【スペック】全長×全幅×全高=4710×1795×1390mm/ホイールベース=2765mm/車重=1800kg/駆動方式=FR/6.2リッターV8DOHC32バルブ(487ps/6800rpm、61.2kgm/5000rpm)/価格=1085万円(テスト車=1252万円)

メルセデス・ベンツC63 AMGクーペ(FR/7AT)【試乗記】

スポーツカーそのもの 2011.10.31 試乗記 メルセデス・ベンツC63 AMGクーペ(FR/7AT)
……1252万円

500psに迫る強心臓をもつ“2ドアのCクラス”が日本上陸。その実力はいかほどのものなのか? ワインディングロードで試した。

快楽のパワートレイン

箱根山中のワインディングロード。コーナーに侵入し、ブレーキを残していると、クリッピングポイント手前でV8がひときわ吠えた。
おお、ここでダウンシフトしてくれるとは! 電光石火、正確無比。ダブルクラッチによる衝撃、いっさい皆無。下手の横好きのダブルクラッチとはダブルクラッチが違う。絶妙のタイミングでもって、レッドゾーンのはじまる7200rpm近くまで回転計のニードルが跳ね上がる。文字通り機械の正確さで完遂される、本物のダブルクラッチ。「AMGスピードシフトMCT 7スピード・スポーツ・トランスミッション」という長い名前のマシンがすなる芸術的自動演奏にほれぼれしながら、アクセルペダルをガバチョと踏み込む。

低燃費モードも備えるこのオートマチックギアボックスは、SまたはS+にすると、あっぱれなダブルクラッチによる自動ダウンシフトを披露し、レヴリミット手前での名人芸を見せるや、名機の誉れ高い自然吸気6.2リッターのメルセデスAMG製156型ユニットが完璧に調律された8本のシリンダーと管楽器たるエグゾーストによる打楽器系サウンドでもって、ドライバーを陶酔の境地へと誘う。野生の魂が呼び覚まされる。こいつはスゴい!

なぜ、こんなにすばらしいのか? ひとつにはこの個体がパフォーマンスパッケージであるためだろう。車両価格1085万円を支払える者なら、その1割以上に相当する125万円の高額オプションとはいえ、ゆめゆめこれを惜しんではならぬ。そもそもスゴい457psを30psばかり向上させることにどんな意味があるのか?
気持ちがイイのである。より大きな快楽に代償が伴うのは当然のことだ。しかしてこれは、自動車という現代アートに1000万円以上を投ずることができる現代の数奇者にとって、けっして高くはあるまい。

運転席まわりの様子。オプション「AMGカーボンインテリアトリム」付きのテスト車には、カーボンのインストゥルメントパネルやドアパネルが備わる。
メルセデス・ベンツC63AMGクーペ(FR/7AT)【短評】
標準で457psを発生する6.2リッターV8エンジン。「パフォーマンスパッケージ」を選択すると「SLS AMG」と同じ鍛造ピストンやコンロッド、軽量クランクシャフトがあてがわれ、最大トルクはそのまま、最高出力は30ps増しの487psにアップする。
メルセデス・ベンツC63AMGクーペ(FR/7AT)【短評】
4本出しのマフラーエンドやバンパー下部のディフューザーは、セダンやワゴンの「C63 AMG」にも見られるディテールである。
メルセデス・ベンツC63AMGクーペ(FR/7AT)【短評】

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