マツダ・デミオ13S Lパッケージ(4WD/6AT)/CX-3 XDツーリング Lパッケージ(4WD/6AT)/アテンザセダンXD Lパッケージ(4WD/6AT)/CX-5 XD Lパッケージ(4WD/6AT)/アクセラセダン15S(4WD/6AT)

先読みして備えるAWD 2016.01.04 試乗記 マツダ自慢の4WDシステム「i-ACTIV AWD」は、さまざまなセンサーからの情報を元にして“先読みして備える”ところがポイントだ。その走りを北海道の雪上路で徹底的にテストした。

FFより4WDの方が燃費がいい?

マツダの最新4WDシステムはi-ACTIV AWDと呼び、SKYACTIV技術の一環として開発された。前後輪トルクを100対0から50対50まで電子制御するアクティブオンデマンド4WDの一種だ。2012年の「CX-5」以降、「アテンザ」「デミオ」「アクセラ」「CX-3」に搭載している。似たシステムの搭載例は他にもあるが、i-ACTIV AWDの特徴は、路面状況やドライバーの意図を先読みし、前後トルクを瞬時に滑らかに連続可変する点。舵角(だかく)や操舵(そうだ)反力、外気温、ワイパー作動、前後輪スリップ比、車体傾斜など27種ものセンサーを駆使し、1秒間に200回、路面状況とドライバーの意図を判断して前後トルクをフィードフォワード制御する。また、雪の降り始めや凍結し始めにドライバーが気づかない程度のタイヤスリップを検知する、高精度の先読み技術を初採用している。あらかじめ微小トルクを後輪にかけて駆動系のガタを詰めておき、必要時には遅れなく、しかも滑らないようジワッと適切なトルク配分を行うという。

目指す技術レベルは非常に高く、メカ好きにとって興味深い内容だ。中でも驚いたのが「2WDより良い燃費を目指した」という言葉。2WDは雪道で駆動輪が滑りながら前進しており、スリップが少ない4WDの方が燃費効率を高められる。しかも雪道だけでなく、ウエットやドライ路面でもタイヤはわずかに滑りながら駆動しているので、システムの軽量化やフリクションロスを極小化できれば、実は4WDが有利というのだ。

実際にi-ACTIV AWDはリア駆動メカニズムを徹底的に軽量化。業界一の低粘度オイルを採用するなどフリクション低減にも挑んだ結果、システム全体のエネルギーロスは79%もの大幅削減を達成。ライバル車と比べてもFFと4WDの燃費差が最小レベルに到達した。

試乗の舞台はマツダの北海道剣淵試験場(上川郡剣淵町)と、その周辺の公道。「デミオ」から「CX-5」まで、i-ACTIV AWD搭載車がずらりと用意された。
試乗の舞台はマツダの北海道剣淵試験場(上川郡剣淵町)と、その周辺の公道。「デミオ」から「CX-5」まで、i-ACTIV AWD搭載車がずらりと用意された。

i-ACTIV AWDのカットモデルを見る。これはフロントアクスルのPTO(パワーテイクオフ)部。軽自動車並みの小型ハイポイドギアや肉厚2.5mmの薄肉アルミ製キャリアケースなどを用い、PTO単体では従来比55%の軽量化を実現している。


	i-ACTIV AWDのカットモデルを見る。これはフロントアクスルのPTO(パワーテイクオフ)部。軽自動車並みの小型ハイポイドギアや肉厚2.5mmの薄肉アルミ製キャリアケースなどを用い、PTO単体では従来比55%の軽量化を実現している。
リアデフ(左)の前方に電子制御カップリングユニット(右)が設置されている。カップリングユニットは湿式多板クラッチを電磁ソレノイドがボールカムを動かして圧着する方式。ユニット自体はジェイテクト製。
リアデフ(左)の前方に電子制御カップリングユニット(右)が設置されている。カップリングユニットは湿式多板クラッチを電磁ソレノイドがボールカムを動かして圧着する方式。ユニット自体はジェイテクト製。
プロペラシャフトの中には、シャフト(パイプ)の膜振動を減衰させるデッドナー(白い部分。紙材製)と、パイプの曲げ振動を減衰させるダイナミックダンパー(黒い部分。ゴムおよび金属製)が内蔵されている。
プロペラシャフトの中には、シャフト(パイプ)の膜振動を減衰させるデッドナー(白い部分。紙材製)と、パイプの曲げ振動を減衰させるダイナミックダンパー(黒い部分。ゴムおよび金属製)が内蔵されている。

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