ポルシェ ジャパンが創立20周年を機に“私たちのミッション”策定

2016.07.02 自動車ニュース
ポルシェ ジャパンの七五三木敏幸代表取締役社長(右)と、ポルシェAGセールス&マーケティング役員のデトレフ・フォン・プラーテン氏(左)。
ポルシェ ジャパンの七五三木敏幸代表取締役社長(右)と、ポルシェAGセールス&マーケティング役員のデトレフ・フォン・プラーテン氏(左)。

ポルシェ ジャパンは2016年7月1日、東京・港区の虎ノ門ヒルズで、「718ケイマン」をお披露目するとともに同社が果たすべきミッションについて発表。当日はポルシェAGセールス&マーケティング役員のデトレフ・フォン・プラーテン氏も来日し、日本市場への期待をアピールした。

ポルシェ ジャパンの歴史について説明する七五三木敏幸社長。
ポルシェ ジャパンの歴史について説明する七五三木敏幸社長。
新型「ポルシェ・パナメーラ」。
新型「ポルシェ・パナメーラ」。

■創立からの20年で販売台数は3倍に

1995年11月に設立されたポルシェ ジャパンは昨年創立20周年を迎え、その間に販売台数を約3倍に伸ばしたという(2015年は6690台 JAIA調べ)。同社代表取締役社長の七五三木敏幸氏は、日本市場の特徴について「『911』をはじめ、2ドアスポーツカーが多くのユーザーに支持され、全モデルの販売に占める割合は昨年44%を記録している。他の国々と比べても、最も高い比率を誇る」と説明。さらに「『カイエン』『パナメーラ』『マカン』という新商品を導入することで、新しいユーザー層にポルシェ車を購入してもらう機会が増えたことも一因だ」と述べ、販売台数、売り上げ、収益共に過去最高の業績を更新している好調の要因を分析した。また、後に登壇したフォン・プラーテン氏も「世界的にみても911の割合が最も高いマーケットのひとつで、戦略的にも重要だ」と日本市場を高く評価した。

同時に、七五三木氏は2016年の新モデル投入計画についても説明。既出の911や「718ボクスター/ケイマン」に続き、年後半にはベルリンでお披露目されたばかりの新型パナメーラの導入も予定していることを発表した。

独ポルシェのデトレフ・フォン・プラーテン氏と、ルマン24時間レースなどで活躍するレーシングカー「ポルシェ919ハイブリッド」。
独ポルシェのデトレフ・フォン・プラーテン氏と、ルマン24時間レースなどで活躍するレーシングカー「ポルシェ919ハイブリッド」。

■魅力的なモデルの投入で経済に貢献したい

ポルシェ ジャパンは、設立20周年を機に、“私たちのミッション”を策定した。これは「ポルシェ ジャパンが将来に向けて、ユーザーにできること。そして、新しいユーザーを開拓するため必要なことは何かを見極めるために、まずはポルシェ ジャパンが一つの企業体、社会の一員として、果たすべきミッションを明確に示さなければならない」という考えから策定されたものだ。

そのミッションとは、「私たちは、お客さまの期待を超えた“歓(よろこ)び”を提供するため、ポルシェブランドへの情熱と革新性をもって、果敢に挑戦し続けていく」というもの。七五三木氏はこれについて「ポルシェ ジャパンが一つの企業体として、社会の一員として果たすべき使命、それがここに表現されている」と説明し、それを実現するための3つの約束を発表した。

そのひとつが「一つの企業体として、また、社会の一員として、日本経済、日本社会に貢献する」というもの。七五三木氏は「魅力的なポルシェを提供し続けることで、日本の消費を刺激していく。日本経済の先行きは見えにくいといわれているが、ポルシェは好調に推移している。ユーザーが期待する“運転する歓び”を提供し続けることで、日本経済活性化の一翼を担う」と述べた。

「カイエンS E-ハイブリッド」
「カイエンS E-ハイブリッド」
2015年9月のフランクフルトショーで発表されたコンセプトカー「ミッションE」。
2015年9月のフランクフルトショーで発表されたコンセプトカー「ミッションE」。

■七五三木氏の思いが詰まった環境への配慮

2つ目の約束は「この美しい国、日本の豊かな環境を守る」。自動車メーカーとして環境への配慮は欠かせないが、そこには七五三木氏のこだわりもあり、「三方が山に囲まれ、四季の移ろいを肌で感じられる故郷に生まれ育った。しかし、海外で仕事をする機会が増えるにつれ、この美しい日本の景色は当たり前のものではないと気付いた」という。

この項目については、具体的に3つの施策が述べられた。そのひとつは、クラシックポルシェへの継続的メンテナンスと、パーツ供給だ。七五三木氏によると、これまでにポルシェが生産した個体の実に70%が現存しているという。クルマを使い捨てにするのではなく、大切に乗り続けていくことも環境保全への取り組みになるという考えから、「ポルシェの財産である、ブランドとヘリテージを大切に守るために、今後も、メンテナンスやパーツ供給のサポートを継続する」とした。

次は、プラグインハイブリッド車の継続的な供給拡大だ。現在、ポルシェ ジャパンは「パナメーラS E-ハイブリッド」「カイエンS E-ハイブリッド」の2モデルを販売。2015年の販売比率は6%弱だったが、これを2016年か、遅くとも2017年には10%まで引き上げたい考えだ。

最後はゼロエミッションカー「ミッションE」の導入だ。七五三木氏は、これにより「環境への配慮はもちろん、ポルシェが提供するスポーツカーを運転する楽しみを提供し続ける」と述べた。

ポルシェ カレラカップ ジャパンの様子。
ポルシェ カレラカップ ジャパンの様子。

■ポルシェ ジャパンの理念に共鳴して、クルマを選んでほしい

3つ目の約束は「スポーツカーメーカーらしく、楽しくて、歓びあふれるドライビング体験の提供」というもので、こちらもいくつかの施策が発表された。まずはユーザーへのスポーツドライビング体験の提供である。現在、ポルシェ ジャパンでは年間14回ポルシェスポーツドライビングスクールを開催しており、年間のべ500名が参加しているというこのイベントを、継続して開催していくことがアナウンスされた。

次に挙げられたのが、継続的なモータースポーツ活動へのサポートだ。七五三木氏は、今年で16年目を迎えるポルシェ カレラカップ ジャパンや、今年からポルシェ ジャパンが主催しているポルシェGT3カップチャレンジなどを通し、「スポーツドライビングの楽しさ、あふれ出る歓びを感じてもらう」と語った。

質疑応答にて報道陣の質問に回答する七五三木敏幸社長。
質疑応答にて報道陣の質問に回答する七五三木敏幸社長。

説明会の最後、質疑応答において今回のプレゼンテーションや企業ミッション策定の意義について問われた七五三木氏は、「新たなテクノロジーやピュアEVカーなどを投入した時に、企業体としてなぜこのモデルを世に問うたのか、購入してもらうのか、そういうメッセージをきちんと出せなければ、今後のポルシェの販売は立ちいかないと考えている。従って、もっとポルシェ ジャパンを知ってもらいたい。われわれが誰で、何をしていて、これからどうしたいか。そして、できればわれわれの今後の施策、商品に共鳴してクルマを選んでもらいたい」と回答。企業としての存在をさらに明確にしていく考えをこのミッションに込めた。

(文=内田俊一/写真=内田俊一、ポルシェ ジャパン、webCG)

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