【SUPER GT 2016】カルソニックIMPUL GT-Rが第5戦富士を制す

2016.08.08 自動車ニュース
第5戦富士を制した、安田裕信/J.P・デ・オリベイラ組のNo.12 カルソニックIMPUL GT-R
第5戦富士を制した、安田裕信/J.P・デ・オリベイラ組のNo.12 カルソニックIMPUL GT-R。

2016年8月7日、SUPER GTの第5戦が富士スピードウェイで開催され、GT500クラスはNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/J.P・デ・オリベイラ)が、GT300クラスはNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/小林崇志)が勝利した。

晴天に恵まれた富士スピードウェイ。8月の暑さにも負けず、多くのファンが詰めかけた。
晴天に恵まれた富士スピードウェイ。8月の暑さにも負けず、多くのファンが詰めかけた。
GT500クラスのスタートシーン。ポールポジションのNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rが序盤からレースをけん引した。
GT500クラスのスタートシーン。ポールポジションのNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rが序盤からレースをけん引した。

GT500クラス表彰式の様子。今回は、2位と3位の座をホンダ勢が占めた。


	GT500クラス表彰式の様子。今回は、2位と3位の座をホンダ勢が占めた。

■勝つべくして勝つGT-R

No.12 カルソニックIMPUL GT-Rが第5戦富士大会を制した結果、中止となった第3戦オートポリス大会を挟み、これで日産勢が開幕4連勝を果たす格好となった。

これだけでも今シーズンのGT-Rがどれだけ強いかがわかろうというものだが、本当に驚くべきは、ポイントリーダーで84kgのハンディウェイトを積んで本大会に臨んだNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が前日の予選で3位に食い込んだうえ、決勝レースでも3位とコンマ3秒差の4位でフィニッシュした点にある。
さらに、同じ日産勢で30kgのハンディウェイトを搭載していたNo.46 S Road CRAFTSPORTS MOLA GT-R(本山 哲/千代勝正)も予選2位と健闘したうえ、決勝レースでも不運なアクシデントでリタイアに追い込まれるまで2番手につけていたのだから、日産勢の実力は圧倒的というしかない。

GT-Rが富士で速い理由については、同じく富士で開催された今シーズン第2戦のリポートでも触れたとおり、富士向けに用意したローダウンフォース、ロードラッグのエアロダイナミクスパッケージの完成度が際立って高いうえに、エンジンの中低速トルクが強力なことにあるとされる。
しかも、DTMと共通化された現行レギュレーションでは、2014年シーズンにホモロゲーションを取得したマシンの大規模な開発が認められていないため、それから3年目の今年も、レクサスとホンダは指をくわえたまま日産勢の活躍を見ていなければならない。メーカー間のダイナミックな争いを楽しむという意味からいえば、このレギュレーションは百害あって一利なしといえるだろう。

2位でゴールした塚越広大/小暮卓史組のNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT
2位でゴールした塚越広大/小暮卓史組のNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT。

No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは、予選7位からのスタートにも関わらず、3位の座を獲得した。


	No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは、予選7位からのスタートにも関わらず、3位の座を獲得した。
28台が出走したGT300クラス。No.55 ARTA BMW M6 GT3とNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMSが、激しいバトルを展開した。
28台が出走したGT300クラス。No.55 ARTA BMW M6 GT3とNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMSが、激しいバトルを展開した。
GT300クラスで勝利した、No.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/小林崇志)
GT300クラスで勝利した、No.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/小林崇志)。
No.21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、接戦をものにできず。予選と同じクラス2位でレースを終えた。
No.21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、接戦をものにできず。予選と同じクラス2位でレースを終えた。

■ホンダはエンジン開発が奏功

本大会で2位と3位に入ったのは、ホンダ陣営のNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史)とNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也)。予選順位がそれぞれ4位と7位だった彼らがここまで躍進できたのは、2台の奮闘もさることながら、前述のNo.46 S Road CRAFTSPORTS MOLA GT-Rと、5番グリッドからスタートした同じホンダ陣営のNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀/オリバー・ターベイ)がいずれもアクシデントで姿を消した影響が大きい(後者のリタイアは、GT300クラス車両に追突されてサスペンションにダメージを負ったのが原因)。

それにしても、今年の開幕戦では予選最後尾の11~15位を独占し、「GT500クラスともGT300クラスとも異なる“ホンダクラス”を形成した」と揶揄(やゆ)されたNSX勢がここまで躍進した原動力はどこにあったのか?

前述のとおり、現行レギュレーションでは一度ホモロゲーションを取得したエアロダイナミクスを向上させるのは事実上、不可能。一方のエンジンには開発の余地が残されているものの、エンジンパワーよりもエアロダイナミクスのパフォーマンスのほうがはるかに貢献度が大きいとされる現代のレーシングカー開発において、エンジンのパワーアップで得られる進化には限界がある。
それでも、ホンダは諦めることなくこの領域に注力。さらにシーズン中に1度だけ行える新スペックエンジンの投入を日産やレクサスよりも1戦早い第4戦菅生大会で実施し、その性能を余すことなく引き出した結果が、今回の成績に結びついたといえるだろう。

一方のレクサスは新エンジンを投入した今回も振るわず、予選では8位に滑り込んだNo.19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛/国本雄資)がトップ、決勝レースではNo.36 au TOM'S RC F(伊藤大輔/ニック・キャシディ)の5位が最上位という結果に終わった。

GT300クラスは、予選でフロントローを分け合ったNo.55 ARTA BMW M6 GT3とNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/藤井誠暢)が終始トップ争いを展開。最後は0.1秒差でポールシッターのNo.55 ARTA BMW M6 GT3が優勝し、今季初の栄冠を手に入れた。2位はNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS、3位は4番グリッドからスタートしたNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)だった。

次戦は8月27~28日に開催される、鈴鹿1000kmとなる。

(文=小林祐介/写真提供 GTA)

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