トヨタ、ラリー競技の若手育成ドライバーを決定

2015.06.03 自動車ニュース
「TOYOTA GAZOO Racingチャレンジプログラム」の育成ドライバーに選出された、新井大輝選手(左)と勝田貴元選手(右)。
「TOYOTA GAZOO Racingチャレンジプログラム」の育成ドライバーに選出された、新井大輝選手(左)と勝田貴元選手(右)。

トヨタ、ラリー競技の若手育成ドライバーを決定

トヨタ自動車は、ラリーに参戦する若手ドライバーを支援する「TOYOTA GAZOO Racingチャレンジプログラム」の育成ドライバーを決定。2015年6月3日、東京本社において記者会見した。


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育成ドライバーの選考について説明する、トヨタスポーツマーケティング部の堀川龍雄氏。
育成ドライバーの選考について説明する、トヨタスポーツマーケティング部の堀川龍雄氏。

■父親は日本屈指のラリードライバー

今回の育成プログラムは、JAF公認競技に参戦経験のある26歳以下の選手を対象としたもので、2015年2月に募集を開始。計71人のエントリーのなかから、新井大輝選手と勝田貴元選手の2人が育成ドライバーに決定した。

新井大輝選手は1993年8月生まれの21歳で、父親はプロダクションカー世界ラリー選手権(PWRC)で2度のシリーズチャンピオンに輝いている新井敏弘選手。2013年にラリーデビューを果たし、これまでに全日本ラリー選手権やFIAアジア・パシフィックラリー選手権、オーストリア国内ラリー選手権などに参戦している。

一方、勝田選手は1993年3月生まれの22歳で、こちらも2010年から4年連続で全日本ラリー選手権を制している勝田範彦選手を父に持つ。2005年に12歳でカートを始め、2011年にはフォーミュラチャレンジ・ジャパンのチャンピオンを獲得。2013年には全日本F3選手権でシリーズ2位に入る活躍を見せた。ラリーデビューは2014年のことで、全日本ラリーに3度にわたりスポット参戦。第8戦ではJN5クラスで優勝を果たしている。

両選手について、トヨタスポーツマーケティング部の堀川龍雄氏は「テニスの錦織圭選手のように、日の丸を背負って世界で活躍する選手になってくれればいい」と期待を寄せた。

長年にわたりサーキット競技で活躍してきた勝田貴元選手。「目標とする選手は?」という問いに「すべてのドライバーをリスペクトしているが、特にセバスチャン・オジェ選手はすごいと思う」と回答。
長年にわたりサーキット競技で活躍してきた勝田貴元選手。「目標とする選手は?」という問いに「すべてのドライバーをリスペクトしているが、特にセバスチャン・オジェ選手はすごいと思う」と回答。
ラリー競技を始めて今年で3年目の新井大輝選手。自身の課題としては、ペースノートの書き方に加え、「ステージの後半で集中力が落ちてくること」を挙げた。
ラリー競技を始めて今年で3年目の新井大輝選手。自身の課題としては、ペースノートの書き方に加え、「ステージの後半で集中力が落ちてくること」を挙げた。

■目標は世界ラリー選手権での活躍

父と祖父がともにラリードライバーで、物心ついたころからラリーに触れてきたという勝田選手だが、自身のこれまでの活動はカートやフォーミュラが中心だった。今回は、そうしたサーキット競技でのキャリアに区切りをつけて、ラリーに転向することとなる。それについて勝田選手は、「心の中では『(ラリーもフォーミュラも)両方ともやりたい』という思いがあったが、どっちつかずではどちらでも“上”には行けない。自分の中で覚悟を決める意味でも、ラリーに専念することを決めた。葛藤したが、今はもう吹っ切れている」と述べた。

また、これまで培ってきたフォーミュラの技術については「経験やドライビングスキルはラリーでも無駄にはならない」としつつ、自身の現状を「ラリーの経験が少なく、まだ世界で戦えるレベルにない」と評価。「2018年や2019年あたりから世界ラリー選手権(WRC)に参戦できるよう自分のレベルを上げ、そこで1~2年勉強して、チャンピオン争いができるようになりたい」「最終目標は日本人初のWRCシリーズチャンピオン」と抱負を語った。

一方の新井選手も、自身の実力について「WRCには機会があればいつでも出たいが、自分の技術はトップレベルにはない」とコメント。「ヨーロッパ選手権や国内選手権で経験を積んでいき、最終的にWRCでタイムが残せる選手になりたい」と述べた。また、改善すべき課題としてペースノートの書き方を挙げ、ラリードライバーのミッコ・ヒルボネンからペースノートをより細かく書くようアドバイスを受けたこと、父である新井敏弘選手のコ・ドライバーを務めたグレン・マクニールからアドバイスを受けていることなどを紹介した。

トヨタの育成ドライバーに選ばれたことに対する父親の反応については、それぞれ「とりあえず、よかったな。これからだぞ、という感じ」(勝田選手)、「『ふーん、そう』と言われただけだった」(新井選手)と回答。同時に新井選手は「(父は)教えるというより『自分を見てそこから学べ』という昔ながらの感じの人。今は“父の背中を見ながら”だが、すぐに父を抜けるようになれればいいと思っている」と“父親超え”の意気込みを語った。

(webCG)
 

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