トヨタ・プリウスTRD Ver.1(FF/CVT)

すべての事象に理由がある 2016.07.27 試乗記 空力パーツや専用チューニングのサスペンション、ボディーの補強パーツなど、いたるところにTRDの用品が装着された「トヨタ・プリウス」のデモカーに試乗。個々のチューニングの効果と、それらが織り成すクルマ全体のドライブフィールをリポートする。

MCBのコストパフォーマンスは高い

ものすごくいいクルマでオススメかときかれたら答えは「……」だけど、少なくとも旧型比では“地雷度”は低下した。今度のプリウス、運転するものとしてヨリまともになった。そのかぎりにおいてはメデタイ。大いにメデタイといってもいい。なにしろ、このクルマは数売れるから。売れてるから。1台しか買われなかったクルマがたとえどんなにヒドくても不幸の総量はタカが知れているけれど、ジャカスカ買われまくっているクルマがちょっとでもよくなれば、全体のヨカッタ度はメガトン級にアップする。少なくとも、方向としては。トヨタにとってヨイことは日本にとってもヨイことである……かどうかはわからないけれど、プリウスがヨくなれば日本のモータリングの世界の状況はヨくなる……と思う。

例えば車体関係。旧型はブルブルやワナワナやユサユサのカタマリだった。さしずめ強風にあおられるバラック小屋。そこへさらに地震襲来。あれと比べたら、今度のはちょっとした天国。ただしその天国、ブワついたこもりが走行中、床のあたりにずっといて……だったのが、今回のTRD物件ではそのブワブワが消えている。おお、これがMCB(Motion Control Beamの頭文字)の威力なのか!?

なおMCB、簡単にいうと車体用のダンパーである。振動減衰装置。振動を熱に変換して振動にブレーキをかける装置。そういうものとしてはヤマハのパフォーマンスダンパーが一部では有名だけど、あちらがハイドロリック、つまりアブラを使ったタイプであるのに対してメイド&サプライドbyアイシン精機のこちらはフリクションダンパーで、つまりクーロン摩擦のチカラをダンピングフォースとして使っている。いわゆるスティック&スリップ、すなわち静摩擦で動かずにガチッと固まっている状態から動摩擦の状態へ移行してズルッと突然動く(動いちゃう)現象がでないようにするためということか、皿バネも直列で組みこんである。ちなみにお値段、2本セットで8万6400円。これがサスペンション用のダンパーだったら4本必要で1台ぶん合計17万2800円になってしまうけど、MCBは1台に2本で十分(?)ですよ。モノコックの前後端に取り付ける。

現行型「プリウス」の各種用品について、TRDは「HYBRID SPORTS OF NEXT GENERATION」をキーワードに開発を行ったという。
現行型「プリウス」の各種用品について、TRDは「HYBRID SPORTS OF NEXT GENERATION」をキーワードに開発を行ったという。
インテリアについては大きな変更はない。ベース車は「A“ツーリングセレクション”」なので、各所に白い装飾パーツが用いられている。
インテリアについては大きな変更はない。ベース車は「A“ツーリングセレクション”」なので、各所に白い装飾パーツが用いられている。
内装における数少ない変更点のひとつである、赤いプッシュスタートスイッチ。「TRD」のロゴが施されている。
内装における数少ない変更点のひとつである、赤いプッシュスタートスイッチ。「TRD」のロゴが施されている。
デモカーに装備されていた「MCB(モーションコントロールビーム)」。ボディーの剛性を最適化し、振動を抑制する効果を持つ。
デモカーに装備されていた「MCB(モーションコントロールビーム)」。ボディーの剛性を最適化し、振動を抑制する効果を持つ。

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