「谷口信輝の新車試乗」――特別提言:スポーツカーの火を消さないために(前編)

2017.01.12 mobileCG
 
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SUPER GTや86/BRZ Raceなど、数々のモータースポーツシーンで活躍中のレーシングドライバー谷口信輝が、本音でクルマを語り尽くす! 今回と次回は通常の試乗記はお休みして、谷口が自伝を交えながら、スポーツカーに対する思いを語る。題して「スポーツカーの火を消さないために」。谷口はなぜ「トヨタ86」や「スバルBRZ」にこだわるのか。そのワケが明かされる。

「AE86は結局、5台に乗りました」と谷口。しかも当時、豆腐店で働いていたため、「あのマンガ、オマエのことか?」と聞かれたという。
「AE86は結局、5台に乗りました」と谷口。しかも当時、豆腐店で働いていたため、「あのマンガ、オマエのことか?」と聞かれたという。
「AE86」こと4代目「カローラレビン/スプリンタートレノ」の販売期間は1983年から1987年まで。1971年生まれの谷口が免許を取得したとき、すでに新車で手に入れることはできなかった。(写真=トヨタ自動車)
「AE86」こと4代目「カローラレビン/スプリンタートレノ」の販売期間は1983年から1987年まで。1971年生まれの谷口が免許を取得したとき、すでに新車で手に入れることはできなかった。(写真=トヨタ自動車)
『頭文字D』に登場するのは藤原とうふ店。谷口は当時、クボタ食品という豆腐店で働いていた。(写真=トヨタ自動車)
『頭文字D』に登場するのは藤原とうふ店。谷口は当時、クボタ食品という豆腐店で働いていた。(写真=トヨタ自動車)

「あのマンガ、オマエのことか?」

もともとミニバイクレースにのめり込んでいた僕が四輪車の魅力に目覚めたのは17歳のとき。地元の広島で、交差点をドリフトで走り抜けていく「AE86」を見て、もう瞬間的に恋に落ちました(笑)。それで19歳のときに最初のAE86を買いました。「トレノ」の3ドア。ボディーカラーは赤と黒のツートンでグレードは「アペックス」でした。当時はもう新車が手に入らなかったので、当然、中古です。たしか70万円でした。

AE86は結局、5台に乗りましたね。2台目は白黒ツートンの2ドアレビンだったけど、やっぱり3ドアのほうが好みだったのですぐ売っちゃって、またトレノの3ドアを手に入れました。当時20歳だった僕は、AE86で峠を走り回るいっぽうで、クボタ食品(当時)っていう豆腐屋さんで豆腐の配達をしていたんですが、この頃、漫画家のしげの秀一さんがヤングマガジンで連載を始めたのが『頭文字D』。その主人公がAE86に乗っていて、しかも豆腐屋で働いていたから、僕とキャラがまるかぶり。当時、僕は走り屋としてちょっとは知られた存在だったから、このマンガを見た広島じゅうの走り屋が僕のところに電話してきましたよ。「あのマンガ、オマエのことか?」って(笑)。なにしろ、僕が乗っていたトレノもボディーは白。マンガに出てくる“白黒パンダ”じゃないけど、それでもバンパーだけ白黒ツートンの、いわゆる“ドリキンレプリカ”だったから、結構似ていましたね。

もっとも僕は、そもそも86が好きで買ったわけではなく、「FC3S」(2代目『マツダRX-7』)が欲しかったんですよ。ところが、いとこのケンちゃんに「セブンなんか買うな! クルマ高いし、部品高いし、燃費悪いし。86を買え! 86を買って、峠で上りはもちろん、下りでもパワー不足を感じるようになったら、『シルビア』でもセブンでも買えばいい!」って言われて、86を買ったんです。それで86と付き合ってみたら、すっかり愛着が湧いてしまって、5台も乗り継いだわけです。(続く)

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(語り=谷口信輝/まとめ=大谷達也<Little Wing>/写真=小林俊樹、トヨタ自動車/編集=竹下元太郎)

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