トヨタ・プリウスTRD Ver.1(FF/CVT)/トヨタ・ヴェルファイアZA 7人乗り TRDパーツ装着車(FF/6AT)/スバル・レヴォーグ1.6GT-S EyeSight STIパフォーマンスパーツ装着車(4WD/CVT)/スバルXVハイブリッド tSコンセプト (4WD/CVT)

おどろきの変わりっぷり 2016.06.01 試乗記 TRD/STI/NISMO/無限という自動車メーカー直系の4ブランドが、伊豆のサイクルスポーツセンターを舞台に合同試乗会を開催。まずは、TRDがチューンしたトヨタの「プリウス」「ヴェルファイア」と、STIがひと手間加えたスバルの「レヴォーグ」と「XVハイブリッド」の走りを報告する。

新時代のスポーツドライビング ―トヨタ・プリウスTRD Ver.1

ちょっと大げさに聞こえるかもしれないが、まるでSUPER GTのGT300クラスで活躍する「プリウスGT」を運転しているかのような、ワクワクした気分になった。それくらい、この「プリウスTRD Ver.1」のハンドリングはさえ渡っていた。もともと「燃費のよさ」だけじゃなく「走りの楽しさ」をも目指して登場した新型プリウスだが、ワークスの手でチューニングされ、さらに路面に吸い付くようなハンドリングを実現していたのだ。

その要となるのは、エアロパーツ装着による空力性能の向上。特に筆者が感動したのはフロントタイヤの接地性で、これにはちょこんとアゴの張り出したフロントスポイラーが効果を発揮しているという。具体的にはフロントスポイラーの内側に巻き込んだ空気が負圧を生み出し、車体が路面へと吸い寄せられることでタイヤの接地性を高めているというのだ。

またサイドステップは、車体側面における空気の流れを整えながら、それが床下に入り込んで車体をリフトさせることを防いでいる。リアのトランクスポイラーは、テールでの巻き返しによりリアガラス面で発生する空気の渦をはじき飛ばし、リフトを抑制。リアバンパースポイラーは床下の空気を拡散しつつ、リアタイヤ後方に発生する空気を整流、車体の直進安定性を向上させるという。

空力といえば、床下に速い空気の流れを作りだし、これをディフューザーによって吐き出すことで得られるダウンフォースを連想しがちだ。しかしこれを市販車で突き詰めるのは極めて難しい。高いダウンフォースを得るためには極めて低い最低地上高と平らな車体底面が必要だし、一般路の路面は凹凸やうねりがあるため、空気の流れが不安定になりやすい。もちろん横風などの外乱要素も考慮しなければならない。
だからこれまでは巨大なリアウイングや、張り出したスポイラーがポピュラーだった。しかしこれらは大きな空気抵抗(ドラッグ)をも生み出し、燃費を悪化させてしまう。また見た目も派手になりがちだ。

しかしTRDは、局所的なダウンフォースの獲得と、揚力(車体を上に押し上げる力)の低減を上手にミックスして、プリウスのハンドリングを進化させた。加えてMCB(モーションコントロールビーム)なるパーツで、タイヤからの入力振動を減衰しながら、車体剛性を向上させている。

よく聞けばこのエアロ、なんと、本当にGT300での解析データやノウハウを取り入れたものだというではないか。
剛性パーツのレートを過大にアップをすることなく、乗り心地がよいままピュアなハンドリングを実現したTRDプリウスには、新時代のスポーツドライビングを感じた。ぜひとも次はピュアEVで、このコーナリングを体験したいものである。

操縦安定性および乗り心地の向上を目標に、TRDのチューニングパーツが装着されたデモカー「トヨタ・プリウスTRD Ver.1」。
操縦安定性および乗り心地の向上を目標に、TRDのチューニングパーツが装着されたデモカー「トヨタ・プリウスTRD Ver.1」。
モータースポーツ活動で培ったノウハウを生かして開発したというフロントスポイラー。ブラックのアクセントも特徴のひとつ。
モータースポーツ活動で培ったノウハウを生かして開発したというフロントスポイラー。ブラックのアクセントも特徴のひとつ。
「プリウスTRD Ver.1」のリアビュー。リア中央に配置された「ハイレスポンスマフラーVer.S」のデザインが、ノーマルとの違いを強調する。
「プリウスTRD Ver.1」のリアビュー。リア中央に配置された「ハイレスポンスマフラーVer.S」のデザインが、ノーマルとの違いを強調する。

リアエンドに装着されるリアトランクスポイラー(4万4040円)は、ベース車両のものに比べ、35mm後方に伸ばされている。


	リアエンドに装着されるリアトランクスポイラー(4万4040円)は、ベース車両のものに比べ、35mm後方に伸ばされている。
フロントバンパーレインフォースの前と、リアバンパーレインフォースの後ろに装着される「モーションコントロールビーム」(写真中央)。ボディーの剛性を最適化させつつ振動を減衰させることで、スタビリティーと乗り心地を向上させるとうたわれる。写真はフロントのもの。
フロントバンパーレインフォースの前と、リアバンパーレインフォースの後ろに装着される「モーションコントロールビーム」(写真中央)。ボディーの剛性を最適化させつつ振動を減衰させることで、スタビリティーと乗り心地を向上させるとうたわれる。写真はフロントのもの。
 
2016ワークスチューニンググループ合同試乗会(前編:TRD/STI編)【試乗記】の画像

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