BMWが自動運転に関するプレゼンテーションを実施

2016.10.20 自動車ニュース
会場で流れた自動運転車のイメージ映像。
会場で流れた自動運転車のイメージ映像。

BMWは2016年10月20日、東京・台場の「BMW GROUP Tokyo Bay」において、自動運転車の国際的動向に関するプレゼンテーションを行った。

質疑に答えるBMW本社のボレス氏。ドイツ連邦議会が2030年に内燃機関の販売を停止する決議をしたことについて意見を求められ、「充電インフラの整備がなされていなければ、絵に描いた餅になってしまうだろう」と語った。
質疑に答えるBMW本社のボレス氏。ドイツ連邦議会が2030年に内燃機関の販売を停止する決議をしたことについて意見を求められ、「充電インフラの整備がなされていなければ、絵に描いた餅になってしまうだろう」と語った。
三菱総合研究所の杉浦孝明氏は「自動運転車は、人口集積が進む都市部の移動の効率化と、過疎化が進む郊外部の移動手段の確保の両面で意義がある」と語った。
三菱総合研究所の杉浦孝明氏は「自動運転車は、人口集積が進む都市部の移動の効率化と、過疎化が進む郊外部の移動手段の確保の両面で意義がある」と語った。
会場で見られた映像の一場面。「ドライバーは運転をクルマにゆだねて、自身はビデオ会議に参加している」という設定。
会場で見られた映像の一場面。「ドライバーは運転をクルマにゆだねて、自身はビデオ会議に参加している」という設定。
同じく映像の一場面。「リモート操作で車両を駐車して、そのわずかな時間にクライアントとのミーティングを済ませることができる」の図。
同じく映像の一場面。「リモート操作で車両を駐車して、そのわずかな時間にクライアントとのミーティングを済ませることができる」の図。

今回のプレゼンテーションでは、主に自動車の自動運転を取り巻く環境やインフラの側面を中心とした国際的動向に焦点が当てられた。

プレゼンテーションを行ったBMW本社の渉外担当マイク・ボレス氏は、最初に自動運転のメリットを紹介した。自動車事故の9割以上は、渋滞中のイライラなどが引き起こすヒューマンエラーが原因であり、機械的な問題による事故は全体の1%にすぎないとし、自動運転はまずそのヒューマンエラーの防止に大きく役立つだろうと語った。

次に、移動時間の有効活用を挙げた。1年間に自動車での移動に費やされる時間は、たとえば北京の生活者の場合で264時間、マンハッタンでは240時間に上るという。この時間を仕事や読書などに用いることで、生産性が大きく向上すると述べた。さらに、自動運転車のカーシェアリングが進めば、運転を終えたユーザーから、次のユーザーのもとへとクルマが自動で移動することも可能になると述べた。

自動運転には運転支援システム搭載の「レベル1」、部分的な自動運転が可能となる「レベル2」、高度な自動運転ができる「レベル3」、完全な自動運転ができる「レベル4」、ドライバーすら不要となる「レベル5」に区分けされている。現在、自動運転や運転支援システムを取り入れているほとんどのメーカーは、まだ運転支援システム搭載の段階にとどまっているとボレス氏。また、このレベルを引き上げていくためには、「高度かつ安価なハードウエア」「コネクティビティーマネジメントシステム」、および「コンピューターの計算能力の向上」が不可欠であると述べた。

それらに加えて、センサーカメラによる360度監視システムや、障害や危険物の避け方を学習したソフトウエア、誤差を5cm以下に抑えた高品位のマップなどを活用することで、自動車が目的地までの最適なルートを導き出し、自動でたどり着くことが可能になると語った。

会場では実際に自動運転車がある生活をイメージした映像が用意され、自動運転に任せて車中でビデオ会議に参加したり、駐車をリモート操作で行ったり、シェアカーが次のユーザーのもとに走り去ったりするシーンなどが紹介された。ボレス氏によれば、いくつかのテクノロジーは数年以内に実現するという。

プレゼンテーション終了後は、ボレス氏と三菱総合研究所の次世代インフラ事業本部スマートインフラグループのリーダー杉浦孝明氏とのディスカッションが行われた。杉浦氏の「自動運転車が登場した背景は?」という問いに対して、ボレス氏は交通の渋滞や駐車スペースの不足などを挙げ、自動運転化が進むことで、同じインフラ上でもモビリティーの質が向上するのではないかと答えた。また、杉浦氏は、これまでの自動車技術の進化とは異なるレベルで、自動運転の進化は社会そのものを変化させるだけの力があると述べた。

(webCG 藤沢)

 

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