【SUPER GT 2016】フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが見事な逆転優勝

2016.07.25 自動車ニュース
SUPER GTの第4戦で優勝した、左からNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rの柳田真孝選手と佐々木大樹選手、No.31 TOYOTA PRIUS apr GTの中山雄一選手と嵯峨宏紀選手。
SUPER GTの第4戦で優勝した、左からNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rの柳田真孝選手と佐々木大樹選手、No.31 TOYOTA PRIUS apr GTの中山雄一選手と嵯峨宏紀選手。

2016年7月24日、SUPER GT第4戦の決勝レースがスポーツランドSUGO(宮城県)で開催され、GT500クラスはNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/柳田真孝)が、GT300クラスはNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一)が、共に巧みなレースを行い逆転の勝利を手に入れた。

予選でのアクシデントにより、スターティンググリッドの上位にGT-Rの姿はなし。9番グリッドのNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが、GT-R勢では最上位からのスタートとなった。
予選でのアクシデントにより、スターティンググリッドの上位にGT-Rの姿はなし。9番グリッドのNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが、GT-R勢では最上位からのスタートとなった。
GT500クラスのスタートシーン。ポールスタートのNo.6 WAKO'S 4CR RC Fが第1コーナーに進入する。
GT500クラスのスタートシーン。ポールスタートのNo.6 WAKO'S 4CR RC Fが第1コーナーに進入する。

■“強い”GT-RがQ2に不在!? 王者MOTULが痛恨のクラッシュ

“魔物がすむ”が枕詞(まくらことば)になるほど、スポーツランドSUGOは波乱のレースが多い。今年も予選からハプニングが発生した。Q1のラストアタックでNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)が、SPインコーナーでクラッシュ。80kgのウェイトハンディでも「クルマはQ1突破を狙える手応えがあった。SUGOで上位を得るには最低でもQ1をクリアする必要があった」と言うクインタレッリだが、それ故の限界アタックが裏目に出たわけだ。

王者の失態のあおりを食らったのは、他のGT-R勢だった。このクラッシュで赤旗となり、Q1は終了。同じ周にアタックをしていたNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信)は6番手とQ1クリアのタイムを出したが、それが取り消されて13番手。トランスミッションが不調だったNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(柳田真孝)も9番手、午前の練習走行は2位だったNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(千代勝正)はアタックの機会を逸して12番手。なんと4台のGT-Rが、Q1で姿を消してしまった。

波乱の予選でポールポジションを獲得したのは、No.6 WAKO'S 4CR RC Fの大嶋和也。1分10秒516の新コースレコード(従来は1分11秒607)をたたき出した。ここまで思うような走りができなかったNSX CONCEPT-GT勢が新エンジンを投入し、戦闘力アップ。予選2位にNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大)を送り込んだ。

No.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平)は8番スタートから猛烈な追い上げを見せ、2位を獲得した。
No.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平)は8番スタートから猛烈な追い上げを見せ、2位を獲得した。
一時はトップを走っていたNo.38 ZENT CERUMO RC F立川祐路石浦宏明)だが、最後は赤旗に泣き、結果は3位となった。
一時はトップを走っていたNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)だが、最後は赤旗に泣き、結果は3位となった。
GT500クラスで優勝したNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。
GT500クラスで優勝したNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。

■タイヤ無交換が成功! No.24佐々木が逃げ切ってGT-R 3連勝

決勝日、午前のフリー走行は小雨だったが、その後に上がる。コースは乾いたものの路面温度は23度とかなり低く、極めて滑りやすい難しい状況だ。これもあってか、ポールスタートのNo.6 WAKO'S 4CR RC F(アンドレア・カルダレッリ)をはじめ、接触やスピンするマシンが続出。この中で本領を発揮したのが、No.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fのヘイキ・コバライネンとNo.19 WedsSport ADVAN RC Fの関口雄飛だ。予選8、14番手の2人は猛烈な追い上げで、24周目にはトップのNo.38 ZENT CERUMO RC F(石浦宏明)も抜いて、激しいトップ争いを演じた。

だが、26周目にGT300車両がクラッシュし、セーフティーカー(SC)が導入される。今季はSC中のピットインができない。そこでSCが退出した30周に動きが。予選9位から6番手まで上げていたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(柳田真孝)が早めのピットイン、しかもタイヤ無交換作戦を選択する。チームは当初から柳田にタイヤマネジメントを指示しており、近藤真彦監督は「行ける」と決行した。結果、上位陣がピットインを終えると、24号車の佐々木大樹が39号車(平手晃平)、38号車(立川祐路)を従えてトップとなった。

しかし残り10周を切ると24号車のタイヤは厳しくなり、2台のRC Fが背後に迫る。「こちらはストレートで速かったので、もし抜かれても最後のストレートで抜き返せると思っていた」とは佐々木。3番手で追う立川は「(2台を)抜くイメージはできていた」と、レースはクライマックスに突入するかに見えた。

だが、この日の“魔物”はGT-Rの味方だった。ラスト6周、GT300車両が最終コーナーでクラッシュ。ドライバーは無事も、タイヤバリアーなどが壊れたために危険と判断され、赤旗でレースは中断、結局このまま終了となった。これでNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rにとっては2015年8月の第4戦以来の優勝。日産GT-Rとしては3連勝となった。また規定により最終順位は赤旗の1周前となり、39号車を抜いた38号車の2位は幻となった。

No.25 VivaC 86 MC
No.25 VivaC 86 MC
No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT
No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT
No.31 TOYOTA PRIUS apr GT
No.31 TOYOTA PRIUS apr GT

■JAF-GT同士の激闘をTOYOTA PRIUS apr GT 31号車が制する

テクニカルなスポーツランドSUGOは、サスペンションやギアの設定に幅のあるJAF-GT300やマザーシャシー勢が有利だ。予選でもトップ4をこれらのマシンが独占。ポールポジションは、No.25 VivaC 86 MCの松井孝允が、コースレコード(1分19秒076)を大幅に短縮する1分17秒493の好タイムでうれしいSUPER GT初獲得となった。

決勝も予選トップ3の25号車、No.31 TOYOTA PRIUS apr GT、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORTが熱戦を展開。レース前半は25号車の土屋武士が、31号車(嵯峨宏紀)に一時7秒弱の差をつけるも、SCが入ってこのマージンはリセット。レース後半には、No.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学)がタイヤ無交換でトップとなるも、タイヤが厳しくなるとペースダウン。終盤は31号車の中山雄一、25号車の松井、61号車の井口卓人の接戦になるが、抜け出したNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTが今季初優勝を飾った。

第5戦は舞台を再び静岡県の富士スピードウェイに移し、8月6~7日に開催される。

(文=古屋知幸/写真提供 GTA)
 

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