第2戦バーレーンGP「ロズベルグ、5連勝で好発進」【F1 2016 続報】

2016.04.04 自動車ニュース
第2戦バーレーンGPを制したメルセデスのニコ・ロズベルグ(右から2番目)、2位に終わったフェラーリのキミ・ライコネン(一番左)、3位メルセデスのルイス・ハミルトン(一番右)。(Photo=Ferrari)
第2戦バーレーンGPを制したメルセデスのニコ・ロズベルグ(右から2番目)、2位に終わったフェラーリのキミ・ライコネン(一番左)、3位メルセデスのルイス・ハミルトン(一番右)。(Photo=Ferrari)

【F1 2016 続報】第2戦バーレーンGP「ロズベルグ、5連勝で好発進」

2016年4月3日、バーレーン・インターナショナル・サーキットで行われたF1世界選手権第2戦バーレーンGP。メルセデスのニコ・ロズベルグが優勝し、昨季から続く連勝記録を「5」に伸ばした。王者ルイス・ハミルトンは2戦連続してスタートに失敗、新興チームのハースは2連続入賞……。今季導入の新予選方式の是非に揺れるF1だが、コース上でのアクションは、がぜん面白みを増してきている。

スタートで失敗したポールシッターのハミルトン(写真手前右)。この後、バルテリ・ボッタスのウィリアムズと接触し9位まで順位を落とした。ライバルの脱落で、予選2位のロズベルグ(同左)はやすやすとトップに立った。(Photo=Mercedes)
スタートで失敗したポールシッターのハミルトン(写真手前右)。この後、バルテリ・ボッタスのウィリアムズと接触し9位まで順位を落とした。ライバルの脱落で、予選2位のロズベルグ(同左)はやすやすとトップに立った。(Photo=Mercedes)
スタートでのハミルトンの脱落で楽なレース展開となったロズベルグは、開幕2連勝でチャンピオンシップをリード。昨季から数えると、宿敵ハミルトンのベスト記録と肩を並べる5連勝中と波に乗る。(Photo=Mercedes)
スタートでのハミルトンの脱落で楽なレース展開となったロズベルグは、開幕2連勝でチャンピオンシップをリード。昨季から数えると、宿敵ハミルトンのベスト記録と肩を並べる5連勝中と波に乗る。(Photo=Mercedes)

■F1のガバナンスの問題

「F1を盛り上げるために」と、一部反対の声を押し切りシーズン開幕直前に採用された、一定時間後90秒ごとに脱落者をつくる新予選方式。開幕戦オーストラリアでは大方の予想通り失敗に終わり、直後のチーム首脳会談では、満場一致で従来の方式に戻すことになった。しかし、後日に行われた正式な決定プロセスの中では意見がまとまらず、結果、2戦目のバーレーンでも新方式が継続されることになった。

この一連の騒動に対し、ドライバーたちも声をあげた。グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)は公開書簡というかたちで、ルールメイキングを含めたガバナンスに問題があるとして、F1の運営者や全投資家にその改善を求めた。

近年、テレビ視聴率低下など世界的に人気が下降しているといわれるF1は、その魅力を向上させようとさまざまな策を講じてきたが、そのつど内部から自己批判的なコメントが続出するという悪いクセがついている。

1.6リッターターボ+ハイブリッド規定が始まった2014年には、燃費とタイヤをセーブするレースへの異論や、エキゾーストノートが小さいなどとする不満が早々に漏れ、また最終戦に限りダブルポイントという奇策(愚策)が試されたものの、不評を受けてこの年限りで消えた。

今回の「ノックアウト式予選」も、メルセデス独走で面白みに欠ける現状を打破することを狙ったアイデアとされるが、その検討から決定、さらに実施後すぐに従来方式に戻そうとするなど、レースの面白み以前に、ルールの策定で慎重さに欠ける動きが目立つ。

F1を変えていかなければならないという総意があっても、チームや統括管理を任せられるFIA(国際自動車連盟)、商業面を管理するFOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)など当事者の足並みがなかなかそろわないという問題がある。「ビジネス(カネ)や政治的な駆け引きばかりが先行し、スポーツとしての真価向上が後手に回っている」。そう言われても仕方がない、まとまりのなさだ。

2017年には、マシン高速化などを狙ったレギュレーションの大変更が見込まれている。GPDAの言う「F1のガバナンス」の改善は、酷評された予選方式以上に切実な、そして急務な課題である。

バーレーンでの決勝日朝、チーム首脳、FIAジャン・トッド会長、商業面を牛耳るバーニー・エクレストン、ピレリタイヤの代表が再び会合を持ち、従来方式の予選Q1~Q3に戻すものの、2周アタックの総計タイムで順位を決めるという新たな案が協議された。この後、各陣営で継続検討されるという。

開幕戦ではレース中断という事態に対応できず、スタート直後に奪った1-2を維持できなかったフェラーリ。オーストラリアと同じくセバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネン(写真)が2列目に並んだものの、ベッテルのマシンはフォーメーションラップ中に白煙をあげスタート前に戦列を離れた。チームの期待を一身に背負ったライコネンは、スタートでつまずいたものの挽回し、バーレーンで5回目となる2位表彰台を獲得した。(Photo=Ferrari)
開幕戦ではレース中断という事態に対応できず、スタート直後に奪った1-2を維持できなかったフェラーリ。オーストラリアと同じくセバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネン(写真)が2列目に並んだものの、ベッテルのマシンはフォーメーションラップ中に白煙をあげスタート前に戦列を離れた。チームの期待を一身に背負ったライコネンは、スタートでつまずいたものの挽回し、バーレーンで5回目となる2位表彰台を獲得した。(Photo=Ferrari)

■ハミルトン、コースレコードで51回目のポール

開幕戦同様、予選Q3セッションは数分を残して各車アタックを終えてしまった。ポールシッターは2戦連続でメルセデスのルイス・ハミルトン。自身51回目のポールはコースレコードを破る会心の一発だった。0.077秒差で2位に甘んじたのはニコ・ロズベルグで、メルセデスは昨季から続く最前列独占を8連続とした。

セバスチャン・ベッテルが3位、キミ・ライコネンは4位。オーストラリアではスタートで1-2を取るも作戦で自滅したフェラーリは、ここでも奇襲を狙える位置につけた。

この2強の背後にはダニエル・リカルドのレッドブルがつけ予選5位、バルテリ・ボッタス6位、フェリッペ・マッサ7位とウィリアムズ勢が続いた。8位に入ったフォースインディアのニコ・ヒュルケンベルグまでがQ3組、Q2落ちとなったものの、新興ハースのロメ・グロジャンが9位とここでも健闘し、キャリア2年目を迎えたトロロッソ駆るマックス・フェルスタッペンもトップ10入りを果たした。

クラッチパドルがシングルとなりスタートが難しくなったとされる今シーズン。2戦して2回ともスタートで出遅れたハミルトンは、ボッタスとの接触で9位まで順位を落とすも、ダメージを最小限にとどめ、3位でフィニッシュ。(Photo=Mercedes)
クラッチパドルがシングルとなりスタートが難しくなったとされる今シーズン。2戦して2回ともスタートで出遅れたハミルトンは、ボッタスとの接触で9位まで順位を落とすも、ダメージを最小限にとどめ、3位でフィニッシュ。(Photo=Mercedes)

■ベッテル、白煙をあげスタート前にストップ

フォーメーションラップでベッテルのフェラーリが白煙をあげストップ。優勝候補がいきなり戦線を離脱するショッキングな展開で57周のレースは幕を開けた。

スタートでまたしても失敗したのはポールシッターのハミルトン。後方からダッシュを決めたボッタスとターン1で接触して大きく順位を落とした。これでやすやすとトップを奪ったのがロズベルグ。2位にマッサ、3位ボッタス、4位リカルド、5位ライコネン、6位グロジャンと続き、ハミルトンは手負いのマシンで9位から追い上げることとなった。

十数周を終え各車最初のタイヤ交換を終えると、ボッタスが接触の責任を問われドライブスルーペナルティーを受け、マッサも後退し、ウィリアムズ勢が上位から姿を消した。1位ロズベルグの10秒後方に2位ライコネン。3位まで挽回したハミルトンは、ソフトタイヤを履くトップ2と異なる硬めのミディアムを選択し追撃を続けた。

2度目のピットストップで、ハミルトンは一番やわらかいスーパーソフトタイヤを履き、速いペースでライコネンに対し揺さぶりをかけた。翌周フェラーリも反応し同じスーパーソフトでコースに戻ると、2位ライコネンと3位ハミルトンの差は10秒から3秒台にまで縮まっていた。

開幕戦オーストラリアGPでの大事故で肺と肋骨(ろっこつ)にダメージを負ったことが分かったフェルナンド・アロンソにドクターストップがかかり、マクラーレンはストフェル・バンドールン(写真)を代役にたてた。日本でスーパーフォーミュラのテストを行っていたGP2チャンピオンのバンドールンは急きょバーレーンに向かい、予選では大ベテランのジェンソン・バトンを2つ上回る12位。決勝では10位完走。自身のデビューレースで初得点し、チームにも今季初ポイントを献上した。バトンは、マシントラブルでリタイアに終わった。(Photo=McLaren)
 
開幕戦オーストラリアGPでの大事故で肺と肋骨(ろっこつ)にダメージを負ったことが分かったフェルナンド・アロンソにドクターストップがかかり、マクラーレンはストフェル・バンドールン(写真)を代役にたてた。日本でスーパーフォーミュラのテストを行っていたGP2チャンピオンのバンドールンは急きょバーレーンに向かい、予選では大ベテランのジェンソン・バトンを2つ上回る12位。決勝では10位完走。自身のデビューレースで初得点し、チームにも今季初ポイントを献上した。バトンは、マシントラブルでリタイアに終わった。(Photo=McLaren)
	 

■5連勝中のロズベルグ、続けてスタート失敗のハミルトン

レースも終盤に差し掛かった38周目、今度はフェラーリが先に動いた。ライコネンは3度目のピットストップでソフトタイヤを選び、2位を守ってこのままゴールまで走り切ろうとした。トップ3が最後のタイヤ交換を済ませた時点で、1位ロズベルグ、4秒後方に2位ライコネン、フェラーリから16秒遅れて3位ハミルトンというオーダー。ここで表彰台の順位はほぼ確定したといっていい。

一方、その後ろではハースのグロジャンがレースを盛り上げてくれた。アメリカ発のニューチームは、エースドライバーに「スーパーソフトで3スティント走らせる」というアグレッシブな作戦を採らせ、開幕戦より1つ順位を上げて5位入賞を果たした。2戦を終え、グロジャンもチームもランキング5位。ハースは、下位のトロロッソ、フォースインディア、マクラーレン各チームの合算ポイントと同じ18点を獲得する快進撃を続けている。

5連勝中のロズベルグ、続けてスタートを失敗し勝機を逃している王者ハミルトン、メルセデスを出し抜けそうなポジションにいるフェラーリ、今季から幅広い選択が可能となったタイヤをめぐる戦略、そして新興チームの活躍……コースでの話題に事欠かないだけに、予選方式が大問題になっているのがやや滑稽に思える第2戦だった。

シーズン序盤のフライアウェイ3戦目は中国GP。決勝は4月17日に行われる。

(文=bg)

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