第323回:大切なのは農業を元気にすること
「ヤンマーYTシリーズ」をデザインした奥山清行氏にインタビュー
2015.11.04
エディターから一言
![]() |
ヤンマーのカッコよすぎるトラクター「YTシリーズ」、そのデザインに込められた思いとはなんなのだろうか。同社の取締役としてデザインに携わる奥山清行氏に聞いた。
![]() |
![]() |
![]() |
デザインとはそもそも“泥臭い”仕事
奥山清行さんは、ゼネラルモーターズ(GM)、ポルシェ、ピニンファリーナで数々のクルマをデザインし、フェラーリを手がけた初の外国人デザイナーとなるなど、世界的に活躍するデザイナーだ。そんな奥山さんが2013年4月、ヤンマーの取締役に就任するというニュースには、正直驚かされた。
奥山清行氏(以下、奥山。敬称略):ねえ、普通驚きますよね! フェラーリやっていた人間がなんでヤンマーなんだって。でも、僕はデザインというのはそもそも泥臭いものだと思っているんです。これまでGMとかポルシェとかでやってきましたけど、デザインというのは、地面をはいつくばるような仕事なんです。
モノというのは、まず自らお客さんのところに行って現状を知り、帰ってきてみんなでケンカしながら汗水流しながら作りあげるものですから。粘土の模型を作るのもはいつくばって作業しますし、絵を描く時は服も真っ黒になります。デザイナーってそういう商売なんですよ。
フェラーリのデザイナーだなんていうと、すまして作っていそうですけど、実際はケンカしまくって、ツバ飛ばしまくって作っていました。そういった泥臭いところって、一般の方はあまりご存じないかもしれませんが、僕としてはごく自然なことなんです。
――それにしてもヤンマーというのは意外でした。
奥山:完成したブランドよりも、お化粧ベタな女性みたいな、上手にやればもっといいブランドになるのになというクライアントの方が仕事のしがいがあるんです。
ヤンマーは語るのが下手というか、自分たちの商品の魅力をお客さまやそれ以外の人に伝えるのがとても下手なんですね。
現代は、その商品の背景にあるストーリーが伝わってこそ、そこで初めて魅力的な商品になる時代なんですよ。その部分が下手なんです。
これを何とかしなければと、僕と(総合プロデューサーとして、ヤンマーブランドの戦略推進を担当する)佐藤可士和君と一緒に、ブランドの魅力をどうやって伝えるかを考えています。
-
NEW
第497回:ダウンサイズ&ミニマル志向のキャデラック 新型クロスオーバー「XT4」を解説する
2018.4.21エディターから一言ニューヨークオートショー2018で、キャデラックは新型クロスオーバー「XT4」を世界初披露した。同ブランドの新世代戦略の皮切りに位置付けられるXT4の見どころとは? ショー開幕前夜に開催されたプレビューの模様をまじえて、詳しく解説する。 -
NEW
ホンダ・クロスカブ110(MR/4MT)【レビュー】
2018.4.21試乗記ビジネス用途の「スーパーカブ」をベースに開発された、ホンダの小型バイク「クロスカブ」。その最新型は、「単なるバリエーションモデル」と割り切れない、独自の魅力を持っていた。 -
第550回:伝えたいことはボディーに書いちゃえ!? iPhoneや飛行機になりたかった(?)クルマたち
2018.4.20マッキナ あらモーダ!30年前のジウジアーロのコンセプトカーから、ボルボの最新の電動化モデルまで。クルマのボディーにデザインされた“文字”には、デザイナーのどんな思いが込められている? 大矢アキオが考えた。 -
メルセデス・ベンツE200カブリオレ スポーツ(FR/9AT)【試乗記】
2018.4.20試乗記新型「メルセデス・ベンツEクラス カブリオレ」に試乗した。“先代よりも大きく広くなった”とはいえ、セダンと比べると実用性では大きく劣るのがオープントップモデルの宿命。過去に3台のオープンモデルを乗り継いできたリポーターは、どこに価値を見いだした? -
第169回:悲劇の真実を世界に伝えたキア・ブリザ 『タクシー運転手~約束は海を越えて~』
2018.4.20読んでますカー、観てますカー実在の人物をモチーフに、韓国現代史上最大の悲劇となった光州事件を描く『タクシー運転手~約束は海を越えて~』を紹介。戒厳令下の言語統制をくぐり抜け、全世界に実情を伝えたドイツ人記者と、彼を乗せてタクシーを走らせた運転手の見たものは? -
祝! 生誕50周年 いまや希少な初代「ローレル」を振り返る
2018.4.20デイリーコラムメカニズムは当時のBMWを超えていた!? 1968年に生まれた初代「日産ローレル」はどんなクルマだったのか、生誕50周年を迎えたいま、詳しく解説する。