「ポルシェ718ボクスター/718ボクスターS」が日本上陸

2016.06.01 自動車ニュース
「ポルシェ718ボクスターS」
「ポルシェ718ボクスターS」

ポルシェ ジャパンは2016年6月1日、同年2月に予約受け付けを開始した「718ボクスター」および「718ボクスターS」を国内で披露した。デリバリーの開始時期は、同年6月下旬から7月上旬になる見込み。

お披露目の会場に並んだ、「718ボクスターS」(写真左)と「718ボクスター」(同右)。
お披露目の会場に並んだ、「718ボクスターS」(写真左)と「718ボクスター」(同右)。
1958年の欧州ヒルクライム選手権をポルシェにもたらした「718RSKスパイダー」。142psを発生する4カムの1.5リッター空冷フラット4をミドシップしていた。
1958年の欧州ヒルクライム選手権をポルシェにもたらした「718RSKスパイダー」。142psを発生する4カムの1.5リッター空冷フラット4をミドシップしていた。
「718ボクスターS」に搭載される、2.5リッター水平対向4気筒ターボエンジン。可変ジオメトリー機構付きのターボチャージャーを備え、最高出力350psを発生する。
「718ボクスターS」に搭載される、2.5リッター水平対向4気筒ターボエンジン。可変ジオメトリー機構付きのターボチャージャーを備え、最高出力350psを発生する。

リアビュー。写真は「718ボクスター」のもの。リアコンビランプのデザインが変更されている。


	リアビュー。写真は「718ボクスター」のもの。リアコンビランプのデザインが変更されている。
「718ボクスター」のインテリア。シートはヘッドレスト一体型。
「718ボクスター」のインテリア。シートはヘッドレスト一体型。

■パフォーマンスも燃費も向上

既報のとおり718ボクスターと718ボクスターSは、エンジンを従来の自然吸気の水平対向6気筒から、水平対向4気筒ターボにダウンサイジングしたことをはじめ、大幅な改良が施されたモデルである。

名称の「718」は、1957年に登場した、4カム1.5リッター/1.6リッター空冷の水平対向4気筒(フラット4)をミドシップしたレーシングスポーツ「718RSKスパイダー」に由来する。デビューから60年代初頭にかけて、ルマンやタルガフローリオなどのスポーツカーレースやヒルクライムで活躍したマシンだが、ディープなポルシェ好き以外にとっては、あまり聞き覚えのない名称ではないだろうか。ジェームズ・ディーンが事故死したことで知られる「550/1500RSスパイダー」の後継モデルといえば、いくらかイメージしやすいかもしれない。

それはともかく、718ボクスターと718ボクスターSの最大のトピックは、前述したとおりエンジンのダウンサイジングである。フラット4ユニットがポルシェに搭載されるのは、フォルクスワーゲンと共同開発したMRスポーツの「914」が76年に生産終了して以来だから、40年ぶり。いや、厳密に言えば914のフラット4はフォルクスワーゲン製だったので、純ポルシェ製フラット4搭載車となると、69年に生産終了した「912」以来、実に46年ぶりとなる。

そのフラット4は、718ボクスター用が2リッターターボ、718ボクスターS用が2.5リッターターボで、後者には可変ジオメトリー機構を用いたターボチャージャーが搭載される。最高出力と最大トルクは、718ボクスターが300ps/6500rpm、38.7kgm/1950-4500rpmで、先代モデルとなる2.7リッターフラット6と比べ35ps、10.1kgmアップ。718ボクスターSは350ps/6500rpm、42.8kgm/1900-4500rpmで、これまでの3.4リッターフラット6より35ps、6.1kgm向上している。
組み合わされるトランスミッションは先代と変わらず、6段MTないし7段AT(PDK)である。

これら新しい心臓によって動力性能は向上し、0-100km/h加速は718ボクスターが4.7秒(先代は5.5秒)で、718ボクスターSは4.2秒(同4.8秒)。最高速度は275km/h(同262km/h)と285km/h(同277km/h)を実現している(いずれも7段PDK仕様のスポーツクロノパッケージ装着車)。つまり新しい718ボクスターは、先代のボクスターSにほぼ匹敵するパフォーマンスを手に入れたというわけだ。

いっぽうでダウンサイジングの効能として欠かせない、燃費性能の向上も果たしている。7段PDK仕様の718ボクスターが欧州複合モードで100km/6.9リッター(約14.5km/リッター。先代は約13.0km/リッター)、718ボクスターSは100km/7.3リッター(約13.7km/リッター。先代は約12.2km/リッター)という具合で、新しい718ボクスターSは、先代のボクスターよりも経済的ということになる。

当日は、「718ボクスター/718ボクスターS」のイメージキャラクターを務める、サッカー選手の南野拓実選手(写真左)も来場。「718ボクスターは、躍動感のあるデザインがいい。俊敏なところは、自分のプレースタイルに似ていますね」などとコメントした。右は、ポルシェ ジャパンの七五三木敏幸社長。
当日は、「718ボクスター/718ボクスターS」のイメージキャラクターを務める、サッカー選手の南野拓実選手(写真左)も来場。「718ボクスターは、躍動感のあるデザインがいい。俊敏なところは、自分のプレースタイルに似ていますね」などとコメントした。右は、ポルシェ ジャパンの七五三木敏幸社長。
フロントまわりは、ヘッドランプやバンパーのデザインが一新された。
フロントまわりは、ヘッドランプやバンパーのデザインが一新された。
トランスミッションは、これまでと同様、6段MTと7段PDKが用意される。
トランスミッションは、これまでと同様、6段MTと7段PDKが用意される。
ステアリングホイール中央の右下に見えるのが、ドライビングプログラムスイッチ。その中央には、スポーツレスポンススイッチが備わる。
ステアリングホイール中央の右下に見えるのが、ドライビングプログラムスイッチ。その中央には、スポーツレスポンススイッチが備わる。
 
「ポルシェ718ボクスター/718ボクスターS」が日本上陸の画像

■大きく手直しされたデザイン

動力性能の向上に対応すべく、シャシーはサスペンションのコイルスプリングやスタビライザーのレートを強化。ダンパーは大径化に伴い特性も最適化している。電動パワーステアリングは先代より10%ほど操舵(そうだ)時の応答性が高められ、サーキットと日常走行の両方において、より俊敏で操縦しやすくなっているという。ブレーキも動力性能の向上に見合うよう格上げされ、718ボクスターが先代ボクスターSの、718ボクスターSが現行「911カレラ」のシステムをベースにしている。

エクステリアデザインは、一見したところでは顔つきが変わったくらいに思えるが、実際は「キャリーオーバーされたのは幌(ほろ)とトランクリッドのみ」というくらい変更されている。フロントまわりは、より大型のクーリングエアインテークやバイキセノンヘッドライトを装備。1眼あたり4灯式のLEDヘッドライトもオプションで用意されている。

ボディーサイドはフェンダーやサイドシルの形状を変更するとともに、2つのフィンを備えた大型エアインレットパネルを採用。新デザインの19インチホイールに加え、20インチホイールもオプションで用意される。リアまわりではテールライトの意匠を変更したほか、左右のテールランプ間に「PORSCHE」ロゴの入ったアクセントストリップを配している。

718ボクスターには、車高を10mm低める「ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム(PASM)」が、718ボクスターSには、車高を20mm低める「PASMスポーツシャシー」がオプション設定される。同じくオプションの「スポーツクロノパッケージ」については、現行911カレラシリーズと同じく、ドライビングプログラムスイッチの中央にスポーツレスポンススイッチが追加された最新式となっている。

またインフォテインメントシステムについても強化が図られており、オプションでオンラインナビゲーションやWi-Fi ホットスポット、Apple CarPlayなどの機能を追加可能な「ポルシェ・コミュニケーションマネージメントシステム(PCM)」が採用されている。

価格は、以下の通り。
・718ボクスター:658万円
・718ボクスターS:852万円

(文=沼田 亨)

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