MOTUL AUTECH GT-Rが2年連続でタイトル獲得

2015.11.16 自動車ニュース
最終戦もてぎの勝利こそ逃したものの、松田次生/ロニー・クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rは、2年連続でチャンピオンの座を手に入れた。
最終戦もてぎの勝利こそ逃したものの、松田次生/ロニー・クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rは、2年連続でチャンピオンの座を手に入れた。

【SUPER GT 2015】MOTUL AUTECH GT-Rが2年連続でタイトル獲得

2015年11月15日、SUPER GTのシーズン最終戦となる第8戦が栃木県のツインリンクもてぎで開催され、GT500クラスはNo.37 KeePer TOM'S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川 亮組)が、GT300クラスはNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)が勝利した。
今シーズンの年間タイトルは、GT500クラスはNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が、GT300クラスはNo.10 GAINER TANAX GT-Rのアンドレ・クートがそれぞれ手にした。

GT500クラスのスタートシーン。この後、最終戦にふさわしい、激しいバトルが展開された。
GT500クラスのスタートシーン。この後、最終戦にふさわしい、激しいバトルが展開された。
3位に入ったNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)。もてぎの最終戦は、3メーカーが表彰台を分け合う結果に。
3位に入ったNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)。もてぎの最終戦は、3メーカーが表彰台を分け合う結果に。
No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)を先頭に、GT300クラスがスタート。
No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)を先頭に、GT300クラスがスタート。

■最終戦は大混戦に

オーバーテイクが難しいもてぎのSUPER GTは退屈だなんて、いったい誰が言い出したのだろうか? いや、確かにこれまではそうだったかもしれない。けれども、2015年シーズンの最終戦として開催された本大会は、これまでのそうした評価を吹き飛ばすような、実にエキサイティングな一戦となった。

手に汗握るレース展開となった一因は、レース中盤にNo.46 S Road REITO MOLA GT-R(本山 哲/柳田真孝組)がGT300クラスの一台と接触し、No.46 S Road REITO MOLA GT-Rのリアカウルがコース上に散乱、セーフティーカーが導入されたことにあった。
直前に通り雨が降った影響で全車ともレインタイヤでスタートに臨んだのだが、53周のレースの15周目前後になるとスリックタイヤでも走行できるくらい路面は乾いていた。ただし、ひとりのドライバーがレース距離の3分の2以上を走行することは許されないので、ピットストップを1回で済まそうとすると少なくとも18周目まではタイヤ交換を行えない。このため、GT500車両は19周目ごろから続々とピットストップを開始。27周目にセーフティーカーが導入されるまでには、2番グリッドからのスタートでこのときトップに浮上していたNo.64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット組)を除くGT500クラスの全車がピットストップを終えていた。

セーフティーカーが導入されるとピットレーンは進入禁止となるので、後続に大きなリードを保ったままNo.64 Epson NSX CONCEPT-GTがピットインすることは許されない。彼らがピットに飛び込めるのは、2番手以降が追いついてから。ここでピットストップを行えばNo.64 Epson NSX CONCEPT-GTがポジションを大きく落とすのは当然のこと。結局、ピット作業を終えた彼らは8番手まで転落したうえ、ステアリングを握る中嶋はこの影響で気が動転したのか、5コーナーでコースアウト。結果的に最下位にまで順位を下げることとなった。

一方トップグループは、全車がピットストップを終えていた。つまり、フィニッシュまでそのまま走り切るだけ。しかも、セーフティーカーラン明けの32周目の段階で、トップ6のタイム差はたったの2.3秒(!)しかなかったのだ。さらに、GT300クラスの車両もセーフティーカーランの影響でいくつかの密集したグループができあがっていたため、ここにGT500クラスのトップグループが迫ると、少なくとも10台、多いときには15台ほどが接近戦を繰り広げることになり、2ワイドや3ワイドとなって熾烈(しれつ)なバトルが演じられたのである。

大混戦のもてぎラウンドを制した、アンドレア・カルダレッリ/平川 亮組のNo.37 KeePer TOM'S RC F。
 
大混戦のもてぎラウンドを制した、アンドレア・カルダレッリ/平川 亮組のNo.37 KeePer TOM'S RC F。
	 
No.1 MOTUL AUTECH GT-Rと、それを迎えるNISMOのチームスタッフ。
No.1 MOTUL AUTECH GT-Rと、それを迎えるNISMOのチームスタッフ。
2014年に続くタイトル獲得をよろこぶNISMOの主役たち。写真左から、松田次生、鈴木 豊監督、そしてロニー・クインタレッリ。
2014年に続くタイトル獲得をよろこぶNISMOの主役たち。写真左から、松田次生、鈴木 豊監督、そしてロニー・クインタレッリ。
No.31 TOYOTA PRIUS apr GTは、ポール・トゥ・ウィンでGT300クラスの最終戦を制した。
No.31 TOYOTA PRIUS apr GTは、ポール・トゥ・ウィンでGT300クラスの最終戦を制した。
GT300クラスの2位は、谷口信輝/片岡龍也組のNo.0 グッドスマイル 初音ミク SLS。
GT300クラスの2位は、谷口信輝/片岡龍也組のNo.0 グッドスマイル 初音ミク SLS。

■タイトル争いも接戦

その目まぐるしい順位の入れ替わりといったらなかった。今回、ポールポジションからスタートしたのはNo.37 KeePer TOM'S RC Fで、セーフティーカーランが終わったときにも平川がトップを死守していたものの、2番手につけていたNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rが32周目にこれをパス。No.37 KeePer TOM'S RC Fはその後も諦めずにNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rを追っていたが、最終コーナーで2台が接触すると、No.37 KeePer TOM'S RC Fはあっというまに4番手まで転落。ところが、その2周後にNo.37 KeePer TOM'S RC Fは2番手に浮上すると、トップのNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rと0.3秒差にまで迫り、43周目にこれを攻略。結局、そのまま逃げ切って今季2勝目を挙げた。

こうした戦いをさらに複雑なものにしていたのがチャンピオン争いの行方だった。最終戦を迎えた段階で、ポイントリーダーに立っていたのは通算66点を獲得したNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/J.P・デ・オリベイラ組)だったが、ランキング2番手の松田とクインタレッリはこれを2点差で追っていた。つまり、このレースで優勝したほうがタイトルを勝ち取ることになるのだから、どちらの陣営も必死そのもの。No.1 MOTUL AUTECH GT-Rはそうした中で優勝争いを演じていたのだ。おまけに、No.12 カルソニックIMPUL GT-Rもトップ6に加わっていたので、優勝のチャンスは十分にあった。しかし、結果的に彼らはNo.37 KeePer TOM'S RC F、No.1 MOTUL AUTECH GT-R、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)に続く4位でフィニッシュ。このため松田とクインタレッリが2年連続でチャンピオンに輝くこととなった。

GT300クラスも大波乱の展開となった。セーフティーカーが導入されたとき、トップを走るNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTはGT500クラスのNo.64 Epson NSX CONCEPT-GT同様、まだピットストップを行っていなかった。この影響でピットストップ後に5番手まで順位を落としたものの、No.31 TOYOTA PRIUS apr GTはあれよあれよという間にトップに再浮上。開幕戦以来となる今季2勝目を挙げたのだ。2位はNo.11 GAINER TANAX SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)との激闘に競り勝ったNo.0 グッドスマイル 初音ミク SLS(谷口信輝/片岡龍也組)、そしてNo.11 GAINER TANAX SLSが3位でチェッカーを受けた。

これでSUPER GTの2015年シーズンは終了。各チームとも、今後は休む間もなく来季に向けた準備に取り組むことになる。

(文=小林祐介/写真提供 GTA)

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