スズキ、丸くて四角い新型アルトラパンを発表

2015.06.03 自動車ニュース
「スズキ・アルトラパンX」とスズキの本田 治代表取締役副社長(右)、チーフエンジニアの河村恭博氏(左)。

スズキ、丸くて四角い新型「アルトラパン」を発表

スズキは2015年6月3日、軽乗用車の新型「アルトラパン」を発売した。

「アルトラパンX」のリアビュー。
「アルトラパンG」
新型「アルトラパン」では、赤外線レーザー方式の予防安全装備が全車に搭載される。

■女性ユーザーから圧倒的な支持

アルトラパンは「身近な雑貨や家具のような愛着のもてる道具」という発想のもと、2002年1月に登場したセダンタイプの軽乗用車である。2015年4月までの国内累計販売台数は63万9000台。特に女性から高い支持を得ており、2代目モデルでは購入者の9割が女性、そのうちの約6割を20代と30代が占めていたという。

3代目となる新型では、「女性がクルマの購入を考える際、まっさきに思い浮かべるクルマにしたい」という目標を掲げ、内外装やプラットフォームなどを一新。従来のモデルとは一線を画す丸みを帯びたエクステリアデザインとしたほか、車内空間を広げ、装備を強化するなどして快適性、利便性を高めている。燃費性能についても、これまでの25.2~26.0km/リッターから27.4~35.6km/リッターに向上させた(JC08モード)。さらに、予防安全装備として、赤外線レーザー方式の衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などを全グレードに標準で採用している。

ラインナップと価格は以下の通り。
・G:107万7840円(FF)/118万8000円(4WD)
・L:120万2040円(FF)/131万2200円(4WD)
・S:128万5200円(FF)/138万7800円(4WD)
・X:138万9960円(FF)/149万2560円(4WD)

ボディーカラーは全8色。オプションの「ホワイト2トーンルーフ仕様」も含めると、全12種類のカラーバリエーションが用意される。(写真をクリックするとカラーバリエーションが見られます)
「アルトラパンX」のインストゥルメントパネルまわり。上級グレードでは、テーブル部分の加飾が白木目調となる。
「アルトラパンX」のフロントシート。
「アルトラパンX」のリアシート。
「アルトラパンX」には、ツートンカラーのシートも用意される。

■全52種類の内外装から好みの仕様を

エクステリアデザインのコンセプトは「ぬくもりのあるカタチ」。これまでのラパンから、2BOXスタイルの「四角いカタチ」や「レトロな雰囲気」「シンプルな造形」などの特徴は受け継ぎつつ、全体的により丸みを帯びたイメージに一新した。ディテールでもヘッドランプやサイドミラー、リアコンビネーションランプを丸い形状としたほか、アルミホイールやホイールキャップには花をモチーフにした意匠を採用。各所にウサギのマークや「LAPIN」のロゴをあしらうなど、親しみやすく愛着の持てるデザインにしたという。

ボディーカラーは全8色の設定で、新色の「フレンチミントパールメタリック」「コフレピンクパールメタリック」「フォーンベージュメタリック」に、「シフォンアイボリーメタリック」を加えた4色には、モノトーンに加えて「ホワイト2トーンルーフ仕様」を用意。車体下部のモールも、ボディーカラーに合わせて「ブラウン」と「ネイビー」の2色を使い分けている。

一方、インテリアのコンセプトは「わたしの部屋」というもので、シンプルなデザインのくつろげる空間とすることを重視。実際にダッシュボードはテーブル、ナビ画面はフォトフレーム、メーターは置き時計と、部屋や家具をモチーフとした意匠を各所に取り入れている。また天井の内張りには、キルティングをイメージしたクロスステッチのパターンを施している。

収納スペースは充実しており、助手席側のダッシュボードにはボックスティッシュが入るサイズの引き出し式のインパネボックスを採用。助手席側のドリンクホルダーも引き出し式で、使わないときはしまっておくことができる。また運転席側のドリンクホルダーは500ミリリッターの紙パックにも対応する形状とし、SとXの前席センターアームレストには小物をしまうのに便利な収納ボックスを設けている。

インテリアカラーは、ベージュを基調にダッシュボード上面にブラウンを配色。ダッシュボードのテーブル部分は、LとGではブラウンのドット柄、SとXでは白木目調となる。シートについても、SとXでは座面と背もたれの縁にブラウンのパイピングを採用。最上級グレードのXには、ブラウンのチェック柄やキャメルのボーダー柄を組み合わせたツートンカラー仕様も用意している。

このように多彩なバリエーションも新型アルトラパンの大きな特徴となっており、内外装のバリエーションは、全グレード合計で52パターンにものぼる。

新しいプラットフォームの採用により、従来モデルより広さを増した車内空間。
リアシートは全グレードとも5:5の分割可倒式。
新開発のメモリーナビゲーションシステム。2015年5月に登場した「スペーシア」の改良モデルから導入が進められている。
メーターの下部にはマルチインフォメーションディスプレイが備わる。

■より広く、より快適になった車内空間

新型アルトラパンでは、新プラットフォームの採用により室内パッケージが大幅に改善されている。

全長×全幅×全高=3395×1475×1525mmというボディーサイズはこれまでとほぼ共通だが、車内空間に関しては、室内長を2020mm(従来モデル比+105mm)、前後乗員間距離を900mm(+60mm)に拡大。前席の左右乗員間距離も620mm(+30mm)を実現している。荷室についても、これまでより30リッター大きな115リッターの容量を確保(4名乗車時)。広さだけでなく、バックドア開口部の幅を広げるとともにテールゲート開口部の地上高を680mmに下げることで積載性を高めている。

運転のしやすさにも配慮しており、ホイールベースを従来モデルより60mm長い2460mmとしながらも、最小回転半径は4.4mを維持。広いガラスエリアや張り出しのないインパネ上面の形状などによって高い視認性を確保したほか、適切なドライビングポジションが取れるよう、ステアリングのチルト量やシートリフターの調整幅も拡大している。

装備の設定は、特に車内空間の快適性を重視したもので、エントリーグレードのGを除く3グレードに熱や紫外線などから乗員を守る「プレミアムUV&IRカットフロントドアガラス」を採用。最上級グレードのXには「ナノイー」搭載フルオートエアコンを備えている。また、GのFF車を除く全車に運転席シートヒーターを採用(4WD車では助手席にも採用)。4WD車では後席の足元を暖めるリアヒーターダクトも標準装備となる。

このほかにも、Gを除く3グレードには静電容量式タッチパネルを用いた新開発のメモリーナビゲーションシステムと、自車周辺の俯瞰(ふかん)映像や前方/後方ワイド映像、助手席側のサイド映像を表示する全方位モニターをセットでオプション設定。メーター内には、車両の状態やウサギのマスコットのアニメーションを表示するディスプレイを装備しており、SとXには、パーキングブレーキの解除忘れやライトの消し忘れなどを音声で知らせる機能も備わる。

エンジンは「アルト」などと同じ「R06A」型。自然吸気のみがラインナップされる。

■燃費性能は従来モデルから37%改善

プラットフォームには2014年12月にデビューした現行型「アルト」のものを採用しており、剛性の強化と重量の低減を同時に実現。ボディーや足まわり、内装、パワートレインの軽量化とも相まって、従来モデルより車両重量を120kg軽減している(FF/CVT仕様での比較)。

エンジンはEGRシステムの採用や圧縮比の向上、吸排気系の変更などの改良を施した「R06A」型0.66リッター直3 DOHCで、トランスミッションには副変速機付きCVTに加え、エントリーグレードのGにはシングルクラッチ式ATの5段「オートギアシフト(AGS)」を採用している。

また、CVT車にはブレーキエネルギー回生システムの「エネチャージ」やアイドリングストップ機構を搭載。燃費性能はAGS仕様のFF車で29.6km/リッター、同4WD車で27.4km/リッター、CVT仕様のFF車で35.6km/リッター、同4WD車で33.2km/リッターを実現しており、特にCVT仕様のFF車については、従来モデルから37%の改善を果たしている(JC08モード)。

(webCG)

カースコープ「スズキ・アルトラパン(前編)」
カースコープ「スズキ・アルトラパン(後編)」

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