技術で無理を道理に変える

もはや自動車というより石像か建築物のように威風、辺りを払う存在感のベンテイガは実際の寸法も堂々としたものだ。全長×全幅×全高は5150×1995×1755mm、ホイールベースは2995mm、軽量素材を多用しているとはいえそれでも車重は2530kgもある。W12気筒6リッターツインターボエンジンは、608ps(447kW)/5250-6000rpmの最高出力と、91.8kgm(900Nm)/1250-4500rpmの最大トルクを発生、ZFの8段ATとトルセン式センターデフを介して前後285/40ZR22サイズの「ピレリPゼロ」(オプション、標準は21インチ)を駆動する。こうして基本スペックを並べてもそのけた外れぶりが分かる。

そもそも2.5tを超える重量物を破綻なく動かすだけでも並大抵ではない。もちろん破綻なく、ではまったく不十分だ。何しろこれはベントレーだ。ペンを持ち上げるように軽々と、かつあくまで上品に遂行しなくてはならないのである。実際にまったく何事もなく静かに滑らかに動き出し、同じように止まる。トップギア100km/h巡航時の回転数は1300rpmにすぎないが、何しろ最大トルクは1250rpmから生み出されるので、走っている限りいつでも強大なトルクを生かせる状態にある。

悠々と滑らかに走るいっぽうで、フルスロットルを与えると、遠くで激しい雨が降り出したようなズワーッという迫力ある音を響かせて、巨像が怒りに任せて走りだすようにフロントを持ち上げて猛然と加速する。ベンテイガの0-100km/h加速は4.1秒、最高速301km/hというが、これは「ポルシェ911カレラ」並みの駿足(しゅんそく)である。繰り返すが車重は2.5t超にもかかわらず、だ。

最上級のレザーを用いたシート。ベントレーの本拠地・英国クルーでハンドクラフトされている。
最上級のレザーを用いたシート。ベントレーの本拠地・英国クルーでハンドクラフトされている。
リアシートには前後スライドおよびリクライン機能が備わる。(クリックすると動く様子が見られます)
リアシートには前後スライドおよびリクライン機能が備わる。(クリックすると動く様子が見られます)
ラゲッジルームの通常時の容量は430リッター。(クリックすると荷室のバリエーションが見られます)
ラゲッジルームの通常時の容量は430リッター。(クリックすると荷室のバリエーションが見られます)
試乗車には285/40ZR22サイズ(オプション)の「ピレリPゼロ」が装着されていた。
試乗車には285/40ZR22サイズ(オプション)の「ピレリPゼロ」が装着されていた。

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