その決意に感心する

その値段とともにほとほと感心するのは、重量についても重心高についても明らかに不利な大型SUVにもかかわらず、無理を貫き通して道理に作り変えるという断固とした決意である。足まわりは車高調整付きのエアサスペンションとアダプティブダンパーだが、その容量も並外れていなければ、これだけのマスを正確に支えることはできない。今後普及するとみられる48Vシステムをいち早く使った電動アクティブロールコントロールシステムも安定したハンドリングに貢献していることは間違いない。その徹底ぶりはSUVにもかかわらずスポーツカー並みのハイパフォーマンスを実現した最初の「カイエン ターボ」や、絶対に400km/hの壁を越えるという目標を貫いた「ブガッティ・ヴェイロン」に通じるものがあると思う。ドイツに同じようなことわざがあるかどうかは知らないが、まさに断固として行えば鬼神もこれを避ける、である。

とはいえ、そこまでハイパフォーマンスとラグジュアリーを同時に追求する必要があるのかという疑問も頭を離れない。少なくとも日本ではなかなかふさわしい使い方が思い浮かばないが、初年度の日本向け割り当てである80台はたちまち行き先が決まったという。ここまで来るともはや車としての性能とかセグメントなどでは捉えきれない。ベンテイガの荘厳さに魅かれたオーナーの皆さんには、ぜひ紳士的にこのけた外れのSUVを扱ってほしいと思うのである。

(文=高平高輝/写真=荒川正幸/編集=竹下元太郎)

48Vシステムをいち早く使った電動アクティブロールコントロールシステムが、山道でも安定したハンドリングをもたらす。
48Vシステムをいち早く使った電動アクティブロールコントロールシステムが、山道でも安定したハンドリングをもたらす。
丸型4灯のLEDヘッドライトからなるフロントデザインは、まごうことなきベントレー。外側ランプの中央部(ボディー同色部)にウオッシャーが隠れている。
丸型4灯のLEDヘッドライトからなるフロントデザインは、まごうことなきベントレー。外側ランプの中央部(ボディー同色部)にウオッシャーが隠れている。
アルファベットの「B」をモチーフにしたエアアウトレット。
アルファベットの「B」をモチーフにしたエアアウトレット。
今回の試乗距離は約290km。燃費(満タン法)は5.6km/リッターとなった。
今回の試乗距離は約290km。燃費(満タン法)は5.6km/リッターとなった。

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

ベンテイガの他の画像を見るためには、写真一覧をご覧ください。

関連記事
  • ベントレー・ベンテイガ(4WD/8AT)【試乗記】 2016.12.21 試乗記 ベントレー初のSUV「ベンテイガ」がいよいよ日本の公道に降り立った。パワーとスピード、そしてラグジュアリー性において、他を凌駕(りょうが)すべく開発された“世界最高峰のSUV”。その実力を全方位的に探った。
  • ベントレー・フライングスパーV8 S(4WD/8AT)【試乗記】 2017.1.16 試乗記 「ベントレー・フライングスパーV8」の高性能仕様「V8 S」に試乗。21psと20Nmのエクストラを得た「S」モデルで印象的だったのはバランスの良さ。端正さとスポーティーさがジェントルに釣り合った、きめ細かなドライバーズカーだった。
  • アウディS3スポーツバック(4WD/7AT)【試乗記】 2017.4.1 試乗記 高出力のターボエンジンとフルタイム4WDシステムを組み合わせた「アウディS3スポーツバック」がマイナーチェンジ。進化を遂げた高性能ハッチバックの走りには、スポーティー一辺倒ではない“S”ならではの流儀が感じられた。
  • メルセデス・ベンツEクラス クーペ【海外試乗記】 2017.3.30 試乗記 セダン、ステーションワゴンに続き、「メルセデス・ベンツEクラス クーペ」がいよいよ最新世代へとフルモデルチェンジ。W114以来の伝統を誇る、スリーポインテッドスターのミディアムクーペの実力を、スペインはカタロニアで試した。
  • 第8回:夢の世界をちょこっと拝見!
    輸入車チョイ乗りリポート~オーバー2000万円編~
    2017.3.22 特集 ベントレーの「フライングスパー」に「ベンテイガ」、アストンマーティンの最新モデル「DB11」、「ランボルギーニ・ウラカン」の後輪駆動バージョン……。お値段2000万円オーバーの高級車の中から、webCG編集部員が注目モデルの走りをリポートする。
ホームへ戻る