快適なのはスポーツモード

実はこのモデルには、前述のパワーユニットと並んで、大きな見どころとなる新テクノロジーがある。「エアボディーコントロールサスペンション」と呼ばれる、マルチチャンバーを用いた新開発のエアサスペンションがそれだ。

フロントアクスル用に2つ、リアアクスル用には3つ、サイズの異なるエアチャンバーを採用するのが“マルチ”という名の由来。これにより、スプリングの特性を多彩に変化させ、メタルスプリングではまねのできない、はるかに自由度の高いチューニングが可能になったという。

そんな新しい脚を採用するこのE400で走り始めるや、予想だにしなかったフットワークのテイストに驚かされた。ドライブモードを、事実上のデフォルトと考えられる「C(コンフォート)」にセットして走り始めると、フワンフワンとボディーの動きが大きく、ダンピングも甘めの印象。それはまさに、かつてたびたび表現された「エアサス風の乗り心地」であり、ゆえに端的なところ「全くメルセデスらしくない」テイストでもあったのだ。恐らく、この状態で目隠しテストでもやらされたら、自分が乗っているのがメルセデスであるとは誰も言い当てられないはずだ。本当にこれを快適な乗り味と考えたのか、ぜひとも開発者にその真意を問いたいところである。

というわけで、個人的にはこのポジションではなく、取扱説明書上で「引き締まったサスペンション制御」と紹介されている「S(スポーツ)」モードの方がはるかに気に入った。新型Eクラスは、そもそもE200系でも静粛性に優れるものの、E400がさらにロードノイズの遮断性などの点で上回るように感じられるのは、エアサスペンションの働きによるのかもしれない。

新型「Eクラス」には、ウインカーを2秒以上点滅させると、安全を確認しつつ自動的に車線変更を行う「アクティブレーンチェンジングアシスト」が備わる。
新型「Eクラス」には、ウインカーを2秒以上点滅させると、安全を確認しつつ自動的に車線変更を行う「アクティブレーンチェンジングアシスト」が備わる。
あらかじめ用意される走行モードのほかに、ステアリングやサスペンションの特性を自分好みに変えられる。写真はその設定画面。
あらかじめ用意される走行モードのほかに、ステアリングやサスペンションの特性を自分好みに変えられる。写真はその設定画面。
スポーティーなデザインとアピールされるリアシート。背もたれは3分割の可倒式で、長尺物の積載にも対応する。
スポーティーなデザインとアピールされるリアシート。背もたれは3分割の可倒式で、長尺物の積載にも対応する。
トランクルームの容量は、5人乗車時で540リッター。フロアの下にも予備の収納スペースが確保される。
トランクルームの容量は、5人乗車時で540リッター。フロアの下にも予備の収納スペースが確保される。

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

Eクラス セダンの他の画像を見るためには、写真一覧をご覧ください。

関連記事
  • メルセデスAMG E63 S 4MATIC+(4WD/9AT)【海外試乗記】 2017.1.7 試乗記 新型「メルセデス・ベンツEクラス」のラインナップに加わった最強モデル「メルセデスAMG E63 S 4MATIC+」に試乗。Eクラス史上最強の612psを誇るスーパーサルーンの走りをポルトガルの公道とサーキットでチェックした。
  • メルセデス・ベンツE400 4MATICエクスクルーシブ(4WD/9AT)【試乗記】 2016.12.2 試乗記 3.5リッターV6ターボエンジンに4WDシステムを組み合わせる、新型「メルセデス・ベンツEクラス」の上級モデルに試乗。先行して発売された2リッター直4ターボ車とは異なる、その走りの質を報告する。
  • BMWアルピナB7ビターボ リムジン ロング(FR/8AT)【試乗記】 2017.1.13 試乗記 BMWアルピナのフラッグシップモデル「B7ビターボ リムジン ロング」に試乗。608psの4.4リッターV8ツインターボエンジンを搭載するスーパーリムジンの実力を全方位で探った。
  • BMW M4 GTS(FR/7AT)【試乗記】 2017.1.10 試乗記 BMW M社が、そのモータースポーツテクノロジーを集約して開発した“公道走行も可能”なレーシングマシン「BMW M4 GTS」。巨大なリアスポイラーに、室内から鈍い光を放つロールバーなど、見た目からしてただ者ではないモンスターマシンの走りをリポートする。
  • BMW 540i(FR/8AT)【海外試乗記】 2017.1.11 試乗記 注目すべきは、シャシー性能と先進運転支援システム(ADAS)の大幅な進化。BMWの基幹モデル「5シリーズ」が7代目にフルモデルチェンジ。G30系と呼ばれる新型の実力を、3リッター直6ターボモデルで試した。
ホームへ戻る