モテるにはワケがある

だが、イタリア名物である“お役所仕事”は、陸運事務所も同じ。改造の申請への対応は、各地の窓口によってまちまちになってしまうだろう。手続きに要する膨大な時間的ロスも考えれば、フィアットが定めた250ユーロでは済まない。

実際イタリアで販売されたパンダで、5人乗り仕様にしたユーザーがどのくらいの割合でいたか、データは示されていない。しかし今日、1人1台所有で、しかも大きなサイズのクルマを同時所有する家庭が多いイタリアでは、たとえパンダの室内が広くても、5人フル乗車するシチュエーションは極めて少ない。

そうしたなか、シートベルト1人分でも価格を抑えようとするフィアットの姿勢は理解できる。

ついでにいえば、そうしたユーザーフレンドリーなポリシーこそが、紅白歌合戦連続出場の石川さゆりのごとく、フィアット・パンダをイタリアで新車登録台数トップの座に毎月つかせる理由になっているのだ。

参考までにいうと、2016年11月のパンダ国内登録台数は1万2939台。2位「ランチア・イプシロン」(4379台)の、なんと約3倍であった。

(文と写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>) 

「パンダ ヤング」(写真)は初代パンダに存在した特別仕様車だが、現行型においても2015年に設定された(現在は販売終了)。“売り”は1万ユーロを切った特別価格だったが、専用デカールやマットカラーのホイールキャップなどのドレスアップにより、プアなムードがゼロなのは、さすがフィアット。
「パンダ ヤング」(写真)は初代パンダに存在した特別仕様車だが、現行型においても2015年に設定された(現在は販売終了)。“売り”は1万ユーロを切った特別価格だったが、専用デカールやマットカラーのホイールキャップなどのドレスアップにより、プアなムードがゼロなのは、さすがフィアット。
シエナ旧市街を行く「パンダ」。乗っていたのは2人の修道女であった。質素な生活をよしとする修道院の足としても、イタリアでパンダは定番である。
シエナ旧市街を行く「パンダ」。乗っていたのは2人の修道女であった。質素な生活をよしとする修道院の足としても、イタリアでパンダは定番である。
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