次期「メルセデスSL」の注目技術公開される

2011.11.24 自動車ニュース
開発テスト中の次期型「メルセデス・ベンツSL」。
次期「メルセデスSL」の注目技術公開される

独ダイムラーが次期「メルセデスSL」の注目技術を公表

2011年11月22日、独ダイムラーは、開発中の次期「メルセデス・ベンツSLクラス」のプロトタイプの画像、およびその特徴を公表した。

次期型「SLクラス」のオールアルミ製ボディーシェル(画像下も)。
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■最大140kgの軽量化を実現

1954年に登場した初代「300SL」から数えて、5代目となる現行「SL」(R230)のデビューは2001年。10年目を迎え、そろそろ次期モデルの登場がうわさされていたが、本家のメルセデスから擬装したテスト車両とホワイトボディーの画像、および主な特徴が公表された。それによると、次期SLの特徴は「less weight」 「more vision」「more sound」である。

「less weight」とは、ズバリ「軽量化」。「SL」という車名の由来である「sportyかつlightweight」の意味するところへ回帰すべく、メルセデスの量産車としては初のオールアルミ製のボディーシェルを採用。アルミの使用率はボディーシェル全体の89%に及び、アルミでないのは転倒時の生存空間確保のために強靭(きょうじん)なスチールを使ったAピラーとルーフフレーム、そしてやはり軽量なマグネシウムを使ったリアパネルのみだそうだ。これによってボディーシェル単体では従来のスチール製に対して110kgの軽量化に成功、車両全体では次期「SL500」は現行モデル比で125kg、「SL350」では140kgのダイエットを果たすという。


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新技術「MAGIC VISION CONTROL」。ワイパーのブレードそのものからウォッシャー液が吐出する。
新技術「MAGIC VISION CONTROL」。ワイパーのブレードそのものからウォッシャー液が吐出する。 拡大

■ワイパーブレードから水が出る!?

「more vision」とは、「より優れた視界」である。そのために開発されたのが、「MAGIC VISION CONTROL」と称するウインドスクリーン(フロントガラス)のワイパー/ウォッシャーシステム。ボンネット上の噴出孔からウインドスクリーンに向かってウォッシャー液を噴出する従来のウォッシャーに代わって、ワイパーブレードに等間隔に内蔵されたいくつもの(画像で数えたところ20近く)穴からウォシャー液が吐出するというものだ。

これまでのようにドライバーの視界を妨げるウォッシャー液の飛沫(ひまつ)を見ることもなく、まるで魔法のようにウインドスクリーンがキレイになり、しかも季節や気温、走行速度によってスクリーンの汚れ具合を判断してウォッシャー液の吐出量を調整したり、オープン時には室内にウォッシャー液の飛沫が入り込まないように吐出方向を調整するなどのインテリジェンス機能も備えているという。さらにワイパーブレードに寒冷時の凍結対策としてヒーテッド機能もオプションで備えることができるそうで、いつ何時も良好な視界が保たれるというわけだ。

ボディーシェル自体をスピーカーボックスとして用いる「FrontBass」のイメージ図。
ボディーシェル自体をスピーカーボックスとして用いる「FrontBass」のイメージ図。 拡大

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■サウンドシステムも画期的

「more sound」とは、「車内で音楽がより楽しめるようになる」ことである。そのキモとなるのが「FrontBass」と呼ばれる低音用のスピーカー。カーオーディオにおいて、中低音を受け持つフロントスピーカーはドアに埋め込むのが常識だったが、次期「SL」ではなんとスカットル(またの呼び名をファイアウォール、エンジンルームと室内の隔壁)の足元付近に穴を開け、直接スピーカーユニットを埋め込んでいるのだ。これは新しいアルミ製ボディーシェルの構造が可能にしたワザであり、ボディーシェル自体がスピーカーボックスとして機能する。この「FrontBass」を中心とする新たなオーディオシステムによって、オープンの際にもよりクリアでダイナミックなサウンドが楽しめるという。

以上の3つが、公表された次期「SL」の特徴である。オールアルミ製ボディーシェルはともかく、あとの2つについてはピンとこない人もいるかもしれない。しかし、考えてみればワイパー/ウォッシャーシステムは、数十年も基本的に進化のなかった機構である。そこに目をつけたのは、さすがメルセデスという気がする。また、メルセデスのような従来はお堅い印象の強かったメーカーが、アメニティー装備である「たかが」オーディオにここまで大胆に踏み込んだのも興味深い。
そんな次期型「SL」だが、うわさによれば2012年1月のデトロイトショーでワールドプレミアを果たすのではないかといわれている。

(文=沼田 亨)

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