 ホンダS660α(前編)

2015.05.15 mobileCG

「水野和敏的視点」 vol.100 ホンダS660α(前編)

R35型「日産GT-R」の生みの親、育ての親であるだけでなく、レース界での活躍やセダンの進化への貢献など、自動車の世界で数々の成果を上げてきた水野和敏氏。そんな氏が歯に衣を着せず、本音でクルマを語り尽くす『mobileCG』の特集「水野和敏的視点」。今回はホンダの意欲作、軽自動車のスポーツカー「S660」にモノ申す!


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ホンダS660α
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1180mm/ホイールベース:2285mm/車重:830kg/駆動方式:MR/エンジン:0.66リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ/トランスミッション:6段MT/最高出力:64ps/6000rpm/最大トルク:10.6kgm/2600rpm/タイヤ:(前)165/55R15 75V (後)195/45R16 80W/価格:218万円
ホンダS660α
    ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1180mm/ホイールベース:2285mm/車重:830kg/駆動方式:MR/エンジン:0.66リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ/トランスミッション:6段MT/最高出力:64ps/6000rpm/最大トルク:10.6kgm/2600rpm/タイヤ:(前)165/55R15 75V (後)195/45R16 80W/価格:218万円 拡大

■なかなか「わかっている」デザイン

今回の特集「水野和敏的視点」では、「ホンダS660」を取り上げます。久しぶりに登場する「軽」のスポーツカーとして、「ダイハツ・コペン」ともども、デビュー前からずいぶんと話題になっていました。

スポーツカーの存在する必要性とは何でしょう? 私は、実用車であるセダンやマルチパーパス等に対して、2人しか乗れない、荷物も積めないなどの無駄を「自由」というキーワードに変え「楽しさ、感動」といった感性の領域の心を創造するという、大切な存在意義があると思います。所有者の思いを受け止め、パートナー的な立場にまでなりうるのがスポーツカーという存在です。だからこそスポーツカーには実用車以上に所有者に対しての心の設計、いわば「もてなしや配慮」という思いやりの心が開発要素として大事なのではないのでしょうか。

一方でスポーツカーの販売状況は景気のバロメーターでもあります。販売される絶対的な台数は限られますが、ちょっと大げさに言えば、クルマ業界のみならず、見る人、乗る人、社会を元気づける存在ともいえましょう。 

世界で日本人にしか作れない、日本のモノ作りの素晴らしさを象徴する「軽自動車」というカテゴリー、そして先に書きましたスポーツカーの存在する役割を考えた時に、今回のS660では指摘しなければならないこともあります。軽量小型な新顔スポーツカーの登場と開発に拍手を送りつつ、ちょっと厳しい評価となってしまっている点もあります。

まずスタイリング。これは頑張っていると思います。軽自動車の規格という限定されたサイズの中で、上手に前後のバランスを取って、ミドシップらしいプロポーションバランスとしているし、座席の後ろ、エンジンフードに二筋のコブをつけるヘッドフェアリングも、やや懐古調ですが、うまくディテールとしてこなしています。(つづく)

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(語り=水野和敏/まとめ=青木禎之<Office Henschel>/写真=藤井元輔)

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