いまの時代にも安心して乗れる

小学生のときからたまに見かけたことはあるが、P1800に乗るのは初めてである。現在、日本でナンバーの付いているP1800は、108台だという。クラシックガレージの“ワークス”整備を受けているとはいえ、基本設計は1950年代のクルマだ。いくら「楽しんできてください」とオーナーに送り出されても、虎の子の一台に緊張しないわけにはいかない。ボルボジャパン地下駐車場のタワーパーキングから出したら、ちょうど別の広報車が戻ってきた。コックピットドリル割愛で表に出ると、すっかり夜のとばりが降りていた。

薄暗いコックピットでそれらしいスイッチを引っ張ったら、ライトがついた。雨が落ちてきたので、やはりそれらしいスイッチを引くと、ワイパーが動いた。よかったよかった。
据え切りはタイヘンだが、動き出せば、ハンドルは重くない。クラッチペダルも重くない。変速機は4段MT。センタートンネルから突き出したシフトレバーは、メタリックな手応えを残して小気味よく作動する。

60~70年代の旧車で、評価の大きな分かれ目になるのはブレーキだが、その点でもこのクルマは優秀だ。P1800Eからは四輪ディスクを備える。交通密度の高い道路で、いつもより多めに車間距離を開けたくなるような不安はない。
つまり、半世紀前のスポーティーボルボは、いまでもフツーに走れるし、実用になる。逆に言うと、現役当時は、かなりススんだクルマだったに違いない。

それにしても、ちょっと暑い。ヒーターが効き過ぎている。ヒーターのコントローラーがどこにあるのか、暗くてわからない。クーラーは付いていない。三角窓を開けて、車内の空気をうめる。

「ボルボP1800」のプラットフォームは、「アマゾン」の名で親しまれる「120」シリーズのフロアパンをベースに、ホイールベースを切り詰めて開発された。
「ボルボP1800」のプラットフォームは、「アマゾン」の名で親しまれる「120」シリーズのフロアパンをベースに、ホイールベースを切り詰めて開発された。
「P1800」のトランスミッションには4段MTと3段ATが用意されており、ともにセレクターレバーは“フロアシフト”となっていた。
「P1800」のトランスミッションには4段MTと3段ATが用意されており、ともにセレクターレバーは“フロアシフト”となっていた。
タイヤサイズは165SR15。テスト車にはミシュランがクラシックカー向けに生産している「XZX」が装着されていた。
タイヤサイズは165SR15。テスト車にはミシュランがクラシックカー向けに生産している「XZX」が装着されていた。
「P1800」の生産は、当初はボディーパネルの製造がプレストスチール、車両組み立てがジェンセンと、ともにイギリスで行われていたが、後にすべてスウェーデンに移管された。
「P1800」の生産は、当初はボディーパネルの製造がプレストスチール、車両組み立てがジェンセンと、ともにイギリスで行われていたが、後にすべてスウェーデンに移管された。

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