「水野和敏的視点」 vol.112 メルセデスAMG GT S(前編)

2015.08.07 mobileCG

「水野和敏的視点」 vol.112 メルセデスAMG GT S(前編)

R35型「日産GT-R」の生みの親、育ての親であるだけでなく、レース界での活躍やセダンの進化への貢献など、自動車の世界で数々の成果を上げてきた水野和敏氏。そんな氏が歯に衣を着せず、本音でクルマを語り尽くすのが当特集。今回はメルセデススポーツモデルの最高峰「メルセデスAMG GT」を取り上げる。


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メルセデスAMG GT S
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4550×1940×1290mm/ホイールベース:2630mm/車重:1670kg/駆動方式:FR/エンジン:4リッターV8 DOHC 32バルブ ツインターボ/トランスミッション:7AT/最高出力:510ps/6250rpm/最大トルク:66.3kgm/1750-4750rpm/タイヤ:(前)265/35ZR19 (後)295/30ZR20/車両本体価格:1840万円
メルセデスAMG GT S
    ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4550×1940×1290mm/ホイールベース:2630mm/車重:1670kg/駆動方式:FR/エンジン:4リッターV8 DOHC 32バルブ ツインターボ/トランスミッション:7AT/最高出力:510ps/6250rpm/最大トルク:66.3kgm/1750-4750rpm/タイヤ:(前)265/35ZR19 (後)295/30ZR20/車両本体価格:1840万円

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■コンパクトに生まれ変わる

クルマというのは乗ってみないとわからない――。当たり前のことですが、今回、メルセデスAMG GT(以下、AMG GT)をテストして、あらためてそう思いました。

まずは車両の概要をざっと説明すると、AMG GTは「SLS AMG」(以下、SLS)に続くAMG自社開発のスポーツカー第2弾として2014年秋に登場しました。骨格としてアルミの“スペースフレーム”を備え、トランスミッションをリアアクスルに配置するトランスアクスルレイアウトが採用されているところはSLSと同じですが、全長はSLSより90mm短い4550mm、ホイールベースも50mm短い2630mmと、ボディーがひとまわりコンパクトにまとめられています。また、SLSの外観上の特徴となっていたガルウイングドアは廃止され、AMG GTでは通常のスイング式が採用されています。

エンジンは、SLSが6.2リッターV8自然吸気(571ps、66.3kgm)だったのに対し、AMG GTでは4リッターV8ツインターボに“ダウンサイジング”されています。そのチューンは2種類あり、高性能仕様の「GT S」では510psと66.3kgm、標準仕様の「GT」では462psと61.2kgmを発生します。今回は高性能版のGT Sをテストしました。

価格はGT Sが1840万円で、GTが1580万円。テスト車のGT Sには、フルレザーの内装や高級オーディオ、スポーティーな専用シートなど、より豪華かつスポーティーに彩るセットオプション「AMGダイナミックパッケージプラス」などが装着されており、オプション込みの総額で2095万円となっています。

さて、AMG GTの実車を目の前にした第一印象はというと……。正直に言いましょう、SLSの登場から経過した時間なりの進化をAMG GTに期待していた私としては、それほどいい印象を持ちませんでした。このクルマのオーナーの方やメルセデスファンの方には申し訳ないけれど、外観を見るかぎり、私が期待した進化というより、むしろある種の“アンチヒーロー”を狙っているのか? とさえ思ってしまいました。

ヘッドランプまわりに配されたLEDランプにしても、まるで派手さだけを訴求したように感じられ、メルセデス特有の磨かれた質感や存在感を期待している私には「これはちょっと……」と思えてしまいました。ただし、フロントフェイスは「メルセデスの造り」というものをきちんと踏襲していますね。メルセデス流セオリーにしたがって、オーソドックスにスポーツモデルのフラッグシップ感をきちんと造りだしているな、という印象は受けました。(づつく)

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(語り=水野和敏/まとめ=青木禎之<Office Henschel>/写真=小林俊樹)

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