最高速は420km/h! ブガッティがシロンを発表【ジュネーブショー2016】

2016.03.03 自動車ニュース
「ブガッティ・シロン」の価格は240万ユーロ(約3億円)。生産台数は500台を予定する。

【ジュネーブショー2016】最高速は420km/h! ブガッティが新型スポーツカー「シロン」を発表

フォルクスワーゲングループのブガッティはジュネーブショー2016で新型スポーツカー「シロン」を世界初公開した。ショー開幕の前日に当たる2016年3月1日には、ジュネーブでメディア向けプレビューが行われ、ひと足先にその概要が明らかにされた。

暗闇の奥に水滴を模した白いオブジェが置かれ、その隙間からブガッティグリルが見えている。
ブガッティのヴォルフガング・デュルハイマー社長。
「シロン」のリアビュー。8リッターW16クワトロターボエンジンの最高出力は1500psに達し、最高速は420km/hを豪語する。
ボディーサイドの「Cバー」は室内でも反復され、ドライバーとパッセンジャーを優雅に仕切っている。

■1500psの8リッターW16ターボを搭載

暗闇の奥、水滴を模したケースの隙間から、馬蹄(ばてい)形に鈍く光るブガッティグリルだけが見えていた。

ところは、ジュネーブのラグジュアリーホテル。入り口にはブガッティブランドの調度品が設(しつら)えられており、ゲストたちはカクテルを片手に談笑している。

モーターショー前日。フォルクスワーゲングループは通常、全ブランドを集めての公式メディアプレビューを行うが、ブガッティはその前に、単独で「ヴェイロン」後継となるシロンの発表を、世界の限られたメディアを集めて行った。

社長のヴォルフガング・デュルハイマー氏が「全領域で進化し、人類未到の地にたどり着いた」と自信満々に語れば、デザインダイレクターのアヒム・アンシャイト氏は、「すべてにおいて、オーセンティックであるデザインだけが歴史に残ることができる」と表明。最後にその驚愕(きょうがく)のパフォーマンスについて、「すべての技術を使い果たし、限界値を更新した」と開発責任者でボードメンバーのウィリー・ネットゥシル氏が締めくくった。

そしてアンベール。拍手に包まれて姿を現した、濃淡ブルーツートンのシロンは、果たして、自動車デザインにおけるビューティー&ビースティーをすべて体現しきったかのようなオーラを放って、見る者を睥睨(へいげい)した。

特徴的な8つの光源からなるヘッドライトは、すでに「ブガッティ・ビジョン グランツーリスモ」でもおなじみのもの。そう、シロンのスタイリングは、基本的にあのコンセプトデザインから大胆なエアロパーツを取り除いたもの、と考えていい。

サイドの大きな「Cバー」(ブガッティライン)も、そうだ。これは、シロンの頭文字でもあると同時に、ジャン・ブガッティの傑作にして自動車史の至宝「タイプ57SC アトランティーク」へのオマージュでもあった。このCバーモチーフはなんと室内にも持ち込まれており、ドライバーとパセンジャーシートを優雅に仕切っている。

パフォーマンスについても概要だけ報告しておくと、大方の予想通り、1500ps/1600Nm(163.2kgm)という途方もないパワー&トルクスペックを引っ提げて登場した。8リッターW16クワトロターボエンジンは、マテリアルをすべて吟味し直した新設計である。また、2ステージターボシステムを新たに導入することによって、ターボラグがまるで存在しない、パワフルでスムーズな加速を実現したという。トランスミッションはヴェイロン同様、7段DCTだ。

最高速は、なんと420km/hで、これには「ロードユースにおける制限速度」と記されていた。まだまだいける、ということだろう。0-100km/h加速は、驚愕の2.5秒切り。

新たなアクティブダンピングシステムや、ライドコントロール、エンジンベイまでCFRP(炭素繊維強化プラスチック)とした強固なボディーストラクチャーなど、まだまだ語るべきポイントはたくさんあるが、それは後々のリポートに譲ろう。

今年の秋に始まるというシロンの納車、そのお値段は240万ユーロ(約3億円)で、世界500台限定。およそ8年かけて生産するという。早くも全数の3分の1以上に相当する数のオーダーが入っており、日本市場の反応も極めていいということだ。

この秋の上陸も期待できるシロン。もし、どこかで見かけることがあったら、そーっとコックピットをのぞいてみてほしい。うっすらとシルバーに光るメーターの数字が、500km/hまで刻まれていることを知って、あなたは感動するに違いない。そう、シロンは自らの高性能を、ブラックアウトしてしまう液晶メーターなどで隠そうとはせずに、光り輝くアナログメーターを使うことで、全人類に訴えかけているのだった。

(文=西川 淳/写真=佐藤靖彦)

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