今までと違ってきたアメリカ車【LAショー2011】

2011.11.18 自動車ニュース

今までと違ってきたアメリカ車【LAショー2011】

【LAショー2011】今までと違ってきたアメリカ車

2011年11月16日に、ロサンゼルスオートショーが開幕。お膝元のアメリカメーカーは、そこでどんなアピールを展開したのか?

「フォード・フレックス」
「フォード・フレックス」
「フォード・マスタング」のハイパフォーマンスバージョン、「シェルビーGT500」。
「フォード・マスタング」のハイパフォーマンスバージョン、「シェルビーGT500」。
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■いま、スポーティーなクルマがキテる!?

どこのモーターショーでも、開催国のメーカーが奮起するのは基本というか、当たり前だ。フランクフルトモーターショーでは、メルセデス・ベンツが建物ひとつを借り切って派手な展示を行っているし、パリのオートサロンでは、ルノーがしこたまワールドプレミアを用意する。東京モーターショーでも、トヨタからスズキに至るまで日本メーカーのすべてが、たくさんのニューモデルをひな壇に飾るのが通例だ。

ところが今年のロサンゼルスオートショーでは、残念ながら、地元勢がトーンダウン気味だった。もちろん、彼らにしてみれば本番はデトロイトなのかもしれない。しかし、そうだとしても、今回の展示を見ていると「もう少し頑張ろうよ」という気になってしまう。

今年のロサンゼルスオートショーの傾向としては、SUVやライトトラックによる怒濤(どとう)の攻勢は若干控えめになり、セダンやポニーカーの割合が増えていたように思う。とくにポニーカーは、「シボレー・カマロ コンバーチブル」の高性能モデル「ZL1」の追加や、「フォード・マスタング」のマイナーチェンジ、さらに「GT500」の追加など、パフォーマンスの高いクルマが多かった。

日本のメーカーも、今年の東京モーターショーにはトヨタの「小型FRスポーツ」「スバルBRZ」「ホンダ・スモールスポーツ EVコンセプト」「ダイハツD-X(ディークロス)」といった新しいスポーツカーを、こぞって提案する。そのいくつかは市販も予定されている。一過性のものかもしれないが、日米問わず、“走る楽しさ”に再び目が向き始めているのは間違いないだろう。

新型「フォード・エスケープ」
新型「フォード・エスケープ」

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■欧州車化するフォードのSUV

そんなアメリカ勢のなかで、日本のユーザーにとって注目なのは、3世代目に生まれ変わった「フォード・エスケープ」だ。2007年に2世代目へと進化しているが、プラットフォームは初代のものを流用していたので、実質的には11年ぶりの“完全刷新”ということになる。

スタイリングは、2011年のデトロイトショーでお披露目されたコンセプトカーの「ヴァートレック」を進化させたもの。欧州や日本で販売されている欧州フォード製のコンパクトSUV「クーガ」にも通じるデザインだ。と思ったら、欧州や中国ではクーガの後継モデルとして販売する予定だという。

新型「エクスプローラー」もそうだが、最近のフォード系のSUVは欧州車色が強くなっている。新型「エスケープ」も同様で、アメリカ車というよりは欧州フォード車に近い意匠を持つ。ボディーサイズは、全長4524mm×全幅1839mm×全高1684mmで、ホイールベースは2690mm。全長とホイールベースは若干長くなったが、逆に全高は低い。エンジンは2.5リッター直4のほかに、2リッター直4ターボや1.6リッター直4ターボといったダウンサイジングユニットを用意。動力性能だけでなく、燃費にも十分配慮した設定となっている。

北米では「エスケープ」、欧州では「クーガ」と名乗ることになる新型だが、日本では果たしてどちらの名前が用いられるのだろうか。「クーガ」は唯一の欧州フォード製品として支持を受ける一方で、実は「エスケープ」も実用的なSUVとして隠れた人気商品。どちらも捨てがたいのが本音のはず。知名度なら「エスケープ」、クルマのキャラクターからすると「クーガ」となりそうだが……。

「キャデラックXTS」
「キャデラックXTS」

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「シボレー・スパーク」
「シボレー・スパーク」

■変わりゆくキャデラック

GMからは「シボレー・カマロ コンバーチブルZL1」のほかに、キャデラックの「DTS」と「STS」を統合したフラッグシップモデル「XTS」、さらにGMデーウが開発したコンパクトカー「スパーク」のマイナーチェンジモデルもお披露目された。

「キャデラックXTS」は、これまでの多くのアメリカ高級車が採用していた長くて伸びやかな3ボックススタイルではなく、「CTSクーペ」のようなカタマリ感のある筋肉質なワンモーションデザインを持つ。全長5131mm×全幅1851mm×全高1501mm。ホイールベースは2837mm。「DTS」よりはひと回り小さい。

コンセプトカーの段階では、3.6リッターV6直噴ガソリンにプラグインハイブリッドが採用されていた。2012年初頭には市販モデルが登場する予定だが、そのときはハイブリッドシステムを取り除いたコンベンショナルな3.6リッターV6に変更される。ただし、将来的にはハイブリッドモデルが用意されることは想像に難くない。

それにしても、アメリカの高級車もエンジンのダウンサイジングが進んだ。フルサイズのセダンといえば、V型8気筒で5リッターオーバーが当たり前だったのに、今やV6、しかも排気量は3.6リッターしかないのだから。

(文と写真=新井一樹)

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