【オートモビル カウンシル2016】スバル、エンジンを通して自社の歴史を振り返る

2016.08.05 自動車ニュース
「オートモビル カウンシル2016」のスバルブースの様子。

富士重工業が、千葉・幕張メッセで開催されている「オートモビル カウンシル2016」に、同社製品の特徴である水平対向エンジンをテーマとしたブースを出展。開幕初日の2016年8月5日にプレスカンファレンスを実施した。

「栄21エンジン」
昭和18年(1943年)12月製造。栄21型エンジン。制式名称:「2式1150発動機」(呼称ハ115)。2列星形14気筒。1段2速ギア駆動遠心式過給機。直径1150mm。乾燥重量590kg。ボア130mm×ストローク150mm。排気量27.9リッター。離昇出力1130hp。

スバル国内営業本部マーケティング推進部担当部長の中村亜人氏。
スバル初の水平対向エンジン搭載車である「スバル1000」。
「EA52」型エンジン。
「FB20」型エンジン。
新型「インプレッサ スポーツ」のプロトタイプ。

■日本の航空史に輝く名機「栄」エンジンを出展

オートモビル カウンシル2016のスバルブースの展示は、自らのルーツを探るような内容であった。

ブースの中央に設置された展示の目玉は、なんと空冷星形エンジンの「栄」。昭和18年(1943年)製の栄21型(ハ-115)で、空冷2列14気筒、総排気量27.9リッター、離陸出力1130hp。スバルのルーツである中島飛行機が開発し、昭和14年(1939年)に採用され、数多くの機体に搭載された航空機エンジンだ。シリーズとして2万基以上が生産され、日本航空機史上最も多く生産された名機である。

「私たちが水平対向エンジンを採用したのは、星形エンジンの技術があったからこそ」と、プレゼンテーションに立つスバル国内営業本部マーケティング推進部担当部長の中村亜人氏は説明する。「今回、われわれスバルブースのテーマは『スバル・ボクサー誕生50周年』です。ブースは小ぶりですが、われわれの大切なヘリテージがつまっております」

中村氏は、まずスバルのルーツとなる中島飛行機を説明する。中島飛行機の前身となる飛行機研究所は1917年の創設。つまり、来年は創業100周年の節目の年となる。

「中島飛行機はエンジンや機体を独自開発する高い技術力と、従業員25万人を擁する世界有数の航空機メーカーでした。富士重工となった後も自衛隊の練習機やヘリコプターなどを開発したり、ボーイング787の主翼などの開発製造を行ったりしています。航空機メーカーがルーツだからこそ、スバルとして変わらぬモノ作りの思想があります。それが乗りものとしての機能の本質を追究すること。これがスバルのDNAです」

続いて中村氏は、スバルの自動車作りの原点を振り返った。スバルの自動車開発の歴史は、大衆車として日本のモータリゼーションの夜明けに大きく貢献した「スバル360」に始まる。そして1966年誕生の「スバル1000」にて“スバル・ボクサー”の歴史がスタートした。

「当時、普通乗用車に求められた広い室内空間を実現することが、ひとつの大きな開発目標でした。そこでスバルは生産設備などの制約を取り払い、合理的なパワートレインを追求した結果、FFレイアウトの採用を決断します。FFレイアウトが決まれば、次はエンジンをどうするかです。目標とした広い室内空間と運動性能を両立するエンジンは何なのか? 技術的目線、性能面から考えて水平対向エンジンの採用という結論にいたったのです」

その技術的なルーツとして、ブースの中央に栄エンジンが用意されたというのだ。そして栄エンジンを挟むようにして、その左右に同社最初の水平対向エンジンである「EA52」型と、最新の水平対向エンジンの「FB20」型が展示された。

また、車両についてもスバルとして初めて水平対向エンジンを搭載した「スバル1000デラックス」(1967年)と、市場投入秒読みとなった新型「インプレッサ スポーツ」のプロトタイプを出展。スバルのクラシックとモダンが並び、スバル・ボクサーエンジン50年の歴史を感じさせるブース構成となっていた。

(文と写真=鈴木ケンイチ)

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