第327回:攻めの開発体制へ
ショーワの「塩谷プルービンググラウンド」を見学する

2015.11.12 エッセイ
栃木開発センター塩谷プルービンググラウンドの全景。南側(写真左方)に鬼怒川が流れる。(写真=ショーワ)
栃木開発センター塩谷プルービンググラウンドの全景。南側(写真左方)に鬼怒川が流れる。(写真=ショーワ)

ダンパーやパワーステアリングなどの開発・生産を行う自動車部品メーカー大手のショーワが、栃木県・塩谷に四輪車の試験もできる自社のテストコース「栃木開発センター塩谷(しおや)プルービンググラウンド」を新設した。今回完成した“第1期工事分”の概要を報告する。

2015年9月25日に行われた開所式の様子。ショーワとの関係が深い3台のスポーツカーがお出迎え。
2015年9月25日に行われた開所式の様子。ショーワとの関係が深い3台のスポーツカーがお出迎え。
開所のあいさつをするショーワの杉山信幸代表取締役社長。
開所のあいさつをするショーワの杉山信幸代表取締役社長。
ショーワとホンダの関係は深い。会場には「シビック タイプR」などが展示された。
ショーワとホンダの関係は深い。会場には「シビック タイプR」などが展示された。
式典はコース内にある事務所整備棟(写真)で行われた。
式典はコース内にある事務所整備棟(写真)で行われた。

さらに力強く発展するために

株式会社ショーワが去る9月、栃木県に塩谷プルービンググラウンドを開設した。ショーワといえば老舗のダンパーメーカーであり、二輪車と四輪車の足元を支えてきたことはご存じだろう。同社は油圧制御のプロフェッショナルであり、サスペンション用ダンパーだけでなく油圧パワーステアリングや、その発展形として電動パワーステアリングの開発も行っている。駆動系の事業としてはディファレンシャルギアやプロペラシャフトも製造している。また、ボート用部品としてはパワーチルトトリム(ボートの船外機の角度を変化させる装置)も生産する。

ショーワという会社をもう少し詳しく説明すると、国内に5カ所の生産拠点を構える(関係会社を除く)。ライバルであるKYB(旧社名カヤバ工業)が本社を東京、開発実験センターを岐阜県に置くのに対して、ショーワは本社を埼玉県行田市に据え、開発と生産の拠点を関東および東海地区に集中させている。グローバルネットワークは全世界10カ国23拠点(日本を除く)。

そんなショーワが、開発体制をさらに強化するために2014年に着工したのが、今回紹介する栃木開発センター塩谷プルービンググラウンドだ。

同センターの開所式はあいにくの空模様のため、屋内で行われた。いかにも技術者らしい、素朴ながらもすがすがしい口調の役員諸氏がスピーチする壇上の両脇には、先頃商談の申し込みが始まった「ホンダ・シビック タイプR」や、ホンダの純正アクセサリーであるモデューロのパーツを装着した初代「NSX」が展示されており、ショーワとホンダの深い関係が見受けられた。

とはいえこの塩谷プルービンググラウンドは、これからショーワが独立した企業としてさらに力強く発展していくために開設された。もちろんホンダとの強い関係は今後も変わらないだろうが、同社の取引先にはほとんどの国内自動車メーカーが名を連ねている。ストレートに言ってしまえば、同社は「メーカーに言われたものを作る」だけではなく、「良いと思ったものを提案していくスタイル」も取り入れようとしているのだ。完成間もないテストコースを、新しいダンパーを装着したテスト車で走り、そんな思いを強くした。

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