第6回 火を吹く中トロ

2016.08.30 エッセイ

やっぱり“トロ”が食いたい!

いったいなぜ私は、バカ当たりの激速だった欧州仕様「328GTS」を1年余りで買い替えてしまったのか。なぜ私にはヒストリックカー趣味が欠落しているのか!?

それについて自ら熟考を重ねたが、詰まるところ「お子ちゃまだから」であるらしい。すし屋に行けばいまだにトロを食いたいということだ。

実際の私はすし屋に行けばトロなんざ一貫たりとも食わず、白身や光り物ばっかり食っている。50代にもなって大トロとか食う中高年はあまり尊敬されないだろうし……。

いや、別に尊敬されたくて白身を食ってるわけではないが、というより回っていないすし屋には長らく足を向けていないが、カーマニアの世界でも「トロ食い=お子ちゃま」の法則は当てはまろう。いい年こいて「500psオーバーじゃなきゃスーパーカーじゃないっす!」なんてほざいていたら、世間的な尊敬は勝ち取れまいて。

がしかし私は、すしをはじめとして他の部分ではすっかり枯れているにもかかわらず、なぜかフェラーリに関してのみトロを求めてしまう。もちろん大トロすなわちスペチアーレは予算の関係で視野の外にあるが、可能なら中トロくらいに行ってみたいらしいのである。

ここ長らく、すし屋はもっぱら回転ずしである。(写真=池之平昌信)
実際、すし屋で好んで食うのは、白身や光り物。齢(よわい)54、すっかり枯れているので、トロは食わない。
フェラーリに関しては、なぜかお子ちゃま嗜好。“中トロ”くらいは行ってみたいという野望がある。

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清水 草一

清水 草一

お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本唯一の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算44台、うち10台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。