新型クーペ、レクサスLC500のここに注目【デトロイトショー2016】

2016.01.13 自動車ニュース
レクサスブースの主役「LC500」。豊田章男社長がお披露目を行った。
レクサスブースの主役「LC500」。豊田章男社長がお披露目を行った。

【デトロイトショー2016】新型クーペ「レクサスLC500」のここに注目

米国デトロイトで2016月1月11日(現地時間)、北米国際オートショー(デトロイトショー)が開幕した。レクサスブースの華は、新しいフラッグシップクーペの「LC500」。プレスカンファレンスではトヨタ自動車の豊田章男社長が登壇し、自ら同モデルのお披露目を行った。

デトロイトショーでのプレゼンテーションは、豊田社長にとって今回が初。
デトロイトショーでのプレゼンテーションは、豊田社長にとって今回が初。
「LC500」のベースはコンセプトカーの「LF-LC」。ほぼそのままの形で市販化されることになった。
「LC500」のベースはコンセプトカーの「LF-LC」。ほぼそのままの形で市販化されることになった。
「LC500」のボディーサイズは4760×1920×1345mm。新開発のFRプラットフォームが使用されている。
「LC500」のボディーサイズは4760×1920×1345mm。新開発のFRプラットフォームが使用されている。
日本での発売は、2017年の春ごろの予定。
日本での発売は、2017年の春ごろの予定。
報道陣に囲まれる「LC500」。
報道陣に囲まれる「LC500」。
エンジンを低く、ホイールベースの内側に配置する、フロントミドシップ・レイアウトが採用されている。
エンジンを低く、ホイールベースの内側に配置する、フロントミドシップ・レイアウトが採用されている。
475psと54.0kgm(530Nm)を生み出す5リッターV8自然吸気エンジン。
475psと54.0kgm(530Nm)を生み出す5リッターV8自然吸気エンジン。

■熱い思いがうかがえるプレゼンテーション

2012年のデトロイトショーでお披露目された「LF-LC」は、レクサスにとって主力技術であるハイブリッド・パワートレインと、直近のデザインランゲージの認知向上を図るためのコンセプトカーという位置づけだった。

その時の形状と寸分たがわぬ勢いでプロポーションやディテールが徹底的に整えられたこのLC500は、2017年度の市販化を前提に今年のデトロイトショーで登場したモデルだ。詳細をチェックするに車両は9割がたは仕上がっていて、既に量産試作を重ねていることがうかがえる。つまり、台上にあげられたのは、タイヤや一部の内装造作などを除けばほぼ市販確定版。公開されたプロモーションビデオも、まさにこの展示車両を実走行させて撮られたものだという。

コンセプトカーのイメージを限りなく忠実にフィードバックしたこのクーペを皮切りに、レクサスのデザインやダイナミクスをよりエモーショナルにシフトすると会場で宣言したのは、デトロイトショーでのプレゼンテーションは初となる豊田章男社長だ。

振り返れば、リーマンショックや品質問題への対処の最中、2011年には東日本大震災やタイ洪水など、さまざまな災害も襲いかかった。その暗たんたる時から抜け出し、飛躍するための旗印として掲げられたLF-LCは、豊田社長にとってもぜひとも実現したいプロダクトだったのだろう。壇上での言葉の端々からは、その熱い思いがうかがえた。

■ハイブリッド仕様も追加されそう

このLC500に込められたさまざまなファクターの中で最も大きなものは、社内で「サードチャプター」と呼ばれる新世代レクサスの、文字通り骨格となるプラットフォームの完全刷新だろう。いわばFR版TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)ともいえるこのアーキテクチャーの拡張性については、今後「LS」から「IS」までのFRモデルをカバーすることも想定されているはずだ。

その初出となるLC500の場合、仮に従来プラットフォームで同等性能を達成した状態に比べて約100kgの軽量化に成功しているという。そして寸法面においては、従来に対して前輪を80mm前方に、乗員位置を80mm後方に設定。エンジン搭載位置は50mmキャビン側へ引き、かつ10mm下方へ移されている。つまり重量配分の最適化と低重心化、衝突安全性への配慮もしっかり織り込まれた仕様となっている。サスペンション形式は前後マルチリンクで、前側は新設計、後ろ側はボールジョイント位置の全面見直しなど、ジオメトリーレベルで徹底的にリファインが施されたという。

LC500に搭載されるエンジンは、その名から想像する通り、「RC F」や「GS F」が搭載する5リッターV8ユニットだ。475psのピークパワーはそれらと大差はないが、キャリブレーションは専用とのこと。組み合わせられるトランスミッションはアイシン・エィ・ダブリュの10段ATとなる。

また、現時点では何らアナウンスはないが、ハイブリッド仕様が設定されることは間違いない。LCは恐らくパフォーマンスや官能性を売りにするこの500と、スポーティネスと環境性能の親和性を重視したハイブリッドの二面性を訴えていくことになるだろう。そしてLC500の側も、メカニズムは決して運動性能をガチガチに重視したものではなく、逆にレクサスらしいと思わせる快適性が十分に意識されているはずだ。

想像される価格帯も含め、LCの軸足は、「BMW 6シリーズ」や「メルセデス・ベンツSL」あたりを指標とするハイラグジュアリークーペのカテゴリーにある。商品性のみならず、ブランド力や歴史があって初めて受け入れられるそこに、ついにレクサスが参入することになるのかと思うと、それは日本人として感慨深い。

(文=渡辺敏史/写真=トヨタ自動車)

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