スズキの新型コンパクトカー、バレーノ発売

2016.03.09 自動車ニュース
「スズキ・バレーノXT」
「スズキ・バレーノXT」

スズキの新型コンパクトカー「バレーノ」発売

スズキは2016年3月9日、新型のコンパクトハッチバック車「バレーノ」を発表した。1.2リッター自然吸気エンジン搭載車は同日に、1リッター直噴ターボエンジン搭載車は同年5月13日に販売を開始する。

 
スズキの新型コンパクトカー、バレーノ発売の画像
サイドビュー。ダイナミックなフェンダーの造形や、傾斜したリアウィンドウがデザイン上のポイント。
サイドビュー。ダイナミックなフェンダーの造形や、傾斜したリアウィンドウがデザイン上のポイント。
「ゆとりある室内空間」がうたわれる「バレーノ」。後席だけでなく、前席(写真)の足元にもゆとりが感じられるという。
「ゆとりある室内空間」がうたわれる「バレーノ」。後席だけでなく、前席(写真)の足元にもゆとりが感じられるという。
荷室の容量は標準状態で320リッター。後席を倒すことで、拡大できる。
荷室の容量は標準状態で320リッター。後席を倒すことで、拡大できる。

■「上質なコンパクトカー」を目指して

2015年9月のフランクフルト国際モーターショーで世界初公開されたスズキ・バレーノ。デビューと前後してインドのマルチ・スズキ・インディア社で生産が開始され、東京モーターショーで本邦初公開された2015年10月には、インドで販売がスタートした。今後は新たなグローバルコンパクトカーとして欧州をはじめ世界中で販売される予定で、いよいよ日本市場にも投入されることとなった。

イタリア語で閃光(せんこう)を意味するというバレーノのコンセプトは、デザイン、居住性、走行性能、安全性能を高次元で調和させた、スズキが理想と考えるコンパクトハッチバック。同社は「流麗でエレガントなスタイリング」「Bセグメントのコンパクトなボディーに、ゆとりある居住空間と荷室スペース」「新開発のエンジンとプラットフォームによる高い走行性能と優れた燃費性能」、そして「先進安全技術とロングドライブをサポートする機能」の4つを特徴として挙げている。

“Liquid Flow(リキッドフロー)”をデザインテーマに、凝縮したエネルギーを前に解き放つイメージを表現したとうたわれるエクステリアは、キャビンに対して下半身はしっかりと張り出し、全高を抑えて安定感のあるプロポーションを実現したという5ドアハッチバックスタイルだ。

ボディーのサイズは、全長3995mm、全幅1745mm、全高1470mm。世界戦略車のため、全幅は5ナンバー規格の縛りから脱して1.7mを超えており、サイズ的には欧州市場でライバルとなる「プジョー208」や「フォード・フィエスタ」あたりに近くなる。全長は4m未満だが、エンジンルームのコンパクト化と2520mmのロングホイールベースによって、ゆとりある居住空間を実現。特に805mmの前後乗員間距離はセリングポイントとなっている。その上で、荷室容量は320リッターを確保。6:4分割可倒式の後席シートバックを倒すことなく、9.5インチのゴルフバッグやベビーカーなどを横置きに積むことができる。

新開発のK10C型ブースタージェットエンジン。「バレーノ」を皮切りに、今後さまざまなスズキ車への搭載が検討されている。
新開発のK10C型ブースタージェットエンジン。「バレーノ」を皮切りに、今後さまざまなスズキ車への搭載が検討されている。
軽さと高剛性を両立させたとうたわれる、フロントのサスペンション。
軽さと高剛性を両立させたとうたわれる、フロントのサスペンション。
インテリアは、広がりを感じる上質な空間を表現したという。
インテリアは、広がりを感じる上質な空間を表現したという。
後席の様子。写真は「XT」のもので、本革シートはセットオプションに含まれる。
後席の様子。写真は「XT」のもので、本革シートはセットオプションに含まれる。
インド国内の工場で生産され、世界の各市場に出荷される「バレーノ」。日本で販売される車両もインドからの輸入となる。同車の発表会には駐日インド大使のスジャン・R・チノイ氏(写真)も出席し、あいさつを述べた。
インド国内の工場で生産され、世界の各市場に出荷される「バレーノ」。日本で販売される車両もインドからの輸入となる。同車の発表会には駐日インド大使のスジャン・R・チノイ氏(写真)も出席し、あいさつを述べた。
 
スズキの新型コンパクトカー、バレーノ発売の画像

■ポイントは軽量ボディーと新エンジン

最近のスズキのニューモデルは卓越した軽量設計で注目を集めているが、バレーノも例外ではない。軽さと高剛性を両立したBセグメント用新開発プラットフォームをはじめ、軽量かつ高強度の高張力鋼板を全体の約46%に採用したボディー、さらにサスペンションまで軽量化を徹底。1.2リッター自然吸気エンジン搭載車「XG」で車両重量910kg、1リッター直噴ターボエンジン搭載車「XT」で950kgという軽さを実現している。

新開発プラットフォームに合わせてサスペンションも新設計された。フロントはマクファーソンストラット式、リアはトーションビーム式と形式はオーソドックスだが、これまた軽量化と剛性の向上を両立。欧州で徹底して走り込み、応答性が高く安定感のある操縦性と、長距離ドライブも快適にこなすしなやかな乗り心地を両立させるセッティングを追求したという。

エンジンは2種類。新開発されたK10C型ブースタージェットエンジンは、燃費とパワーの両立を目指した1リッター直3直噴ターボで、1.6リッター自然吸気エンジンに相当する、最高出力111ps/5500rpm、最大トルク16.3kgm/1500-4000rpmを発生。万全の振動・騒音対策によって3気筒ながら優れた静粛性も実現しつつ、JC08モードでリッターあたり20.0kmの燃費を達成した。
もうひとつは、すでに「ソリオ」や「イグニス」に使われている、デュアルインジェクションシステムを採用した、1.2リッター直4自然吸気のK12C型デュアルジェットエンジン。最高出力91ps/6000rpm、最大トルク12.0kgm/4400rpmを発生する。燃費はJC08モードでリッターあたり24.6km。組み合わされる変速機は前者(K10C型)が6段AT、後者(K12C型)がCVTで、駆動方式はいずれもFFのみである。

特徴のひとつとされている安全運転支援機能については、すでに「エスクード」にも採用されている、ミリ波レーダーを用いて前走車を検知し、衝突の回避または衝突時の被害軽減を図るレーダーブレーキサポートII(RBSII)が標準で備わる。また、同じミリ波レーダーで前走車との速度差や車間距離を測定し、あらかじめ設定した速度(約40~100km/h)で前走車との車間距離を保ちながら自動的に加減速し、追従走行するアダプティブクルーズコントロール(ACC)も標準装備。長距離ドライブや高速走行を快適にサポートし、ドライバーの負担を軽減する。

バレーノのグレード構成はシンプルで、K10C型ブースタージェットエンジン(1リッター直3ターボ)搭載のXTと、K12C型デュアルジェットエンジン(1.2リッター直4)を搭載するXGの2車種のみ。ただしXTには本革シート、マルチインフォメーションディスプレイ、マルチリフレクターハロゲンフォグランプなどで構成されるセットオプションも用意される。

価格は、以下の通り。
・バレーノXT:161万7840円
・バレーノXG:141万4800円

(文=沼田 亨)

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