ホンダの八郷社長が会見、現場重視の姿勢を強調

2015.07.06 自動車ニュース
本田技研工業の八郷隆弘代表取締役社長。

ホンダの八郷社長が会見、現場重視の姿勢を強調

本田技研工業は2015年7月6日、東京・青山の本社で同年6月17日に就任した八郷隆弘代表取締役社長の記者会見を実施した。

質疑応答に対応する八郷社長。他社との協業については、「ホンダ独自のビジネスをやりたいという考え方に変わりはないが、お客さまにメリットがあるならやっていきたい」と回答した。

■キーワードは「チームHonda」

八郷氏は1982年に本田技研工業に入社。1999年に北米版「オデッセイ」の開発およびカナダ新工場の立ち上げに開発責任者代行として携わったのをはじめ、2011年には鈴鹿製作所の所長を、2012年にはホンダモーターヨーロッパ・リミテッド(英国)の副社長を、2013年には本田技研工業(中国)投資有限公司の生産統括責任者を歴任。2015年2月23日に代表取締役社長・社長執行役員就任の内定を受け、同年6月17日の株主総会を経て同職に就任した。

これからのホンダを表すキーワードとして「チームHonda」という言葉を使い、また社長として最初にやるべき課題を「現場とのコミュニケーションを強めていくこと」とするなど、八郷氏は会見を通して現場を重視する姿勢を強調。今後のホンダが目指すべきテーマとしては、「グローバル6極体制の進化」と「Hondaらしいチャレンジングな商品を継続的に開発し、全世界のお客さまにお届けしていくこと」の2点を挙げた。

北米版「ホンダ・フィット」。

■地域の連携を高め、余剰生産の問題を解消

これまでホンダは、グローバル市場を「欧州・中東・アフリカ」「中国」「アジア・太洋州」「日本」「北米」「南米」の6つの地域に分け、その地域ごとに販売、開発、調達の体制を構築するグローバル6極体制を推進してきた。

八郷氏はこうした取り組みを踏まえ、次のステップとして地域ごとの生産能力をグローバル全体で活用することを掲げている。具体的には、グローバル本社のオペレーション機能を高めることで地域生産の相互補完を推進し、フレキシブルな生産体制を活用して最適な生産配分を実現。四輪車事業における例として、北米で販売する「フィット」の一部と欧州版「ジャズ」を日本から、次期型「シビック 5ドア」を欧州から他地域に、次期「CR-V」をカナダから欧州に供給することを挙げた。

このほかにも、すでに二輪車を現地生産しているアフリカでの今後の事業展開として、2015年7月よりナイジェリアで四輪車の現地生産を開始すると発表。二輪車生産ラインの一角を使い、年産1000台の規模で「アコード」のセミノックダウン生産を行うとした。

2015年のニューヨークショーで発表された「ホンダ・シビックコンセプト」。
2014年11月に発表された「ホンダFCVコンセプト」。
新型二輪車の「ホンダCRF1000Lアフリカツイン」。

■「現場」の環境を整えることを重視

一方、今後投入するプロダクトとして、八郷氏は軽スポーツの「S660」やビジネスジェットの「ホンダジェット」を例に挙げ、「今までにないような技術で、お客さまに感動や喜びを提供できる商品を実現する」とコメントした。

具体的な商品としては、新しいプラットフォームやダウンサイジングターボエンジンを採用した新型「シビック」を、2015年秋より北米を皮切りに導入開始。同じく世界戦略車であるCR-Vとアコードについても、順次フルモデルチェンジを行うとしている。また、現在開発の最終段階に入っている燃料電池車「クラリティ」の後継モデルを、2015年度中に日本市場に投入。次世代環境自動車の領域では、この燃料電池車を頂点に、電動化技術を核にした商品を展開していくと表明した。

一方、二輪車の分野では、デュアルパーパスモデル「CRF1000Lアフリカツイン」を2015年末の欧州発売を皮切りに、日本、北米などに順次投入。汎用(はんよう)品の事業では、脚力が低下した人の歩行をサポートする「歩行アシスト」の研究・開発を続け、今年中の日本での事業化を目指すとした。

また、プロダクトを支える開発、生産の現場については、再三にわたり「現場の人間がしっかりとやっているける環境を整える」とコメント。開発のための時間を十分に確保することで、ものづくりの現場を支えると表明した。

(webCG)
 

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